044-246-0910
前回、審査機関を選ぶポイントを7つほど整理しました。再掲しておきます。
a.認定機関から認定されている審査機関か?
b.どの認定機関から認定されている審査機関か?
c.審査機関の認証範囲が自社業務とあっているか
d.どのようなポリシーで審査を行う審査機関か?
e.どのような審査員(経験分野、そして経験年数)がいるか?
f.料金は?
g.付帯サービスは?
さて、今回はもう少し踏み込んでお話をしていきますね。
JAB(公益財団法人日本適合性認定協会)から認定を取得して活動を行っている審査機関は2019年1月現在40社あります。
詳細は下記URLからご確認ください。
https://www.jab.or.jp/news/2019/0124.html
このサイトを見ると、それぞれの審査機関がどの規格に関して審査業務を行っているかが読み取れます。そして各機関の詳細情報に入っていくと、認定範囲として表示されている箇所があります。
少々専門的な話に入っていきますが、この認定分野は現在39の分類に分けられています。
1が農業、林業、漁業、
2が鉱業、採石業、
3が食料品、飲料、タバコ、
4が織物、繊維製品というような分け方です。
これが39まで分けられていますので、自社業務に合致する審査機関をこの分類の中から選んでいく必要があります。自社がどの分類に入るのかわからなければそこから審査機関に問い合わせをしていくことになります。
昔と違って、審査機関同士の営業競争も激しいので、一度問い合わせをしてしまうとそこと取引しなければいけないのでは、などと心配することなく気軽に問い合わせをしてみてください。
39分類がどのようになっているかを自分で見たい、という方のために参照先を記しておきます。公益財団法人日本適合性認定協会のサイト内の文書「QMS 及びEMS 認定範囲のためのIAF 参考文書」の附属書に記載されています。
https://www.jab.or.jp/files/items/common/File/IAFID12014.pdf
そして先ほど認定機関はJABを前提に話をしましたが、JAB以外でもUKAS(英国)、RvA(オランダ)、JAS/ANZ(オーストラリア・ニュージーランド)などの認定機関から認定を受け、日本で審査活動をしている審査機関もあります。複数の認定機関から認定を取得しているところもあれば、外国系の認定機関から認定を取得した機関が、日本で現地法人を作って審査活動を行っているケース(いわゆる外資系の審査機関です)もあります。
特に海外の取引先にアピールが必要な場合には、認証機関ではなく、認定機関がどこかということの確認が必要な場合もあるかもしれません。ご注意ください。
更にもう一つ。筆者自身はあまり認知できていないのですが、認定機関から(日本のJAB或いは外資系問わず)認定を受けずにISOの審査活動をしている機関が理論上は存在し得る、という点への理解をしておいて頂きたいのです。
いわゆるプライベート認証と呼ばれるものです。
お客様がそれでもよい、ということであれば、どの認定機関からも認定を受けずにISOの審査業務を行うことを規制することはできません。しかし国際的な審査登録の枠組みからは外れるものですのでご注意ください。
今回もだいぶ長くなってしまいましたので、この続きは次回にしたいと思います。