公益財団法人日本適合性認定協会(Japan Accreditation Board)の組織略量になります。

 JABはISOの認定機関として1993年11月に設立されました(余談になりますがテクノファも1993年11月創業です)。経団連主導のもと設立され、日本におけるISOの普及啓発に大きな存在意義を持った団体です。

 いくつもの事業を持つ中で、主要なものとして、

  • ①マネジメントシステム認証機関の認定及び登録
  • ②要員認証機関の認定および登録
  • ③製品認証機関の認定および登録
  • ④試験所・校正機関の認定および登録

などが挙げられます。

 上記の①はISOの審査を行う認証機関の活動が、ISOの定める国際ルールに則って適正に行われているかどうかを評価判定する機能で、JABの最も主要な事業になっています。認定を行うISOの範囲も広く、ISO 9001(品質マネジメントシステム)ISO 14001(環境マネジメントシステム)を始めとして、ISO/IEC 27001、ISO 45001、ISO 22000等の主要な規格と共に、JIS Q 9100(航空宇宙)、ISO 13485(医療機器)、TL 9000(情報通信)などの分野に係る認定業務も行っています。

 認定審査は基本、年に1回、JABの認定審査員が、ISO認証機関(審査機関)が実施している組織に対する認証審査の現場に同行して、認証機関の審査員が適切な審査を行っているかを現場で審査します。組織にとっては、自分たちが契約している認証機関の審査員だけでなく、更にそのお目付け役のようなJABの認定審査員まで訪問してくることになり大変ですが、あくまで審査現場におけるJAB認定審査員は黒子の位置付けです。この活動等によって、ISO認証の価値が確保され続けることになります。

 もう一つの大事な業務として、ISOの審査員の評価登録を行っている要員認証機関(JRCA)の活動がこちらもISOの定める国際基準に合致しているかどうかの評価判定業務があります。年に1回の審査等の仕組みは上記の認証機関に対する認定審査と同じ枠組みで行われます。

最後に、審査員研修コースに関するJABとのかかわりについて触れておきます。以前は当社を始めISO研修機関各社はJABから認定を受けていました。故に当社はJAB認定第1号研修機関です、という広報活動をさせて頂いています。しかし、ISO研修機関の認定業務を認定機関が行うということは、国際的にみると日本が例外対応をしている、ということが議論の俎上に載り、2006年に日本では制度の変更が行われました。それ以降はJABとしては研修機関の認定業務は一切行わず、審査員を養成する研修コースの承認は、要員認証機関による承認審査で行われることになりました。弊社にとっては、各コースごとに年に一度の審査を受けることに代わりはありませんが、以前はJABから審査を受けていたものが、今はJRCAから審査を受けることになったわけです。そしてそのJRCAは当社に対して行った審査が適切であったかどうかをJABから審査を受けるわけで、間接的ではありますが、当社も未だにJABの傘の下にいる、という見方ができることになります。