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第15回
「私とマネジメントシステムそしてISO」の第15回目です。第5回の述べたTQC特徴6項目について話が進んでいます。
TQC特徴6項目とは、第5回目でお話しした次の6項目です
5.1 全員参加の品質管理
5.2 品質管理の教育・訓練
5.3 QCサークル活動
5.4 QC診断
5.5 統計的方法の活用
5.6 国家的品質管理推進活動
今回は5.3「QCサークル活動その4」から始めることになります。
5.3 QCサークル活動その4
【QCサ-クル活動の基本理念】 ※再掲になりますが、重要なので繰り返します。
・発展に寄与人間の能力を発揮し、無限の可能性を引き出す。再掲
・人間性を尊重して、生き甲斐のある明るい職場を作る。
・企業の体質改善・発展に寄与する。
この基本理念は今も変わらず現在に至っています。まさにQCサークル活動の目指すものそのものと言える。
【QCサ-クル活動の本質】
先に述べた「QCサークルの基本」には次の10個の心構えが有ります。再掲になりますが、重要なので繰り返します。
① 自己啓発、
② 自主性、
③ グループ活動、
④ 全員参加、
⑤ QC手法の活用、
⑥ 職場に密着した活動、
⑦ QCサークル活動の活発化と永続、
⑧ 相互啓発、
⑨ 創意工夫、
⑩ 品質意識・問題意識・改善意識、
このQCサークルの基本は、職場に於ける問題・課題を取り上げその改善活動を進める時のメンバー一人一人の心がけを示しています。そして、活動過程に於いては、
・会合時、メンバーとの話し合いを軸に活動を進める。
・知識を高めるため、勉強したり、教え合ったり、教育にも参加する。
・一つのテーマが完了したら、報告書を作成し、発表を行う。
など、解決の成果以外に、自己啓発、相互啓発、良好な人間関係の構築、問題意識高揚、仲間意識高揚、改善意識高揚、問題解決力の向上、まとめる力の向上、プレゼンテーション能力向上そしてリーダーシップ向上と、その目に見えない効果は計り知れないほどであります。これこそが、QCサークル活動の狙いといえます。
以上QCサークルの基本的な項目について延べましたが、次からはその具体的な進め方等について考えてみたいと思います。
(6) QCサ-クル活動の始め方.
新規にQCサークル活動を始めようとする場合については、次のステップが良いと思います。
Step1. QCサ-クル活動を正しく理解する。
① 身近な親会社やグループ会社、ブロック等の発表会を聴講する。QCサークル本部大会等の高いレベルの物の聴講は当面避ける。
② ブロック内の頑張っているQCサ-クルを訪問し、その活動を目にする。
③ ブロック内のQCサークルを発表招待し、社内全サ-クルが聴講する。
④ 2冊のバイブル「QCサークルの基本」「QCサークル活動運営の基本」を全員が理解するまで輪講する。説明し合うことで理解が深まる。
Step2. 活動を導入する狙いや目的を明確にする。
① トップがしっかり説明する。
② そう出来る様に、上司、アドバイザー、社外先生方の力を借りる。
Step3. 活動の導入方針を決め、導入宣言する。
Step4. 活動の推進計画を作成する。
Step5. 推進の組織をつくる。
① QCサークル推進委員会を作り、委員長は経営トップがつく。
② メンバーは、各部門長とする。
③ 熱い気持ち持つ事務局を置く。
④ QCサークルリーダー会も設置。
Step6. 活動の仕組みを構築する。
① サークル名の決定。
② 本部へ登録。
③ テーマの選定⇒活動計画の作成⇒管理・改善活動⇒まとめと発表の、「QCサ-クル活動運営の基本」に沿う。
Step7. QCサークルの教育計画を作成し実施する。
① Leadership向上の教育。
② 問題解決力の向上の教育。
③ QCサークル活動運営力の向上の教育。
Step8. QCサークルを編成する。
① 同じ様な仕事を行っている人達の小グル-プを編成。
② 人数は、5~7名が良い。
③ QCサークルリーダーの選出。仕事やメンバーの事を良く知っている主任や班長クラスの方が、最初は特に望ましう。
Leaderの役割は、
(1)メンバーと良く話し合い、サ-クルの方針や活動の方向付けをする。
(2)メンバーと良好な人間関係を作る。
(3)自主的・計画的に会合を開き、実施状況のフォローをする。
(4)率先して勉強し、考え・行動する。
(5)上司や推進事務局との調整や、他のサークルとの情報交換を密にする。
(6)メンバーの教育・指導と共に、次期リーダーを育てる。
特に重要なのは、(6)です、優秀なリーダーだと思っていたのに、メンバーを一向に育成出来なくて、独りよがりのサ-クルになってしまって、他のサ-クルに追い越されてしまう例を見てきています。
Step9. キックオフ大会を開催し、QCサ-クル活動をスタートする。
① トップは勿論のこと、管理・監督者は熱意を示すこと。
Step10. 発表会開催と今後の発展に向けて、PDCAを回す。
① PDCAをしっかり回す事は、特に事務局の大切な役割です。
QCサ-クル本部では2002年4月に「進化したQCサ-クル活動『e‐QCC』」と名付け改革への計画が示され、革新への展開が始まっています。しかし残念ながら2019年3月時点のQCサークル活動の現状を私はしっかり把握出来ていません。
(注、e=Evolution(変革・進展)の頭文字)
以上