2012年5月にISO規格を制定する際に従うルールのひとつである、”ISO/IEC Directives(専門業務用指針)補足指針”が改正されました。
 そしてこの中の”附属書SL”において、今後制定・改正されるすべてのISOマネジメントシステム規格について、その構造、分野共通の要求事項及び用語・定義を共通化することが定められました。
 現在、ISOマネジメントシステム規格には、ISO 9001(品質)をはじめ、ISO 14001(環境)、ISO/IEC27001(情報セキュリティ)、ISO 22000(食品安全)など多数の規格が存在します。しかし、分野は異なるもののマネジメントシステム規格として共通する要求事項は多く存在します。例えば、方針・目標管理、マネジメントレビュー、文書・記録管理、内部監査などです。これらの要求事項をそれぞれの分野ごとに比較すると、同じISO規格にも関わらず要求内容は統一されていません。また、規格そのものの構造も分野ごとで異なっています。
 ”附属書SL”は、異なる分野のISOマネジメントシステムの整合化を図る目的で作成された、ISOマネジメントシステムを作成する際のフレームワークです。

附属書SLの箇条タイトル
序文 7 支援
1 適用範囲  7.1 資源
2 引用規格  7.2 力量
3 用語及び定義  7.3 認識
4 組織の状況  7.4 コミュニケーション
 4.1 組織及びその状況の理解  7.5 文書化された情報
 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解   7.5.1 一般
 4.3 XXXマネジメントシステムの適用範囲の決定   7.5.2 作成及び更新
 4.4 XXXマネジメントシステム   7.5.3 文書化された情報の管理
5 リーダーシップ 8 運用
  5.1 リーダーシップ及びコミットメント   8.1 運用の計画及び管理
  5.2 方針  9 パフォーマンス評価
  5.3 組織の役割,責任及び権限   9.1 監視,測定,分析及び評価
 6 計画  9.2 内部監査 
  6.1 リスク及び機会への取組み   9.3 マネジメントレビュー
  6.2 XXX目的及びそれを達成するための計画策定  10 改善
    10.1 不適合及び是正処置
    10.2 継続的改善
  • “XXX”には品質、環境など、対象となる各マネジメントシステム分野の名称が記述されます。
  • 箇条8の”運用”には各マネジメントシステム分野の主となる固有要求事項が当てられます。(ISO 9001の場合、箇条7″製品実現”の要求事項の多くがここに当てられます)
  • さらに詳しい情報は、(一財)日本規格協会のホームページに掲載されています”ISOマネジメントシステム規格の整合化に関して“をご覧ください。