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平林良人「ISO 9001 有効活用のためのビジネス改善ツール」(2005年)アーカイブ 第26回
TPM (Total Productive Maintenance)
活用方法
要素 | コメント | ||||
ISO 9001との関連 | MR | RM | PR | M&A | Imp |
✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||
活用範囲 | あらゆるタイプの組織 ほぼ製造に限定 製造機能 |
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システムにおける変化の度合い | 小 | ||||
人々に関する変化の度合い | 大 | ||||
利益レベル | 実施の成功度に応じて大~中 | ||||
参加レベル | 完全に推進母体として | ||||
成熟レベル | 経験者、又は世界クラスの者 | ||||
時間尺度 | 12ヶ月以上 | ||||
投資レベル | 中間 | ||||
実施方法 | プログラム |
背景
TPMは、日本で開発された継続的改善への実績の有るアプローチです。世界中で700以上の工場が、このアプローチを使用して成功しています。
TPMのアプローチは、工場に集中する手法であり、オペレーターと機械の関係を調査し改善するものです。TPMは、パフォーマンス向上を阻害する主な対象物を取り除くという、大きな目標をもつ結果指向の強いものです。
このアプローチは、大変系統的なプログラムで、実行するにはおよそ2~5年を要します。主な要素は、要員研修、特に現場作業者の研修です。現場作業者たちは、改善を実行するために小さい部門横断形チームを作り活動します。
日本社会は、チームを作り研修を推進することが得意で、部門横断形チームのようなアプローチは人気があります。日本社会には、組織が特定の「レベル」に達することを推奨する制度があり、さらには年間を通じて表彰をする制度もあります。
TPMによる利益は、生産性、品質、コスト、納期、安全、環境及び従業員士気を含む多くのものがこれまで認められています。
原則
TPMの原則は、下図に示すような「TPM柱」によって表されます。これらの「柱」は、TQMその他の継続的改善アプローチの要素に似ています。メンテナンスに関する課題は、TPMアプローチの本質としてプログラムの全体にわたっています。作業者は担当機械の単純なメンテナンスを「自主メンテナンス」として実行し、組織全体については「効果的メンテナンス」として実施しますが、その結果機械休止時間を最小にすることを確実なものにします。
アプローチ
TPMへのアプローチは系統的に行われ、実行に伴い幾つかの段階を通ります。典型的な実行計画は次の通りです。
準備
- ステップ1.TPM導入の決定を正式に発表する。
- ステップ2. TPM導入の教育及び周知徹底。
- ステップ3. TPM促進組織を作る。
- ステップ4. 基本的なTPM方針と目標を確立する。
- ステップ5. TPMを実行する全体計画を作る。
導入/初公開
- ステップ6. TPM計画を始める。
実行
- ステップ7.生産性を最大にする企業憲法を構築する。
- 重点志向の改善
- 自主メンテナンス
- 効果的メンテナンス
- 研修
- ステップ8. 早めのマネジメント
- ステップ9. 品質の維持管理(ISO 9001)
- ステップ10. 管理部門のTPM
- ステップ11. 安全、衛生及び環境
安定化
- ステップ12. 完全なるTPM実施とレベルの向上