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平林良人「2000年版対応 ISO 9000品質マニュアルの作り方」アーカイブ 第27回
◆このシリーズでは平林良人の今までの著作(共著を含む)のアーカイブをお届けします。今回は「2000年版対応ISO9000品質マニュアルの作り方」です。
4.2 文書化
4.2.1 当社文書化の概要
当社が推進する品質マネジメントシステムに関する文書は下記に示す構成とする。
- ① 品質方針(品質マニュアルに合本)
- ② 品質目標(年度運営計画に記載)
- ③ 品質マニュアル
- ④ JISQ9001/ISO9001:2000規格が要求する文書化した手順(文書管理規定,品質記録管理規定,内部監査規定,不適合製品の管理規定,是正処置規定,予防処置規定)
- ⑤ その他の文書(基準・要領等)
- ⑥ 仕様書・設計図面・施工図等のプロジェクト文書
- ⑦ 品質記録
関連企画 | 文書名 | 文書番号 | 管理部門・部署 |
品質マニュアル | TF-Q-01 | 品質環境安全部 品質管理課 |
|
4.2.3 | 文書管理規定 | TF-Q-02 | 品質環境安全部 品質管理課 |
4.2.4 | 品質記録管理規定 | TF-Q-03 | 品質環境安全部 品質管理課 |
5.4.2 | 方針管理規定 | TF-Q-04 | 総務部・企画課 |
5.5.3 | 品質関連会議体規定 | TF-Q-05 | 総務部・企画課 |
8.2.2 | 内部品質監査規定 | TF-Q-06 | 品質環境安全部 品質管理課 |
8.3 | 不適合製品の管理規定 | TF-Q-07 | 品質環境安全部 品質管理課 |
8.5.2 | 是正処置規定 | TF-Q-08 | 品質環境安全部 品質管理課 |
8.5.3 | 予防処置規定 | TF-Q-09 | 品質環境安全部 品質管理課 |
6.3 | 設備管理規定 | TF-Q-32 | 総務部 |
6.4 | オフィス環境基準 | TF-Q-010 | 総務部・総務課 |
6.4 | 作業所環境基準 | TF-Q-011 | 建築及び土木部 |
7.2.3 | 契約文書作成要領 | TF-Q-21 | 総務部 |
7.3.1 | 設計品質計画書作成要領 | TF-Q-22 | 建築部・設計課 |
7.3.4 | DR実施要領 | TF-Q-23 | 建築部・設計課 |
7.3.6 | 妥当性確認要領 | TF-Q-33 | 建築部・工事課 |
7.4.1 | 購買業務要領 | TF-Q-24 | 建築部・工事課 |
7.4.1 | 供給者評価要領 | TF-Q-25 | 建築部・工事課 |
7.5.1 | 工事管理品質計画書作成要領 | TF-Q-26 | 建築部・設計課 |
7.5.1 | 施工品質計画書作成要領 | TF-Q-27 | 建築部・工事課 |
7.5.1 | 維持管理要領 | TF-Q-28 | 建築部・工事課 |
7.5.2 | 特殊工程確認要領 | TF-Q-29 | 建築部・工事課 |
7.6 | 検査危機管理要領 | TF-Q-30 | 品質環境安全部 品質管理課 |
8.2.1 | 顧客満足度調査要領 | TF-Q-31 | 品質環境安全部 品質管理課 |
4.2.2 品質マニュアル
- (1) 品質マネジメントシステムの制定・維持
品質マニュアルの制定・改訂・廃止の作成・審査・承認は下記の通りとする。
作成:品質管理責任者 審査:品質管理委員会委員長 承認:社長 - (2) 品質マニュアルの維持管理責任者は品質管理責任者とする。
- (3) 品質マニュアルに対する適用範囲については,1.2「適用範囲」に示す。
- (4) 文書化された手順については,4.2.1「当社文書化の概要」に示す。
- (5) 品質マネジメントシステムのプロセス間の相互関係については,図-4.1-2「品質マネジメントシステムのプロセス」及び付表1「プロセス間の相互関係一覧表」に示す。
4.2.3 文書管理
- (1) 品質管理マネジメントシステムに必要な文書の制定・改訂・廃止
品質管理の承認者,発行部門,部署,保管責任者は下記の通りとする。 - (2) 外部文書の識別と管理
外部で作成された文書と識別と管理の責任者は下表の通りとする。 - (3) 廃止文書の管理
発行部門長は,法律上又は廃止ご参考資料として保存する文書には,原本に廃止印を押印する。 - (4) 文書の改訂記録
