ISO審査員及びISO内部監査員に経済産業省の白書を参考に各種有用な情報をお届けします。

■アフリカとの関係

(総論)
アフリカは、若年層を中心に13億人を超える人口を抱え、新型コロナ禍でも人口増加トレンドは変わっておらず、電力・運輸・港湾等のインフラ需要は引き続き大きい。他方で、資源・インフラを中心としていたアフリカビジネスは、各国の産業開発や、医療・食糧ニーズの増加、急速な情報技術の発達を背景とした一足飛びの電子金融導入、電子商取引の普及などを通じて、様々な分野で社会課題解決に向けた事業の展開など、多様化しつつある。

また、2021年1月にはアフリカ大陸自由貿易圏の運用が開始され、アフリカ域内貿易の促進が具体的に進むことが期待される。我が国は、質の高いインフラ整備の推進、投資協定や租税条約の締結促進などとともに、アフリカ開発会議(TICAD)や日アフリカ官民経済フォーラムなどの官民が一体となった対話の場を活用し、アフリカに加え第三国や国際機関との協力を強化することを通じて、日本企業のアフリカ進出を支援していくとともに、進出した企業のアフリカにおける円滑な業務遂行をサポートする。

(進捗状況)
2021年12月、経済産業省はケニア政府とJETROと共同で第2回日アフリカ官民経済フォーラム分科会を開催した。分科会では、5つのテーマ(Innovation, Integration, Industrialization, Green & Digital Infrastructure, Finance)について、官民・国内外50名以上の有識者が登壇し、アフリカのビジネス環境の現在地確認を行い、日本企業がアフリカ市場の活力を取り込み、アフリカビジネス発展に資する具体的事例紹介や必要な方策について議論がなされた。また、この機会に15本の協力覚書/パーナーシップを紹介し、日本とアフリカの官民双方含む多様な企業・組織間における、ファイナンス、人材育成、ヘルスケア、エネルギー等幅広い分野での協力が確認された。官民一体でアフリカビジネスを継続的に議論するプラットフォームである「アフリカビジネス協議会」(2019年6月発足)では、官民の参加者間でアフリカビジネスに係る情報共有と意見交換を行い、関係省庁・機関による支援策の検討・実施・見直し等を実施している。

具体的には、①アフリカ政府・企業とのネットワーキング・マッチング機会の提供、②アフリカ各国のビジネス環境改善の促進、③各省庁・機関横断による支援策の連携促進などを目標に掲げ、活動を行ってきた。同協議会には、経済産業省、外務省、日本経済団体連合会、経済同友会を始め、約340の企業・団体・官公庁・国際機関が所属しており(2022年1月時点)、中堅中小企業、投資環境改善、農業、ヘルスケアなどをテーマとしたワーキング・グループが、アフリカビジネス展開に関する課題の吸い上げや、現地事情などの関連調査、日本企業と現地関係機関との関係構築等を実施している。

新型コロナ禍の2021年度においては、TICAD8に向けて上記WG活動を活性化させるとともに、日本貿易振興機構(JETRO)も通じて、デジタルツールを活用した現地最新情報等の提供、アフリカ進出支援策の情報共有、オンライン商談会(医療機器、機械分野、農業資機材等の分野)等を実施した。2021年6月には、日本企業のアフリカ市場開拓の支援を強化するためJETROが「アフリカビジネスデスク」を新設し、多数の利用実績をあげている。

(つづく)Y.H

(出典)経済産業省 通商白書2022
https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2022/index.html