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「ISOって何?」という質問へのお答えを、デジカメを例に出して前回はお話ししました。メニューボタンを押すとISO感度という表示があり、そこからもう一段進むと100、200、400、800、1600という数字があるというお話ですね。
そうなんです、これって、デジカメを使う人にとっては全世界共通の用語なのです。デジカメの世界でのことなので、カメラを使わない方にはなかなか理解しにくいと思うのですが、デジカメがない時代、皆さんは写真を撮るのにフィルムを使っていましたのよね。
「えっ、フィルムって何?そんなもの見たことないんだけど・・・」
若い方からの声が聞こえてきました。ごめんなさい、そうですよね。今の若い方はフィルムなんて使ったことない、つまり見たことない方が大勢いらっしゃると思います。おじさん世代にとっては長年大事にしてきたこの例示が使えなくなってしまい、とってもさびしいんです。
ですが、急には別な良い事例は思いつかないので、少しフィルムのお話をさせてくださいね。
昔の日本人は海外旅行に行くと、とにかく写真ばかり取っていると外国の人からよく言われました。私も普段はほこりをかぶっていたカメラが、海外旅行に行った際には大活躍、という状況だったことを今でも覚えています。そうすると、思った以上に写真をたくさん撮ってしまう。デジカメであればメモリーがいっぱいにならなければいくらでも撮れてしまいますが、フィルムの場合は最大でもたったの36枚だったのです。それを撮りきってしまうとフィルムの交換が必要になります。そうすると海外旅行の時は現地でフィルムを買うことになります。日本でもそうでしたが海外でもフィルムはあちこちで売っている商品でした。でもフィルムには色々な種類があったのです。もちろんメーカーも何社もあったわけですが、どのメーカーのフィルムにも必ずISO100、とかISO400という数字がパッケージに書かれていて、それを見て欲しいフィルムを選んでいたのですね。
屋外で撮るならISO100、室内もあるかな、あるいはどうも天気が悪いかな、と思うとISO400、という感じで。
そうなんです。フィルムには形状や大きさ、そして感度の基準があって、全世界共通でその規格が用いられ、消費者も認識していた、ということなのです。
これがISOの効用です。
そう、ちょっと堅苦しい言葉で言うと標準化がなされていた、ということなのです。日本で買ったカメラに入れるフィルム、どの国で買ってもきちんと収めることができると共に感度についても安心して自分の欲しいものがどこの国でも買うことができる。どうです、便利でしょ。
メーカーにとってはその基準に合致する商品を作って全世界で販売をしていたわけですが、その基準を作っていたのがISOなのです。
そう、ISOとは国際的な標準化を推し進める団体なのです。
はい、今回もそろそろ皆さんお疲れのころあいになったのではないかと思います。続きはまた次回!