内閣府がすすめている「成長分野等における実践キャリア・アップ戦略」-国家戦略・プロフェッショナル検定- カーボンマネジャー キャリア段位制度がスタートしました。
テクノファはカーボンマネジャー キャリア段位制度事務局である(一社)産業環境管理協会(JEMAI)から研修機関として承認されています。

カーボンマネジャーとは

「省エネ分野」と「温室効果ガス(GHG)排出削減・吸収分野」の双方の知識・技能を体系的に身につけた、国が成長分野であると決定した「環境・エネルギー分野」で活躍が期待される新しい人材です。当面はレベル1~4まで段位づけされています。
カーボンマネジャーとして認定されることで、省エネルギーと温室効果ガス排出削減の両分野の能力を保有していることがアピールでき、今後日本が直面するであろうエネルギー問題の解決、改善の一翼を担う人材になりえます。
なお、テクノファは2011年に実証事業として研修を開催するなど、制度づくりに関わってきました。
制度の詳細は、内閣府パンフレットをご覧ください。

ISO 環境 カーボンマネージャー キャリア段位制度 内閣府パンフレット01ISO 環境 カーボンマネージャー キャリア段位制度 内閣府パンフレット02

ISO 環境 カーボンマネージャー キャリア段位制度 内閣府パンフレット03ISO 環境 カーボンマネージャー キャリア段位制度 内閣府パンフレット04

ISO 環境 カーボンマネージャー キャリア段位制度 内閣府パンフレット05ISO 環境 カーボンマネージャー キャリア段位制度 内閣府パンフレット06

ISO 環境 カーボンマネージャー キャリア段位制度 内閣府パンフレット07

※内閣府/(一社)産業環境管理協会パンフレットより

カーボンマネジャー キャリア段位(レベル1~4)取得までのステップ

1. JEMAI承認機関による研修

(一社)産業環境管理協会(JEMAI)承認の機関(例えばテクノファ)が実施する研修を受講します。

  • レベル1:eラーニング(41時間)あるいは集合教育(6日間41時間)
  • レベル2:集合教育31時間
  • レベル3:   〃
  • レベル4:   〃 
2. 研修後の修了試験

内閣府(事務局:JEMAI)が実施します。

  • レベル1は、2時間の筆記試験です
  • レベル2~4は、3時間の筆記試験です
3. 業務実績

段位評価登録申請には修了試験合格に加えて業務実績が必要となります。

  • レベル1は不要です。
  • レベル2は上記研修期間中の演習で評価されます。
  • レベル3は実績1件/レベル4は2件が必要です。
4. レベルの評価登録

内閣府(事務局:JEMAI)のレベル認定委員会にて、評価登録が行われます。

研修受講にあたって

ご受講を検討するに当たって、「どのレベル(コース)にチャレンジすればよいか」の判断材料又はレベル感を下記にお示しします(あくまでもレベル感ですので、これに束縛されることはありません)。

JEMAI認証 カーボンマネジャーレベル1 入門コース

この分野(省エネルギー&温室効果ガス排出削減)の入門コースです。
例えば、学校教育を終えたばかりの方、社会人としてスタートを切ったばかりの方、あるいは社会人経験は長いがこの分野でのキャリアを積みたいと思っている方などに適するコースです。レベル1の目標、狙いは、省エネルギー&温室効果ガス排出削減に関する活動が「わかること」となっています。

カリキュラム

地球温暖化問題、エネルギー問題等に関する基礎知識

  • 地球温暖化問題、温室効果ガス排出源
  • エネルギー問題、エネルギー源
  • 地球温暖化防止に関する国際的枠組み
  • 排出量取引、環境税等の経済的手法

省エネに関する各種制度

  • 省エネ法
  • エネルギー関連制度(エネルギー基本法、エネルギー供給構造高度化法等)
  • エネルギー計算・CO2 計算(単位の変換方法)

温室効果ガス削減等に関する国内の各種制度

  • 京都議定書目標達成計画、温暖化対策推進法、自主行動計画制度など
  • 試行排出量取引制度、国内クレジット制度、JVER など
  • 地方自治体排出量取引制度(東京都等)、カーボンオフセット、カーボンフットプリント、グリーン電力証書など

温室効果ガスの算定方法

  • 6ガスの温暖化係数の基本知識

省エネ・温室効果ガス削減に関する代表的手法

  • 省エネルギー診断、温室効果ガス削減診断
  • 運用改善、設備更新
  • ESCO事業
  • 再生可能エネルギーの導入
  • 森林吸収
  • 代表的業種・部門における省エネ診断例
  • 代表的業種・部門における温室効果ガス削減例
JEMAI認証 カーボンマネジャーレベル2 実践基礎コース

