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6.適合とは何か、不適合とは何かを理解しよう!
「適合」「不適合」については、ISO9000審査員研修コースの中で用語の説明を聞き、ケーススタディを通じて理解を深めることはできますが、その大まかに意味するところをあらかじめ把握しておくと、より理解が進むと思われますので少し説明いたします。
【適合とは】
「適合」という言葉を辞書で調べると、「ある条件や事情にぴったり当てはまること」と書かれています。マネジメントシステムにおける「ある条件や事情」とは、ISO9001規格や会社のルールを指します。つまり、ISO9001規格や会社のルールに沿った行動ができていれば「適合」ということです。
仕事を進めるとき、ひとりひとりが自分の思うように行動すると、会社は混乱してしまい、安定的に良い製品・サービスを提供できなくなってしまいます。だからこそ会社には何らかのルールが必要です。この機会にぜひ会社の就業規則や組織規程を確認してみてください。
【不適合とは】
「不適合」とは要するに「適合」していないということです。マネジメントシステムにおける不適合とは、ISO9001規格や会社のルールなどに規定した仕組みが守られていない状態を指します。
たとえば、ISO9001の8.7項には「不適合なアウトプットの管理」という記載があります。不適合なアウトプットとは、ひとまず不良品のことと考えてください。この8.7項には、不良品は誤って使用されないよう良品とはっきり分けなさい、という意味のことが書かれています。これに対し、不良品を明確に分別する方法(不良品は別の箱に入れるなど)や仕組み(処理内容を記録に残すというルールなど)が決まっていなかったり、決まっていても守られていなかったりする状態がマネジメントシステムにおける不適合となります。
審査員研修コースでは、このマネジメントシステムにおける不適合があるかどうかを判断するケーススタディを行います。ここで使用する架空の組織の規程には、その組織が意図した結果(製品・サービス)を達成するためのルールが書かれています。つまり、いつも良品を提供してお客様に満足してもらうために、組織として何を行うかが規定されています。ところが、(ケーススタディ用の資料なので)作業手順書や帳票にそれが反映されていなかったり、運用が規程と異なっていたりします。その点を見つけ出して、どこがどの規程(ルール)に反しているかを見つけるという練習です。
コース受講前に、自社のルールと日常の業務とを照らし合わせて、自分たちのやっていることがきちんとルールに適合しているかどうか考えることは非常に良い練習になるでしょう。
(次号へつづく)