044-246-0910
「4M変更管理標準KPT105」を対象に品質管理課に対してナラティブ内部監査を行っています。
<前回まで>
- (被監査者)(略)
でも、会社としては何とかしなくてはいけないという思いは今でもあります。
さらに言えば、本件について一番よく知っているのは私なので、私が黙ってしまうと誰もこの問題に気付かないと思い、忸怩たる思いではいます。
<今回ここから>
- (内部監査員)あなたの気持ちはよくわかります。周りの人が同じ気持ちになってくれないと難しいですからね。私にできることがあったら何でもしますので言ってくれませんか。
- (被監査者)え、助けてくれるのですか。もし協力いただけるならば、①、②、③のそれぞれについて、なぜそうなったのかを一緒に分析していただけるとありがたいと思います。
①については「どうして忘れたのか」、②については「どうして、変更管理の対象になっているとは知らなかったのか」、③についても「本当に変更管理対象外であったのか」を分析したいのです。原因を掴まないと対策が打てませんのでぜひ知恵を貸してください。 - (内部監査員)要因、原因の分析の専門家ではありませんが、私もできるだけ考えたいと思います。まず①ですが、今の考えを聞かせてください。
- (被監査者)①の忘れたというのが9件あったのですが、「変更前に連絡をしなかったのはどうしてか」に返事をいただけなかった14件よりは真面目なので、何とか要因、そしてできれば対策を考えたいと思います。
まず要因ですが、次のように考えたのですがどうでしょうか? - 「忘れた」は結果であって「忘れる要因」があるはず
- たとえば;
- -a.忙しかった
- -b.意識になかった
- -c.「変更」と「それを連絡する」ことが結びつかなかった
- (内部監査員)素晴らしいです。聴いていて説得感があります。特に「「忘れた」は結果であって「忘れる要因」があるはず」というのは目から鱗が落ちた感じです。それと深堀した3件ではc.「「変更」と「それを連絡する」ことが結びつかなかった」にもハットとさせられました。
- (被監査者)ありがとうございます。評価していただけたようでうれしいです。人間はどうしても「忘れるということ」が誰にでもあるのですが、どうして忘れるのかを自分の経験から考えました。そうしたら、忘れるときは「頭に該当することが全く残っていない」のですね。事後に他の人から言われてもしばらくは何のことか分からないようなときすらあります。
変更届を出さなかった理由はまず「a.忙しかった」からだと思いましたが、これは言い訳で本当の原因ではないなと、後から思いました。私も忙しいのですが、でも絶対にやらなければならないことは行っているわけで、「言い訳するようなこと」と「言い訳なしで行うこと」との差は何なのかを考えました。
そうしたら、「b.意識になかった」ということに思い当たりました。でもどうして意識になかったのかと考えたら、「c.「変更」と「それを連絡する」ことが結びつかなかった」に行きつきました。
(つづく)