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平林良人「ISO 9001 有効活用のためのビジネス改善ツール」(2005年)アーカイブ 第24回
統計的工程管理(SPC)
活用方法
要素 | コメント | ||||
ISO 9001との関連 | MR | RM | PR | M&A | Imp |
✓ | |||||
活用範囲 | あらゆるタイプの組織 製造とサービスの両方、しかし最も成功を収めてきたのは製造 組織 |
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システムにおける変化の度合い | 中 | ||||
人々に関する変化の度合い | 中 | ||||
利益レベル | 大 | ||||
参加レベル | 完全に推進母体として | ||||
成熟レベル | 初心者、経験者、世界レベルの者 | ||||
時間尺度 | 12ヶ月以上 | ||||
投資レベル | 中間、研修コストによる | ||||
実施方法 | プログラム |
背景
統計的工程管理(SPC)は、1950年代の日本の品質革命の中心にあったものです。SPCは、複雑な数学方程式に強く関係すると見られたため敬遠されましたが、プロセスのアウトプットの品質により強い確信を持つものです。
SPCは問題解決アプローチです。実際には、「10%の統計値と90%のマネジメント活動」です。SPCの展開には、改善、シックスシグマ、TQMと同様、品質改善のリーダーシップとシステムアプローチが必要です。
SPCは、サービス業への適用もありますが、主として製造業で活用されてきました。サービス部門へのSPCを活用するときの主な問題は、サービス部門は物理的な仕様をもつ明確な対象を生産しないということです。このことを除けば、後の原則は同じです。サービス業へのSPCの適用については、さらなる情報を付録2で参照してください。
原則
SPCでは、生産されたすべての物は同じにならないと考えます。プロセスのアウトプットには、最小、最大、及び平均値をもつ何らかのばらつきが常にあります。得られた数に対して次元単位を図にプロットすると、以下のような「正規」分布を見ることになります。
アウトプットのサンプルを取ることによって、最小、最大、そして平均値がどうなるのかを予測することができます。もし最小、最大値が決められた仕様範囲内なら、プロセスは「管理されている」ことなります。
このように、SPCの主要な原則は、「良品を作りましたか?」です。これには、次のことの吟味を含んでいます。
- 管理しているか?一貫しているか?
- 能力があるか?常に適合製品を生産できるか?
- 適合製品を生産し続けられるか?管理し続けているか?
- 仕事を正しく行ったか?
- 仕事を良くすることができるか?
アプローチ
アウトプットを測定するために管理図を作ってください。生産したものの中から一定間隔で、5部品を取り出してください。部品を測定し、平均値と、最大値から最小値を引いた「範囲」を計算してください。
結果を管理図にプロットしてください。下の例で管理図の中央の領域は、工程が管理されていることを表しています。薄い影の領域は工程が「管理外」になるかもしれない警告を表していますし、より外側の領域は工程が「管理外」であることを表しています。これはその製品群が規格外である可能性を表しています。
正常な状態の下では、結果は多くの納得できる理由でばらつきます。工程の小さな変化、材料の違い、測定の誤差等が原因になっているといえます。これらの違いは、「ばらつきの一般原因」のためであるといわれています。
時々、工程に大きな変化がおきます。これらは不良品、欠陥品等を部品として使用したため、又は間違ったメンテナンスによる生産上のばらつきかもしれません。このようなことが起きると、工程は管理できなくなり、管理図の外の領域にプロットされる可能性が高くなります。このような変化は「特別原因」のためといわれます。