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平林良人「ISO 9001 有効活用のためのビジネス改善ツール」(2005年)アーカイブ 第13回
チャーターマーク(Charter Mark)
活用方法
チャーターマーク (Charter Mark) は、公共部門の組織にのみ利用が可能なものです。
要素 | コメント | ||||
ISO 9001との関連 | MR | RM | PR | M&A | Imp |
✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ||
活用範囲 | イギリスの公共部門組織 公共サービスを提供している請負者 任意 部門又は組織 |
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システムにおける変化の度合い | 小 | ||||
人々に関する変化の度合い | 小 | ||||
利益レベル | 小 | ||||
参加レベル | 完全に推進母体として | ||||
成熟レベル | 初心者 | ||||
時間尺度 | 6~12ヶ月 | ||||
投資レベル | 安い | ||||
実施方法 | プロジェクト |
背景
チャーターマークは、公共サービスにおける改善を表彰し、誉め称えるイギリス政府の「顧客サービス規格」です。優良なサービスを提供していると評価された申請者は、チャーターマーク賞を贈られ、社会に公にされます。チャーターマークにおいては、独立した専門家が組織を評価し、公共サービスが到達すべき目標を満たすことを支援し、どのように改善すべきかを詳細にフィードバックします。
チャーターマークを獲得する利点は次のようなものです。
- 経験豊富な評価者が、組織のパフォーマンスについて無料で詳細なフィードバックをする。最近の研究では、賞を獲得した組織の97パーセント、賞を獲得できなかった申請者の79パーセントが、評価者のフィードバックである推奨事項を、ある程度まで実行していることを示している。
- ベンチマーキング-最良の公共サービスに対して測定される。
- 認識と積極的な広報-全国及び地方。
- 動機とチーム育成-最前線のスタッフに報奨を与えて、士気を高く上げる。
約6,000の組織がチャーターマークを申し込んでおり、2,000以上の組織が表彰されています。申請する組織の数は着実に増加してきています。
原則
チャーターマークは、地域社会のニーズを管理する一方で、顧客へのアウトプットに焦点を当てます。それは柔軟で、理解し易く、あらゆる大きさの公共組織に適用できます。チャーターマークは競争のためではなく、優良のための規格です。
アプローチ
組織は次の6つの基準に対して評価されます。
- 標準を決めて、実績を上げる。組織は顧客と相談して、サービスとパフォーマンスについて明確な基準を設定していることを示す。さらに、決めた標準を満たしている、標準に対して実績を監視し調査し結果を公表している、そして、できるだけ不必要な文書業務と管理を少なくするように、業務を設計し実施し監視している、これらのことを示す。
- 積極的に顧客、パートナー及びスタッフと交わる。組織は高品質なサービスを提供することを確実にするために、顧客、パートナー、及びスタッフと共に積極的に活動していることを示す。さらに、公共サービスの現在及び潜在的な顧客、パートナー、及びスタッフに相談し巻き込んでいる、明確に有効的に平易な言葉で多くの異なった方法を用いてオープンに交流をしている、そして、サービスとコスト及びどれくらいよく働いているかに関して、十分な情報を提供している、これらのことを示す。
- すべての者にとって公正で接触可能で選択ができる。組織は、望むすべての人が容易にサービスを利用でき、可能な限り選択できることを示す。さらに、サービスの利用及びサービス実施においてはすべての人を公平に扱う、特別のニーズがある人には特別の注意を払うことを示す。
- 継続的に発展させ改善する。組織は常に、サービスと設備を改善する方法、特に技術の活用を求めていることを示す。さらに、正しいことをすばやく効果的に行う、苦情と賛辞と提案から学習し改善する、そして、可能な範囲で独立した見直しをしながら、明瞭で公開される使用しやすい苦情手順をもっている、これらのことを示す。
- 資源を有効に構想力豊かに活用する。組織は、有効に財政マネジメントをしていることを示す。さらに、納税者と顧客に見合う最高価値を提供するために、資源を有効に構想力豊かに活用することを示す。
- あなたの仕える地域社会における機会と人生の質の改善に貢献する。組織は、あなたの仕える地方と国家の共同体において、組織がもたらす影響と潜在的な有用性を確認し自覚していることを示す。さらに、共同体の社会生活と経済生活を豊かにすることに貢献してきたこと、肯定的で自由裁量な指導力及び構想力豊かな資源活用を通じて、卓越したサービス実施という厳格な要求を超えていることを示す。
注:評価と適用の方法は評価組織によって変わる。
組織は、証拠(箱一つ以下のファイル)に裏付けされた申請書を提出します。これは、6つの評価基準に対して、組織の提供しているサービス水準が高いことを示すためのものです。次の支援体制があります。自己評価法ツールキットの様式で応募したい組織に対する支援、経験豊かな評価者が証拠について説明するセミナープログラム、チャーターマーク獲得者が経験について説明しアドバイスをする支援等です。
チャーターマーク賞に応募すると決定してから申請するまでの期間の長さは、主に組織の準備に依存するでしょう。自己評価法ツールキットは、6つのチャーターマーク評価基準に対して組織の準備状態と、パフォーマンスレベルを明確にするのに役立ちます。組織が自身の業績が要求水準に達していると思えば、申請書、証拠書類の作成は組織の規模と利用可能な資源に依存することになります。チャーターマーク経験のある地方自治体の見積もりによると、平均的な申請書の準備には、25~30スタッフ・日が必要とされています。
申請書を提出すると組織は評価者の訪問を受け、証拠のチェック、申請書で提起された問題の確認、サービスに関係する顧客、パートナー、及びスタッフとの面談が行われます。委員会が最終決定をします。
申請者は、弱い領域を明確にし、改善提案を記述した、評価者からのフィードバック報告書を受領します。賞を得ることができなかった組織は、自分達の申請に関してより詳細に質疑ができる、フィードバック会議に出席することができます。