第14回

「私とマネジメントシステムそしてISO」の第14回目です。第5回に述べたTQC特徴6項目について話が進んでいます。
 TQC特徴6項目とは、第5回目でお話しした次の6項目です

5.1 全員参加の品質管理
5.2 品質管理の教育・訓練
5.3 QCサークル活動
5.4 QC診断 
5.5 統計的方法の活用
5.6 国家的品質管理推進活動

今回は5.3「QCサークル活動その3」から始めることになります。

5.3 QCサークル活動その3

(4) QCサークルの歩み
QCサークルの誕生の背景そしてその推進組織について述べました。その後のQCサークルの発展について述べます。その後も、QCサークルシンポジュ-ム開催、QCサークル洋上大学開催、全日本QCサークル大会開催、全国表彰制度など、QCサークル活動の活発化を支援する仕組みが設けられ、各々がその設立された意味を良く理解し、役割をしっかり果たしている事が発展の基礎となりました。その他、発展に寄与した項目を3つ上げるとすると次のようになります。

 (1)本部の支援
  ・QCサークル本部登録制度
  ・全国表彰制度:a)FQC賞、b)本部長賞、
  ・参考書発刊:a)「QCサークル綱領」、b)「QCサ-クル活動運営の基本」、

 (2)事務・販売・サ-ビス部門への活動の広がり
  現場部門の活動の活発・発展に引きずられ、事務部門・販売部門・サービス部門へと活動の輪が広がって行きました。
  更に、1980年代には、製造メーカー以外の金融・物流・通信・運輸・小売業等の業界に於いてもQCサ-クル活動の輪が拡大して行きました。その後のQCサークル活動の体験事例発表を見る時、その拡大する状況が分かります。

  ・病院等の医療機関、
  ・福祉施設、
  ・コールセンター、
  ・清掃・メンテナンス業、
  ・ソフトウェア
  ・航空自衛隊や米海軍基地、

まさに従来の分野を超え、全職種にQCサークル活動が実施されていきました。

(5) QCサークル活動とは
いろいろQCサークル活動について説明をしてきましたが、改めてQCサークル活動とは何かを話してみたいと思います。すでに話しましたように、1970年11月にQCサークル本部から「QCサークル綱領」が発刊され、現在書名を「QCサークルの基本」に変えているものがあります。1971年には、QCサークルの運営・推進をする上での基本をまとめた「QCサークル活動運営の基本」が発刊され、この2冊の書は、QCサークル運営のバイブルとなっております。

【QCサ-クルの基本】

「QCサ-クル活動」とは、
第一線の職場で働く人々が、
継続的に製品・サービス・仕事等の質の管理・改善を行う
小グループである。

この小グループは、
運営を自主的に行い、
QCの考え方・手法等を活用し、
創造性を発揮し、
自己啓発・相互啓発を図り、
活動をすすめる。

この活動は、
QCサークルメンバーの能力向上・自己実現、
明るく活力に満ちた生き甲斐のある職場作り、
お客様満足の向上及び社会への貢献
を目指す。

経営者・管理者は、
この活動を企業の体質改善・発展に寄与させるために、
人材育成・職場活性化の重要な活動として位置付け、
自らTQM等の全社的活動を実践すると共に、
人間性を尊重し全員参加を目指した指導・支援
を行う。

(注、TQMはTotal Quality Managementの略で総合的品質管理の意味、1960年当時は、TQCと呼んでいた。)

以上