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ナラティブ内部監査の実践例2として、「困りごと抽出監査」の説明をしています。
最初は、被監査者にとっての困りごとの一般的な例を掲げてみましたが、具体的な事例の方が分かり易いので、その後から、一つひとつ実践に際してのポイントについて話しを進めています。
4.一つひとつ実践に際してのポイント
(7) 外部からの調達品に規格外品(不良品、サービス)がある
多くの組織は、外部から以下のようないろいろなものを組織内に調達しています。
- 原料
- 既製部品(JIS規格品など)
- 外注品(アウトソース)
- サービス
- これらの中に一つでも規格外品(不良品、サービス)があると、それを使用して作業している担当者は当然困ることになります。規格外品(不良品、サービス)があった場合には、まずは提供組織に連絡をして修正処置をすることになります。組織は、修正処置が確実にされたか確認して正常品が流れるようになったことかをチェックします。しかし、修正処置から正常品が流れるようになるまでには、時間がかかることが多いので、その間の管理をどのようにするのかを決めておくことは重要です。
- ポイント1:事実/データの収集、調査
- 「規格外品(不良品、サービス)」について、被監査者あるいは関係者から、内容分析するための事実/データを集めることが最初に必要である。この段階で「思い込み」が入ると、以降の活動に狂いが生じるので事実確認を徹底する。
- 受入検査データ
- 工程内での不良品発生状況
- 顧客、マーケットからのクレームの有無
- 該当品の提供会社の状況調査、など
- ポイント2: いままではどうだったのか
今までの品質はどうであったか、該当する規格外品(不良品、サービス)のいままでの状況を調べる。 - いままでの受入検査データ
- いままでの工程内での不良品発生状況
- いままでの顧客、マーケットからのクレームの有無、など
- ポイント3: 対策のための調査項目
- 提供組織から、ポイント1の説明を受けて、提供組織の今後への対応を検討するために事実を確認すべきである。以下のような項目について調査をする。
- 規格外品、サービスが出来てしまった要因
- 提供組織のサプライチェーン
- 提供組織の今までのパフォーマンス
- ポイント4: 提供組織を調べる
- 問題を起こした組織を調査し、是正処置をとる参考データにする。
- 組織概要
- 今までのパフォーマンス
- 最近の指導、2者監査
- 転注する場合の候補組織
- サプライチェーンの長さ、など
- ポイント5: 是正処置をとる
- 同様なことが起きないように、下記のような再発防止策をとる。
- 調達組織として、該当問題の要因分析の中から根本原因を探し出す。
- 根本原因を分析し次のような手を打つ。問題の起きた状況に応じていろいろな手の打ち方がある。
- ① 発生原因について、今後起きないように対策をとる。
- ② 見逃し原因について、今後起きないように対策をとる。
- ③ ハード対策とソフト対策に区分して対策をとる。
- ④ 場合によっては取引を止める。
- ⑤ 同じ問題が起きないよう類似の取引先と未然防止の協議をする。
(つづく)