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TQM:Total Quality Management、総合的品質管理/マネジメント
「品質/質を中核に、顧客及び社会のニーズを満たす製品・サービスの提供と、働く人々の満足を通した組織の長期的な成功を目的とし、プロセス及びシステムの維持向上、改善及び革新を、全部門・全階層の参加を得て、様々な手法を駆使して行うことで、経営環境の変化に適した効果的かつ効率的な組織運営を実現する活動。」
ポイントは、プロセス及びシステムの改善を通して、顧客及び社会のニーズを満たす製品・サービスを提供しようという点です。
言うまでもありませんが、TQMの求めている品質保証や品質管理は、検査を確実に実施して良品だけを顧客に提供することに重点をおいた活動ではなく、顧客はもちろん、社会のニーズを満たす製品・サービスを実現するために、その生み出される過程であるプロセスやシステムの改善に焦点を当てた活動です。
TQMの全体像を理解する上では、以下の図のように、「原則(行動原則)」、「活動要素」、「手法」の3つの要素で捉えると分かり易いです。
TQMの原則とは、マーケットイン、後工程はお客様、プロセス重視、標準化、PDCAサイクル、事実に基づく管理、全員参加、人間性尊重など、品質管理の教育を受けた際に耳にした事柄です。
この原則に基づき、具体的活動要素とその活動要素を効果的・効率的に実施するための手法で成り立っています。
活動要素としては、以下の6つが日本品質管理学会発行の規格で示されています。
・新製品・新サービス開発管理
・日常管理
・方針管理
・小集団改善活動
・品質管理教育
(出典:「日常管理の指針」、図2を一部改変)
※ TQM:総合的品質管理/マネジメントについては、以下のコースをご用意しております。
・「総合的品質マネジメント基礎編 日常管理/方針管理コース(QE91)」
・「総合的品質マネジメント基礎編 小集団改善活動/品質管理教育コース(QE92)」
・「総合的品質マネジメント基礎編 新製品・新サービス開発管理/プロセス保証コース(QE93)」
「新製品・新サービス開発管理」において、製品・サービスの品質保証体系を構築します。
品質保証体系を構成する、マーケティングから始まる製品・サービスの企画・設計の開発軸、及び調達・製造・物流・販売・アフターサービスの生産軸に関わるプロセスについて各プロセスがそのアウトプットとして求められる基準を満たすことを確実にするための一連の活動を徹底します(「プロセス保証」)。
上記、品質保証に取り組むためには、顧客・社会のニーズや経営環境の変化に対応するための改善・革新を実践する「方針管理」の活動、及び日常業務の維持・向上を実践する「日常管理」の活動が求められます。
方針管理及び日常管理を通じて明らかとなった問題・課題を解決・達成する有効な方法として「小集団改善活動」(改善チーム、QCサークル)があります。小集団改善活動は、改善の促進だけではなく、職員の問題解決・課題達成に必要な能力・意欲の向上やチームワークの醸成を図る上での重要な役割を果たします。
最後に、上記で示した5つの活動を実施する上で必要な価値観、知識及び技能を身に付けるための「品質管理教育」があります。
そして、これら活動要素をより有効に機能させるための代表的な手法として以下があります。
活動要素 | 手法 |
新製品・新サービス 開発管理 プロセス保証 |
品質機能展開(QFD) |
FMEA ・ FTA | |
工程能力指数 | |
方針管理 小集団改善活動 品質管理教育 |
改善の手順 |
QC七つ道具 | |
統計的方法 | |
言語データ解析法 | |
日常管理 | プロセスフローチャート |
QC工程表 | |
管理項目一覧表 | |
工程異常報告 | |
作業標準書 | |
エラープルーフ化 | |
能力・技能評価シート |
TQMについて詳しく知りたい方は、以下のJSQC規格を参照ください。
・品質管理用語 JSQC-Std 00-001-2018
・新製品・新サービス開発管理の指針 JSQC-Std 22-001-2019
・プロセス保証の指針 JSQC-Std 21-001-2015
・日常管理の指針 JSQC-Std 32-001-2013
・方針管理の指針 JSQC-Std 33-001-2016
・小集団改善活動の指針 JSQC-Std 31-001-2015
・品質管理教育の指針 JSQC-Std 00-001-2011
※上記学会規格の購入はこちら。http://www.jsqc.org/ja/oshirase/kikaku_list.html
(次号「TQM(2)~TQMとISO 9001の関係~」につづく)