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平林良人「品質マニュアルの作り方」(1993年)アーカイブ 第29回
4.1.3 経営者による見直し
- ☆品質システムの見直しの方法,見直しの間隔,記録の保管について記述する。
- 1. 品質システムの見直しの方法は次の通りである。
- ① この品質システムの維持のため,各部長はおのおのが責任を負う部署の品質システムの見直しを毎月の部門長会議に議事として挙げることができる。
- ② 年に2回実施される内部品質監査の結果を品質保証部がまとめ,品質システムの見直しを実施する。品質保証部長は,この見直し会議の議長として会議の開催,運営を行う。
- 2. 品質システム見直しの間隔
品質システム見直しの間隔は年に2回とする。 - 3. 記録の保管
品質システム見直しの記録の保管は品質保証部が行う。記録の保管期間は3年とする。 - ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
品質システム見直し標準 KQM 103
4.2 品質システム
- ☆品質マニュアルを頂点とする社内標準書類の発行部門,内容について記述する。
- 1. B事業部はISO9001, J1SZ9901に基づき,その規定要求事項を満足する品質システムを構築し,企業活動における最も重要な品質保証を確実に行う。
- 2. B事業部の品質システムは文書化されており,この品質マニュアルを最上位の文書として,以下部門マニュアル,標準書(手順書,指示書),各種図面,データ,ファイル類を主管部門が制定し,管理・運営する。これら文書類を一括して社内標準書と呼び,その主なものはこの品質マニュアルの巻末に付録として一覧にしてある。
- 3. 品質マニュアルは品質保証部長が起案し,事業部長の承認後,制定・配布される。 以降の品質マニュアルの改訂管理は品質保証部長が行う。
- 4. その他の標準書類は,付録に示された主管部門長が関係部門長と協議・調整の上, 制定,管理する。
- 5. 品質システムの体系的な見直しは,前項4.1.3に基づき,定例的に実施される。
- 6. 文書間に矛盾が生じた場合は,上位文書を優先するものとし,関係部門長のあいだで調整する。
- ☆会社の文書体系についても,この項で説明,記述する。
- ☆品質記録の保管年数を記述する。
- 品質記録の保管は最低3年とし,品質記録それぞれの性格(法的規制,顧客要求など)から主管部門によって定められた標準により個別に制定し管理する。
- ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
品質システム体系標準 KQM 104
品質記録管理標準 KQM 105
標準書制定標準 KQM 106
4.3 契約内容の見直し
- ☆顧客と契約を結ぶ部門,その手順ならびに関係部門との確認の仕方・ルートについて記述する。
- 1. B事業部は「顧客満足度の向上は顧客の真のニーズの把握に始まる」ことを肝に銘じており,契約内容の確認を確実に行う。
- 2. 顧客との契約は本社営業部(以下営業部という)が,事業部関係部門(設計部,技術部,生産管理部)と調整,検討の上行う。
- 3. 契約の中身に問題がある場合は,営業部と事業部関係部門とが一体となって顧客と調整する。
- ☆製品仕様,数量,納期,価格の確認の仕方について記述する。
- 1. 製品仕様は営業部と事業部関係部門が検討,調整の上,設計部門が主管部門となって決定する。
- 2. 数量,納期については営業部と生産管理部が検討,調整の上,生産管理部が主管部門となって決定する。
- 3. 価格については営業部と事業部関係部門とが合議の上,事業部長の承認を受けて決定する。
- 4. 上記項目が変更となる場合には,必ず主管部門が制定時と同様のルートで変更手続きをとる。
- ☆記録の保管について記述する。
- 1. 契約の実施に伴う記録は生産管理部が3年間保管する。
- 契約上または法令上,定めがある場合にはその定めに従う。
- 2. 対象となる記録は以下の通りである。
- ・契約書
- ・注文書
- ・仕様検討会議録
- ・仕様制定書
- ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
- 契約管理標準 KPC 101
注文書管理標準 KPC 102
仕様検討・制定標準 KDR 101
4.4 設計管理
4.4.1 一般
- ☆設計業務の手順を,製品企画から図面制定に至るまでのステップごとに主管部門,関係部門がどの部門かを記述する。
- ☆関係標準書名と登録番号を記載する。
- 設計業務標準 KDR 102 量産試作標準 KTM 1011
製品企画標準 KDR 103 量産認定標準 KTM 1021
設計試作標準 KDR 104 市場調査標準 KPN 1011
設計審査標準 KDR 105