「4M変更管理標準KPT105」を対象に品質管理課に対してナラティブ内部監査を行っています。

(被監査者)もし、「そのようなルール違反を今までやっていたのですか」などと批判めいたことを言われたら、その瞬間から「被監査者証明方式」は壊れると思います。
(前回最後)

(今回ここから)

  • (内部監査員)その通りです。ここは大変重要なところです。内部監査員と被監査者が一体にならないとナラティブ内部監査、特に「被監査者証明方式」(別名一九監査)は成功しません。
    ナラティブ内部監査のポイントは次の2つです。

    • ①内部監査員と被監査者の共同作業
    • ②問題解決

    の2つです。

  • 口で言うのは簡単ですが、この2つを組織で実践するには大きな努力が必要です。
  • 組織の中には「内部監査はいやだ」というような組織内世論があります。それを克服しなければならないので、①、②を実践するには戦略が必要になると思います。
  • (被監査者)もし、よかったら内部監査から離れますが、その戦略を教えていただけませんか。
  • (内部監査員)勿論です、少しわき道にそれますが、戦略の最初は現状を分析することからになると思っています。
  • 当社では、内部監査のマンネリ化について、10年以上前からいろいろな部署から批判されてきました。有効的な内部監査をしましょうと呼びかけてきましたが、ではどのようにやるのかという段になると具体的な提案ができないまま来てしまいました。
  • そうはいってもいくつか提案はしてはきました。
  • 数年前に提案したことは、ISO規格の箇条に基づいた監査から自社の標準に基づいた内部監査に変えましょう、ということでした。ISO9001:2015年版でも自社の標準にISO要求事項を組み込む、ということになっているので現在はその形になっています。
  • (被監査者)そうですね。
    7,8年前まではISOの規格を手に取ってチェックリスト的に監査をしていました。今は自分たちの標準書を手に取って監査を受けるようになりましたので、大きな進歩だと思います。
  • (内部監査員)次のステップは組織を改善するという明確な目標をもって内部監査をするというところにあります。そのためには、我々と被監査者とは仲良くならないといけないのです。仲良くなるとは俗な言い方ですが、仕事をしている人の気持ちで内部監査をするべきであると思っています。
  • そのためのポイントは次の通りです。
    • シンプルに質問する。
    • よく聴く。
    • 一緒に見る。
    • 一緒に交換する(アイディア)。
    • 一緒に考える。
    • 一緒に評価する。
    • 一緒に分析する。
    • 一緒に物語る。
    • 一緒に意見を言う。
    • 一緒に検討する。

(つづく)