4.ISO9001規格を理解しよう!

【ISO9001規格とは何?】

ISO9000審査員研修コースに合格するためにはISO9001規格の理解が必須です。ここには品質マネジメントシステムの要求事項が書かれています。品質マネジメントシステムの要求事項とは、ISO9001を取得しようとする組織が守らなければいけない基本的な要件のことです。しかし組織のルールをこの規格に合わせて作り変えることを求めているのではありません。また、ここには最低限何をすべきかが書かれているだけで、どのようにするかは組織の自由です。製造業は製造業なりの、サービス業はサービス業なりのやり方でやれば良く、組織の規則がISO9001規格の順番通り並んでいなくても差し支えありません。また、その組織独自の文言で書かれていても問題はありません。
ISO9001規格は世界標準で書かれているため、自分たちの感覚と少し異なっていたり、英語の翻訳表現がわかりにくかったりするところがあります。また、製品・サービスを扱うすべての組織を対象としているため、記述内容が一般的であり、具体性に欠けるきらいがあります。そのため、いきなり規格書を読んでもなかなか理解することは難しいでしょう。まずは易しい解説書を一通り読むか、初学者向けの研修を受講することをお勧めいたします。この規格が何を言おうとしているのか、それがどういう構成で書かれているのかを知ることから始めてください。

ISO9001規格の内容について詳しく説明することは、このシリーズの趣旨ではないため割愛し、規格の構造を以下に示します。



品質マネジメントシステムの構築、運用には具体的に何が必要かということは、規格番号の4~10に出てきます。しかし全体を通じて基本となる考え方は規格番号0に書かれており、この規格の本質を理解する上では重要な部分になります。一度読んだだけではなかなか理解が難しいので、たびたび読み返してこの規格の真意をつかむ努力をしましょう。

【理解のその先へ】

この稿のはじめにISO9001規格の理解は必須と書きましたが、合格するためには理解だけでは十分ではありません。その知識を活用し審査ができるようにならなければならないのです。どういうことかというと、規格に書かれたことはあくまで枠組みであると認識し、組織ごとにその状況が規格の要件を満たしているかどうか判断できるようになるということです。だから規格の文章を暗記する必要はありません。まずは規格がどういうことを言っているのか、考えることから始めてください。事前の学習で規格の内容がどうしてもわからないときは、どこがわからないかを明確にしておいて、コース中に講師がどう説明するかよく聞いてください。そこまで準備しておくと理解も早いでしょう。事前学習の際に、規格に書かれた項目が自分/自社の仕事においてはどの部分に該当するか、という視点で規格を読み解く練習をしておくと、得るものは大きいはずです。

(次号へつづく)

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