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ナラティブ内部監査の実践例2として、「困りごと検出方式」の説明をしています。
最初は、被監査者にとっての困りごとの一般的な例を掲げてみましたが、具体的な事例の方が分かり易いので、その後からは、一つひとつの実践に際してのポイントについて話しを進めています。
4.一つひとつ実践に際してのポイント
(10) 急に予定外の仕事が入る。
予定のない仕事が入るという悩みは多くの人にあります。工場で働いている人は、製品出荷日が決まっており、その出荷日から逆算して(例えば1週間単位)で製造計画が作られていますので、突発の事情がない限り予定外の仕事が入ることは滅多にありません。しかし、スタッフ部門で仕事をしている人には、予定外の仕事(飛込業務)が多く入ります。
- ポイント1:予定外の仕事(飛び込み仕事)とはどんな仕事
- 一般に次のような仕事が予定外の仕事である。予定外の仕事の種類、掛る時間はその人が行っている業務内容によって大きく異なる。
- Aグループ 経理、受付、総務、ロジ、設計、調達、検査など 予定外の仕事はあまり入らない。
- Bグループ 人事、情室、技術 AとCの中間
- Cグループ 企画、営業、品証 予定外の仕事は多く入る。
- 次のような仕事が飛び込んでくる。
- 上司からの依頼、対応
- 部下からの質問、対応
- 電話対応
- アポなしの訪問
- トラブル対応
- 最後のアポなし訪問は原則断るにしても、業務によってはそうは行かない場合がある。
私の経験ではAグループで1割、Bフループで2割くらいの予定外仕事がある。Cグループでは3割くらいの予定外仕事がある。これらは平均的な話であるので、日によっては1日の半分も予定外仕事が占めることもありえる。 - ポイント2:予定外の仕事を計画に入れておく
- 多くの人は毎日会社に来ると「予定表」を確認する。予定表には午前と午後に分けて30分おきに仕事が書かれている。しかし、毎日の仕事が計画通りにいくことは稀である。ほぼ、毎日飛び込みの仕事が入ってくる。外部からの電話による対応、上司からの問い合わせ、部下からの相談、不意のトラブルなど多くの予定外の仕事が入ってくる。
多くの人は、過去の経験からどのような仕事が、どんな形で、どのくらい入ってくるか大体わかっている。そうなるためには、2,3年は業務経験を積まないといけないが、経験から予定外の仕事を予測しておくことは可能なことである。
ただ、予定外の仕事は時間の見積もりが困難であるので、その場、その場での適切な対応が重要になる。 - ポイント3: 予定外の仕事は記録しておく
- 予定外の仕事は記録しておくとよい。ポイント3で述べたA、B、Cグループごとの予定外の仕事の割合は、ある組織の記録によるものである。
- ポイント4:予定外の仕事を減らす
- 「予定外の仕事」は、記録によって(記録を取っていない場合は別)どんなものがあるのか分かっているので、予定外の仕事を減らすことを考える。
上司からの依頼、対応については、日頃からの「上司とのコミュニケーション」によって減らすことが可能になる。部下からの質問、対応についてもやはり「部下とのコミュニケーション」が減らすキーになる。
電話対応、アポなし訪問については個別に検討が必要ですが、自分が保有している情報を整理しておくことが必要である。
トラブル対応については、トラブルを未然に防ぐことがキーであるが、初めてのトラブルは別として、社内には繰り返し起こるトラブルが多くある。トラブルの再発防止策を取ることが重要である。再発防止策を取るにはそれなりの定石があるので別途調べてみることがよい。
(つづく)