044-246-0910
平林良人「新・世界標準ISOマネジメント」(2003年)アーカイブ 第27回
3.2.5 OHSMSの第三者審査登録
- 2003年7月初め現在、日本では約180の組織が労働安全衛生の審査登録を受けている。審査登録機関はOHSAS 18001をそのまま審査基準として使っているところが多い。審査登録機関によっては、OHSAS 18001を参考にした自主基準を規定し審査を行っているところもある。
- 従来OHSMSの審査登録は、審査用の規格がISO化されていないこと、審査登録機関を認定する認定協会が国内にないことから審査登録機関独自の枠組みでの審査登録に留まっていた。JABはQMS、EMSの認定審査を行っているのみで、OHSMSの認定業務は行っていない。
- このような状況の中で、RvA MSA (オランダ認定協会)は、2001年からOHSMSの認定業務を開始した。RvAは歴史的に認定業務の範囲拡大に積極的な機関であったが、認定活動の国際的信頼性を更に高めるために、OHSMSの認定業務を開始したとしている。
- 日本国内では、2002年9月MSA(株式会社マネジメントシステム評価センター)が初めてRvAからの認定を取得し、引き続き2002年12月JMAQA(社団法人日本能率協会審査登録センター)がOHSMS審査登録機関としての認定を取得した。
- RvAによるOHSMS審査登録機関認定の意義は別表の通り考えられる。
- RvAによるOHSMS審査認定の意義
- ●認定された審査登録機関のOHSMS審査登録活動に国際的な信頼を与えることができる。
- ●認定された審査登録機関が行う品質マネジメントシステムと環境マネジメントシステム及びOHSMSからなる3分野の統合審査について、国際的に信頼される審査実施基盤を提供できる。
- 以上の観点から、OHSMS審査登録機関によるRvA認定取得の今後の広がりが注目される。
3.2.6 中災防のJISHA方式適格OHSMS 認定事業
- 2003年3月、社団法人中央労働災害防止協会は審査登録機関が行うOHSMSの審査登録とは別に、JISHA方式適格OHSMS認定事業を開始した。そして2003年5月には9事業所が始めて認定されている。
- JISHA方式適格OHSMS認定事業において機関が行う評価は、第三者審査登録と異なる制度である。
- JISHA方式適格OHSMS認定事業の特徴
- ・認定基準に適合しているかだけではなく、安全衛生の知識のある評価員が、「ここをこう直したらどうですか」という助言をして、一定期間の中で改善し、認定基準に達したところで認定する。
- ・現実に安全衛生活動が確実に実行されていれば文書化にこだわらず、必要最小限の文書の備えつけでよい。