2.コースのカリキュラムを見てみよう!

テクノファのISO9000審査員研修コースは5日間で行われます。これは(一財)日本要員認証協会 マネジメントシステム審査員評価登録センター(JRCA)の基準にそったものです。JRCAのコース承認基準をもう少し見てみると、「研修コースの期間は、座学研修と実技研修に充てられる時間から成り、少なくとも40時間以上はなければならない」となっています。なお、筆記試験(2時間)や食事、休憩時間はこの時間に含まれません。したがって、この5日間は非常に密度の濃い期間になると覚悟してください。

【カリキュラムはどうなっているの?】

弊社の審査員コースをご受講いただくお客様にお配りするカリキュラムは以下のようになっています。

・1日目 9:00~19:45(10時間45分 ※食事、休憩時間を含みます)
・2日目 同上
・3日目 同上
・4日目 9:00~19:20(10時間20分 ※食事、休憩時間を含みます)
・5日目 9:00~16:25(7時間25分 ※食事、休憩時間、筆記試験を含みます)

上記の時間をすべて足すと50時間ちょうどになります。

内容別に分けると次のようになります。

・座学研修(講義):17時間15分
・実技研修(ケーススタディ):23時間05分
・筆記試験:2時間
・食事、休憩時間:7時間20分
・アンケート記入他:20分

座学と実技の時間を合計すると40時間20分になり、JRCAのコース承認基準である40時間以上という条件をクリアしています。これは同時に20分以上、遅刻などで受講できなかった場合はコース不合格となることを意味していますのでご注意ください(電車の遅延などの理由も含まれません)。
なお、この研修で学ぶことは大変ボリュームがあり、一度聞いてすべてを覚えるのは非常に困難です。学んだことはその日のうちに必ず復習し、その上で翌日に臨んでください。審査員として組織を審査し、認証を与えるということはとても責任が重いことですから、その試験に合格するためにはそれだけの努力が必要なのですね。

【もう少し詳しく】

1日目はほぼ「座学」です。ここでは主にISO9001の規格について学びます。ISO9001は品質マネジメントシステムの要求事項ですが、要求事項とはISO9001の認証を得るために守らなければならない項目のことをいいます。皆さんはISO9001の審査員として、ある組織が認証を得られるかどうか審査する立場になるので、組織がどんなことを守らなければならないかということをよく理解する必要があります。したがってISO9001の規格についてここで理解を深め、規格を使いこなせるようになりましょう。なおISO9001は認証を得るために最低限守らなければならないことを規定しているだけで、どのような手段で実現するかは組織の自由です。だから規格を知っているだけでは不十分で、規格の意図する本質をしっかり理解して各組織のマネジメントシステムがそれを反映しているか、審査できるようにならなければならないのです。

2日目からも「座学」はありますが、徐々に「実技」の習得のほうへ研修の重点がシフトしていきます。2日目は審査の進め方について学ぶことになります。審査の計画の立て方をまず学び、それを実際に作ってみるというように、知識→実践を繰り返すことによって、「わかる」が「できる」に変わっていくはずです。

3日目、4日目は実際に審査を行い、その報告書を作成するケーススタディを行います。ここが「実技」の最重要ポイントです。模擬審査だからといって不十分な知識や甘えた態度で臨んではいけません。専門家として毅然と対応し、不適合をしっかりと指摘する必要があります審査員としての素養が問われることになります。そのためには規格を使いこなせるようになっていなければなりませんし、何よりも審査を受ける組織の業務の流れ(プロセス)を適切に把握しなければなりません。豊富な社会人経験があってこそ、その部分は感じとれるわけです。
受講する前の準備としては、単に規格の勉強だけでなく、仕事は日頃どのように流れているか、その流れが分断されてしまう状況が起きていないか、もし起きていたらどういうときに(なぜ)起きるのか、といった点を観察するトレーニングをしておくと良いでしょう。

最終日には120分の筆記試験があります。学んだことをよく整理して、設問に素早く回答できるよう準備しておけば対応できるでしょう。

(次号へつづく)

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