さて、前回はISOが民間団体で、国際標準化に関する議論検討を行い、その上で規格を発行する団体であることのご説明をしました。

 数回前にはデジカメの撮影感度やフィルムの感度のお話をしたことをオボテいてくださっていますか。ISOによって定められた基準でもってその製品が作られていることのご理解につながったと思うのですが(もしアレッと思われた方は是非前のページを再度見てくださいね。どうぞよろしくお願いします)ここからはだんだん、本来お伝えしたい内容に入っていきます。

 ISOには実は大きく分けると二つの種別があります。少し堅苦しい言葉になってしまうのですが、一つがフィルムやねじなどに代表される 「製品規格」 と呼ばれるものです。実体があるものについて、その寸法等と定めた規格になります。そしてもう一つが 「マネジメントシステム規格」 と呼ばれるものでこのあと、本情報サイトのメインテーマとしてお伝えしていく内容になります。

 マネジメントシステム規格などと言うと本当に堅苦しいイメージになってしまいますが、本情報サイトへアクセスサイトにたどり着いたあなたであればISO 9001とかISO 14001という言葉をお聞きになったことがあるのではないかと思います。これらが全世界でとても有名になった「マネジメントシステム規格」の代表選手なのです。
 マネジメントシステム規格とは簡単に言うと、会社運営の仕組みについて、あるテーマに絞って整理し、それを文書として体系化したもの、ということになります。
 ISO 9001は品質管理、品質保証に関して。ISO 14001は環境管理、環境保全に関してどのような仕組みを構築し、組織運営をしていけばよいかを示したものということです。そしてどうして、このISO 9001やISO 14001が全世界で広まったかと言うと、認証制度と言って、その会社がISO 9001やISO 14001に基づいて構築し、運用している仕組みを第三者がチェックして、合格の場合にお墨付きを与えることで、その会社の信用力が大いに上がる、という制度が全世界共通で確立されているからです。

 あの会社はISO 9001の認証をとっているぞ、ということがわかれば、その会社の運営の仕組み、そして出来上がってくる製品やサービスの質については一定の安心感を持っても大丈夫、ということが買い手の立場として認識できます。
 もしそのISO認証がなければ自分たちでその会社に出向き、その上でその会社の製品やサービスの品質に関するすべてチェックをして判断をしていかなければなりません。これにはかなりの手間がかかりますよね。その一部分を代行する形で確認してくれるのであればその結果を活用することの方がはるかに効率的です。これがISOそして第三者認証が広がった大きな一つの要因です。
 もちろんその第三者による確認がおざなりのものであればここまで述べてきた論理は根底から崩れてしまいます。次回はその制度を支える仕組みをお話ししたいと思います。