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平林良人「パフォーマンスの改善」(2000年)アーカイブ 第28回
業務設計。設定した業務目標の下で、各業務がその当事者がこれらの目標を達成するのを可能にする様、各業務を構成する必要があります。業務設計は以下の事項の関数です。
各種業務の責任の割り当て
業務活動の連鎖
業務方針と手順
人間工学
プロセス要求事項に基づいて業務目標を策定する時、プロセスをサポートする当事者の能力を妨げる内容の責任が課せられていることをよく見かけます。例えば、我々は石油会社の仕入係の立場を研究したことがあります。我々は、時間のかなりを割かなければならない管理業務によって、購買プロセスへの仕入係の貢献が減少させられているのを発見しました。問題となる責任は新たに作られた職位、アシスタントの仕入係に移されました。この責任の再配分は、仕入係を最も得意とする仕入れに専念できるようにしました。新しいキャリアパスを確立することに加えて、この新しい業務の設置は、プロセスが品質で妥協しないでより効率的に機能することを可能にしました。
業務目標を記述する手助けをするため、かつ責務が適切な業務に割り付けられることを確実にするために、役割/責任マトリックスを作ることを推奨します。例(Computec社を使用して)を表6.1に示します。
業務設計の2つ目の次元は、業務遂行者がアウトプットを作るために行う業務活動の連鎖、プロセスです。例えば、もし仕入係が潜在的売り主と協議をし、競争入札を行う前に、支出金額を正当化することを期待されるなら、彼らは購買プロセスに最大の貢献をすることができない可能性があります。
業務方針と手順は、密接に業務活動の連鎖に連動しており、プロセスの有効性を強力に助けるか、又は妨げる場合があります。例えば、もし供給元を単一にする方針と支出依頼様式が複雑であるなら、仕入係の実績は彼らが本来持っている可能性には、到底達しないでしょう。
最後に、業務における人間工学の活用により、最適パフォーマンスをサポートしなければなりません。ワークステーション及び物理的環境の設計は、業務目標を満たすことに対する障害を最小となるようになされなければなりません。例えば、仕入係はコンピュータに仕事のかなりの時間を費やします。椅子とテーブルの高さ、画面の角度及び照明はコンピュータが使い易い様に設計されるべきです。
Computec社の例を続けると、経理担当者が信用調査をすることに意味があり、信用調査のための論理的なプロセスを持ち、信用調査のための方針とガイドラインを持ち、彼らのワークステーションが最適な信用調査パフォーマンスに役に立っていることを確実にする必要があります。
次に示すものは、業務設計の変数に対する質問です。
業務ステップは論理的な順序になっていますか?
サポートとなる方針と手順が開発されていますか?
業務環境は人間工学的に見て合理的ですか?
表6.1 金融部門と顧客オーダープロセスのための役割/責任マトリックス
図6.3 ヒューマンパフォーマンスシステムに影響する要素(略)