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審査員になる為には(条件全般)
航空宇宙審査員には、航空宇宙産業経験審査員と航空宇宙審査員の2種類があります。いずれもそれぞれの条件をすべて満たしている必要があります。
- <共通>
- ①認定機関で認定されている要員認証機関のQMS審査員資格(補は不可。審査員または主任審査員資格)を持っていること。
- ※QMS審査員資格については、品質マネジメントシステム審査員になるためにはを参照
- ②審査技術の習得:JRCA承認IAQG 認可航空宇宙審査員向け基礎研修コースを申請日から過去5年以内に合格修了していること
- <航空宇宙審査員>
- ①審査実績:申請前3年以内に、9001規格の全要素をカバー第二者/第三者審査に少なくとも4回かつ最低20日間参加
- ②審査能力の保証:審査登録機関の審査部門管理者又は、同等の者により保証されている
- <航空宇宙産業経験審査員>航空宇宙審査員の資格要件をすべて満たしていることが前提
- ①実務経験:申請前10年以内に、機体製造業者、主要な供給者及び装備品供給者の製造にかかわる、企業、防衛省、国土交通省航空局、宇宙航空研究開発機構(旧宇宙開発事業団を含む)において、4年以上常勤として、航空宇宙産業のエンジニアリング、設計、製造、品質管理または生産技術に直接関与している実務経験を有すること。
- ※実務経験についてはJRCAの規定にある分類で詳細な項目が示されている。
- ※実務経験が4年未満の場合、直近15年以内で2年以上の実務経験とAS産業経験審査員の立ち合いによる2回の9100要求事項を全カバーした審査経験が求められる。
<ステップ1> 審査員研修コースの合格修了
弊社が提供する『JRCA承認 IAQG認可航空宇宙審査員向け基礎研修コース(HA21)』(4日間)は、JRCA((一財)日本要員認証協会マネジメントシステム審査員評価登録センター)の研修コース承認基準を満たして運営されています。本コース最終日のオンライン試験・面接評価を通じた総合評価に合格すると、AS産業経験審査員またはAS審査員に登録するための要件の一部を得ることができます。つまり、この研修コースの合格が必須です。
本コースはIAQG認可の全世界統一の研修プログラムとなっており、教材・カリキュラムはもとより、講師ガイドにより講師がレクチャーする内容も指定されています。そこで、研修プログラムの意図する内容を理解し、4日間の研修コースに合格いただけるよう以下の講習会を事前にご受講いただくことをお奨めしております。
「航空宇宙審査員特別コース『プロセスの有効性の審査』力量向上2日間研修」(HS24A)
この講習会では、JIS Q 9100/SJAC 9101の審査での適用、AQMS審査における懸念事項の抽出と優先順位づけ、不適合指摘(NCR)の正しい記述(客観的事実と審査証拠の正しい結びつき)から、審査で発見した客観的事実を審査報告書類にどのように正しく記述するのかなど、「プロセスの有効性を確認する審査」であるAQMS審査の手法について、講義と具体的な事例を用いた演習で体得していただくための、事前対策プログラムです。
※この他、『JRCA承認 IAQG認可航空宇宙審査員向け基礎研修コース(HA21)』(4日間)の受講前には、IAQGが定めるオンライントレーニング“9100:2016 Online Component (estimated 10-15+ hours for 9100/9101)”を修了していることが必要です。(IAQGTraining.comサイトに別途申込要)ホームページは英文ですが、オンライントレーニングは日本語で受けることができます。
<ステップ2> JRCAへの登録
前述の通り、AS審査員は、QMS審査員登録が前提です。QMS審査員資格を持っていない場合には、審査員登録はできません。(QMS審査員補不可)
また、『JRCA承認 IAQG認可航空宇宙審査員向け基礎研修コース(HA21)』(4日間)は、日本国外の要員認証機関とも相互承認されています。日本ではJRCAに登録することとなります。
AS審査員の資格基準については、「審査員になる為には(条件全般)」項で示した通りです。詳細は、
・航空宇宙産業向け審査員の資格基準(JRCA AA100)を参照ください。
<ステップ3> 審査員資格の維持(更新)
AS審査員はQMS審査員とのダブル取得となりますので、審査員資格を維持するため、QMS審査員の資格維持に必要なCPD実績の提出を求められます。QMS審査員に必要なCPDについては、当社ホームページの品質マネジメントシステム審査員になるためにはを参照ください。
また、AS審査員からAS産業経験審査員に格上げする際にも、「審査員になる為には(条件全般)」②で示した資格基準を満たすことの他、格上げ申請前の最大3年間で15時間以上のCPD実績が求められます。
<ステップ4> 審査員としての活動
AS(JIS Q 9100)審査員資格を取得した後、実際に審査員として活動をするためには、JIS Q 9100審査を行っている認証機関との契約が必要になります。認証機関の職員審査員として、あるいは外部契約審査員として、審査活動を行うこととなります。
国内の枠組みの中では、JIS Q 9100審査を行っている認証機関の数は少なく、JAQG航空宇宙品質センターに加入している関連機関メンバーが該当します(2021年4月12日現在 8機関 詳細は、http://www.sjac.or.jp/jaqg/members/member.html)。国外の認証機関で活動する場合には、英語を主体とした審査活動となります。
JIS Q 9100審査では、全世界共通で9101規格(日本ではSJAC9101- 品質マネジメントシステム-航空,宇宙及び防衛分野の組織に対する審査要求事項 2021年4月現在 F版)に基づいた審査技能が求められ、SJAC9101で審査の様式も指定されています。第1段階審査から第2段階審査(NCR-不適合報告書の他、PEAR-プロセスの有効性評価報告書 QMSプロセスマトリックス報告書)を経て、審査の結論(最終審査報告書)に至るまで5つの様式が指定されており、この審査報告は、IAQG-OASIS(Online Aerospace Supplier Information System)データベースを通じて登録されます。
<QMS審査とAQMS審査の主な違い>
- AQMS審査では、審査前に組織の認証構造を決定する(シングル・マルチプル・キャンパス・セベラル・コンプレックス)
- 審査工数の削減が許されず、現地審査工数のみが含まれる(報告書作成・移動時間は審査工数に含まれない)
- QMSの有効性を含む適合性の審査は同じだが、AQMS審査では、プロセス単位でプロセスの審査が行われ、製品実現のプロセスそれぞれではプロセスの有効性評価報告書を用いた審査報告が求められる。
- AQMSでは基本的には、全サイトの審査が求められるが、認証構造によりサイトのサンプリングが許される場合がある。
- AQMS審査では、審査の優先順位とオーディットトレイルの要求事項がある。