認証機関の説明の中でも認定機関についての説明を若干しています。多少重複の部分もありますが、認証機関と認定機関の違いは確実に理解していただきたい部分です。

 認定機関の役割は、ISOマネジメントシステムにおける認証制度の確立、維持における中心的役割を担うのが認定機関です。数多くの認証機関がバラバラな対応をしないように、そしてそもそもその活動が国際的に決められたルールに基づいて行われているのかどうかを評価するお目付け役としての役割を担う立場です。更に認定機関が行う認定行為は、認証機関(審査機関)だけに留まるものではなく、(公財)日本適合性認定協会(JAB)では、ISO審査員の評価登録を行う要員認証機関に対する認定業務も行っています。

 JABのホームページでは、認定した認証機関、認定した要員認証機関がそれぞれ掲載されています。どのような機関がJABから認定されているのか、その詳細はこちらからご参照ください。

 認定機関が行う審査もISO審査と枠組みは同じです。その機関に所属する認定審査員が基本年1回、認証機関に審査に出向き、基準に適合しているかどうかの判定をします。その審査は事務所の中だけで行われるのではなく、認証機関(審査機関)に対する審査であれば、その認証機関が組織で行う審査現場に立ち会いをします。組織の方からすると、審査員が来て審査を受けている最中にもう一人の別な審査員がいる、という場合によっては奇異に感じるかもしれない状況が生まれますが、それによって審査の質、制度の質が確保されることにつながりますので、ご理解、ご協力を頂きたい点になります。

 認定機関は原則各国に1機関ということで国際的な制度運用がなされています。しかし認証機関からすれば、自国の認定機関から認定を受けなければいけない、というルールまでは存在しません。日本の認証機関でも大手のところは、JAB以外の海外の認定機関からの認定も受けているケースがあります。認証機関のお客様からの要望への対応により、そのような状況が生まれています。海外の認定機関で有名なところを挙げておきましょう。

  • UKAS(イギリス)
  • RvA(オランダ)
  • JAS/ANZ(オーストラリア・ニュージーランド)
  • ANAB(アメリカ)

 これらの機関はそれぞれ自国での活動が中心で、認定機関ごとによって業務遂行レベルにバラつきが出るのではないか、と懸念については、各国認定機関同士の相互承認制度が出来上がっており、その枠組みの中で互いの活動内容のレビューを行って公平性を担保しています。