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平林良人「品質マニュアルの作り方」(1993年)アーカイブ 第39回
条項4.6 購入者による支給品
- 購人者(会社の顧客)からの支給物晶について述べている。
- 1.契約によって顧客から支給されるすべての部品・材料は,数量,材料・部品タイプ, 輸送ダメージなどがチェックされる。もし顧客が受入検査や試験などを追加要請してきた場合には,契約時点でこれらの要求事項を規定し,作業指示書に文書化して発行する。
- 2.すべての「無料支給品」は,倉庫に受け入れられるまえに,顧客識別番号,加工識別番号が付され,不認可の使用や不適当な処置がなされないような保護を講じてから,識別された場所に保管される。
- 3.会社は,顧客からの支給品が完成品として再び顧客の手にわたるまで,その保管,取扱い,使用についての管理責任を負う。
- 4.受入れから出荷までのどの時点においてでも,もしこの「無料支給品」が紛失したり,損傷を受けたりしたときには,顧客に直ちに連絡をし,指示を受ける。
条項4.7 製品の識別及びトレーサビリティ
- 製品の識別とトレーサビリティについて具体的な部品を挙げて説明している。
- 1.会社は,すべての「安全上必要な」部品,ユニットに,連続した番号および製造日を付すことにより,製造工程の識別を実行するシステムを運用する。
- 2.ここでいう「安全上必要な」部品,ユニットとは,次のものをいう。
回路基盤、電源トランス、モーター、パネル等 - 3.トレーサビリティ確保に関する記録は,5年間保管する。
条項4.8 工程管理
- 製造工程をばらつかせる各種要因について,その管理の仕方を述べている。
- 1.製造計画
- ① 製造計画は,顧客の要求事項を十分に満足する仕事を効率的に行うため,生産管理部門が毎月社内制定する。
- ② 製造計画は,生産管理部門が会社の生産手段を最も有効に活用する観点から作成する。
- ③ 製造部門には要求品質を満足させる仕事のできる作業環境を整備する責任がある。
- ④ 会社は,製造計画の予期しない変更の可能性をできるだけ小さくし,出荷の遅れや,規定要求事項に不適合な代替装置の使用などを避ける。
- ⑤ 新たに導入される装置,材料,方法,人については,4M変更管理基準に準拠し,品質保証部長の認可を必要とする。
- ⑥ 新製品は新製品管理基準によって管理されている。この管理基準は,初回量産の認定に重点をおいている。
- 2.工程での品質の作り込み
- ① 会社が適合する材料,部品,手段を使用できるように保証することによって,製品品質の作り込みに責任を持つ一方,全従業員は,自分の仕事の品質と工程の管理にそれぞれの責任を持つ。
- ② 会社は,工程レイアウト,図面,組立手順書,出来映え基準,限度見本などの適切な情報と指示を与える。製造従業員が,工程を管理しようとする努力を,会社はあらゆる手段を使って援助する。
- 3.特殊工程
- ① 会社は,高・低温温度試験を特殊工程と定める。
- ② 会社は要求事項に適合した出力の管理を連続した要因の監視によって工程管理する。
- ③ これらの特性要因は,製造開始前に制定され,その工程管理は指示書に記述されている。
条項4.9 検査及び試験
- 受入れ,工程内,出荷における検査と試験について述べている。
- 1.部品受入検査および試験
- ① すべての受入部品,ユニットおよび組立品は,受入検査か他の検証方法で検査されてから使用される。受入時の部品の適合性検査は,品質保証部内の検査員によって実施され,上司に報告される。
- ② 受入検査部品の抜取数,検査特性は,外注会社の品質管理の実績で決められ,それは品質記録として文書化されている。
- 2.工程内検査および試験
- ① 工程内検査は製造検査員によって実施され,上司に報告される。
- a)製造方法は管理された状態になっているか?
- b)製品出荷検査で検査されないすべての特性は検査されているか?
- c)不適合品が早期に検出できているか?
- 3.製品出荷検査および試験
- ① 品質保証部の検査員は,製品出荷検査を実施する。
- 検査員は工程内検査および試験の検証だけでなく,外観,機能試験など,要求事項への適合性すべてについて抜取検査を行う。
- ② すべての製品は,品質保証課長または出荷検査主任の許可なしでは,出荷場または顧客のもとへ製品を移動させてはならない。
- ③ すべての検証活動は,適切な帳票に記録される。