レベル2の目標、狙いは、省エネルギー&温室効果ガス排出削減に関する活動において「できること」となっています。ある程度の社会人経験があり、省エネルギー或いは温室効果ガス排出削減に関する活動に何らかの関係を持っている方が適切です。
何らかの関係を持っているがあまり詳しく知らない、あるいはある領域(例えば、ボイラー運転、受配電管理、機器修理、営業販売)だけの省エネルギー&温室効果ガス排出削減に関する活動に限定している方にも適切です。レベル2に登録された方は、「一定の指示があればある程度の仕事ができる」ことが期待されます。

カリキュラム

省エネルギー

  • 1)エネルギー管理
    • エネルギー管理の基本、定型的(受変電設備、照明設備、空調設備、ボイラー等)設備のエネルギー管理
    • ビル、工場におけるエネルギー管理
    • 家庭、小口需要家の省エネ、節電方法
    • ISO 50001規格の理解
  • 2)定期報告書(中小規模の定型的な設備を有する事業場関係)
    • 概念理解
    • 定期報告書の作成
  • 3)中長期計画書(中小規模の定型的な設備を有する事業場関係)
    • 概念理解
    • 中長期計画書の作成

温室効果ガス削減等

  • 1)ISO 14064-1規格の理解
    • 概念理解
  • 2)試行排出量取引(組織全体ベース)
    • 算定ガイド
    • 算定実務
    • 報告書の作成
  • 3)地球温暖化対策法の算定・報告・公表制度(組織全体ベース)
    • 算定ガイド
    • 算定実務
    • 報告書の作成
JEMAI認証 カーボンマネジャーレベル3 実践応用コース

レベル3の目標、狙いは、少し上位の仕事ができることです。レベル3に登録された方は、「指示がなくても、一人前の仕事ができる」ことが期待されます。省エネルギー或いは温室効果ガス排出削減に関する活動に関係を持っており、更にその分野を極めたいという方に適切なコースです。
自社における中・小規模な設備のエネルギー管理を任されているのでそこに応用したい、あるいは特定の事業プロジェクトの省エネルギー&温室効果ガス排出削減活動に従事している、これから従事したい方に適しています。

カリキュラム

省エネルギー

  • 1)設備に関する技術知識の理解
    • 燃焼理論
    • 熱勘定の基礎
    • 電気(3 相交流)
    • 回転機器など
  • 2)ビル、工場における省エネ
  • 3)家庭における省エネ
  • 4)定期報告書(中小規模だが定型的設備以外も有する事業場関係)
    • 定期報告書の作成
  • 5)中長期計画書(中小規模だが定型的設備以外も有する事業場関係)
    • 中長期計画書の作成
  • 6)管理標準の作成
  • 7)簡易省エネ診断のための基礎知識

温室効果ガス削減等

  • 1)ISO 14064-2規格の理解
    • 概念理解
  • 2)「排出削減方法論」の基礎理解
    • 承認排出削減方法論(ボイラー、空調、照明、ヒートポンプ)
  • 3)排出削減計画書(PDD)の作成
    • 排出削減計画書(ボイラー、空調、照明、ヒートポンプ)
  • 4)上記方法論に関する削減量の算定・報告(プロジェクトベース)
JEMAI認証 カーボンマネジャーレベル4 プロ入門コース

レベル4の目標、狙いは、組織のマネジメントによって省エネルギー或いは温室効果ガス排出削減をすすめることです。レベル4に登録された方は、「チーム内でリーダーシップを発揮し、指示、指導を行いながら成果を出すこと」ことが期待されます。省エネルギー或いは温室効果ガス排出削減に関する、中長期の戦略策定やリスク対応、CSR活動の実践なども期待されます。組織内の、管理標準書、定期報告書などの審査、検証も期待されます。簡易省エネ診断、内部監査なども自立して推進できることを目標にしています。

カリキュラム

省エネルギー

  • 1)省エネに関する総合管理(企画・立案、指示、提言等)
    • 方針、エネルギーの初期レビュー、基準値(ベースライン)と評価指標(インディケータ)の決定、目標の決定などの業務(チームマネジメントを含む)
  • 2)中長期も含めた基本戦略策定(各種規制・リスクへの対応やCSR推進)
    • 業務の概要
  • 3)定期報告書の内部検証
  • 4)中長期計画書の内部検証
  • 5)エネルギー管理標準の内部検証

温室効果ガス削減等

  • 1)温室効果ガス削減等に関する総合管理(企画・立案、指示、提言等)
  • 2)ISO 14064-3規格の理解
    • 概念理解
  • 3)中長期も含めた基本戦略策定(各種規制・リスクへの対応やCSR推進、SRI・CDP 等の調査対応、排出量取引の活用、クレジットの会計処理等)
  • 4)排出削減計画書(1つ以上の「専門技術分野」)
  • 5)多様な排出削減方法論の理解、新規方法論の作成
  • 6)排出削減計画書の内部審査
  • 6)排出削減報告書の内部検証
  • 7)第三者審査・検証(審査員補クラス)
    • 内部審査・検証と第三者審査・検証