発行部門長は,文書を改訂するときには,改訂履歴を文書の表紙に表示し,現在の改訂状況を明確にする。 - (5) 部門管理の詳細な手順
文書作成及び管理の詳細な手順は「文書管理規定」に定める。
品質文書名 | 承認者 | 発行部門・部署 | 保管責任者 | |
品質マニュアル | 社長 | 品質環境安全部 | 品質管理課長 | |
規定・要領類 | 社長 | 関連部門 | 品質管理課長 | |
文書プロジェクト | 設計文書 | 設計責任者 | 建築部設計課 | 設計責任者 |
契約文書 | 社長 | 総務部 | 総務課長 | |
工事管理文書 | 工事管理者 | 建築部設計課 | 工事管理者 | |
施工関連文書 | 建築部長・土木部長 | 作業所 | 現場責任者 |
外部文書の種類 | 識別と管理の責任者 |
法務関連文書 | 総務課長 |
建築設計に関する文書 | 建築部設計課長 |
建築施工に関する文書 | 建築部建築工事課長 |
土木施工に関する文書 | 土木部土木技術課長(文書化) |
4.2.4 記録の管理
- (1)記録の種類と責任者
当社で作成する記録と責任者は下表の通りとする。 - (2)保管期間・保管方法等
記録の保管期間,保管方法,検索方法等の詳細な手順は「品質記録管理規定」による。
記録の種類 | 作成・維持責任 | 保管責任者 |
マネジメントレビュー記録 | 品質管理責任者 | 品質管理課長 |
デザインレビュー記録 設計・開発へのインプット記録 設計・開発からのアウトプット記録 設計・開発のDR記録 設計・開発の検証記録 設計・開発の妥当性確認の記録 設計・開発の変更内容の記録 |
設計責任者 | 設計課長 |
製品に関連する要求事項のレビュー | プロジェクト会議議長 (建築部長または土木部長) |
建築又は土木工事課長 |
供給者の評価および必要な処置の記録・契約文書 | 建築又は土木部工事課長 | 建築又は土木工事課長 |
品質記録の種類 | 作成・維持責任者 | 保管責任者 |
設計変更記録 | 設計責任者 | 設計課長 |
中間検査・完了検査 引渡し検査の記録 |
現場責任者 | 建築または土木部 工事課長 |
顧客支給品の管理記録 | 設計責任者 現場責任者 |
設計課長 建築または土木部工事課長 |
竣工後半年、1年,2年点検記録 | 建築または土木保全責任者 | 建築または土木部保全責任者 |
監視機器の即記録 | 現場責任者 | 建築または土木部工事責任者 |
内部品質監査記録 | 品質管理責任者 | 品質管理課長 |
教育・訓練記録 | 人事課長 | 総務部長 |
プロジェクトにおける品質記録 | 設計責任者・工事管理者・現場責任者 | 設計課長 建築または土木部工事責任者 |
5.経営者の責任
- 5.1 経営者のコミットメント
社長は,品質マネジメントシステムの開発及び実行並びに改善に対し,下記の項目を実施する。各項目の詳細はその当該項目の欄で記述する。 - ① 顧客要求事項及び法令・規制要求事項を満たすことの重要性を関係者へ伝える。⇒「5.2 顧客重視」「5.3 品質方針」「年度運営計画」
- ② 品質方針を設定する。⇒「5.3品質方針」
- ③ 品質目標が設定されていることを確実にする。⇒「5.4.1 品質目標」
- ④ マネジメントレビューを実施する。⇒「8.6 マネジメントレビュー」
- ⑤ 資源が使用できる。⇒「6.資源の運用管理」
- 5.2 顧客重視
社長は,関係する部門,部署に対し「顧客のニーズと期待を決定し,顧客満足向上をはかると共に,法令・規制要求事項を満たす」ことを「品質方針」及び「年度運営計画」に示し,周知徹底をはかる。製品に関する顧客の要求事項の明確化については,7.2.1「製品に関連する要求事項の明確化」,8.2.1「顧客満足」による。 - 5.3 品質方針
社長は,品質方針について下記の事項を実施する。 - (1)当社の経営理念(目的)に対して適切である品質方針を定める。
- (2)継続的に改善することへの強い決意を示す。
- (3)「年度運営計画」「年度実施計画」への品質目標の設定及びレビューに活用できるように品質方針を構成する。
- (4)当社の従業員に品質方針を伝達し,理解を深めさせる。(伝達方法は,5.5.3「内部コミュニケーション」による)
- (5)継続して適切であるようマネジメントレビュー時に品質方針をレビューする。
但し,当社の業務内容及び大幅な組織変更等で,品質方針の変更が必要と判断された場合は,品質方針のレビューを実施する。