個人の行う活動5_内部診断と内部監査33 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.292 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ― 
*** 個人の行う活動5_内部診断と内部監査33 ***
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前回に続き内部診断と内部監査について、個人の行う活動について
お話しします。今回はその5になります。前回は個人業務の標準化
についてその内部診断のポイントについて説明をしましたが、今回
はその続きになります。

■□■ 作業標準書 ■□■
担当者が標準書の通りに行っているにもかかわらず不適合品、不適
合サービスが発生する場合であります。このような場合には、不適
合内容を分析して品質不良の要因を探り出すことが必要になります。
要因探索の方法の一つに不良の少ない担当者と多い担当者について、
業務のやり方のどこに違いがあるかを分析する方法があります。こ
の分析においては、担当者から業務方法についてフィードバックし
てもらうことが重要になります。個人評価マイナスにつながると思
われる探索は労務管理上よくないと思われがちですが、業務成果を
より良いものにすることは個人、組織相互の利益に繋がることへの
理解が大切になります。

■□■ 業務成果の分析 ■□■
業務の成果は自分の力量を測る物差しですから、結果を知って悪い
面を改めていこうとすることは大変重要なことです。
業務の品質は担当者の技能に大きく依存しますので、作りこまれた
品質の状態が通常の検査や試験で確認できないプロセス(特殊工程)
については、担当者が認定された力量、資格を持つこと、あるいは
それに準じる人に業務を限定することが必要になります。

意図的でないにしろ、結果として作業標準通りに業務をしないとい
うのは、動機付けの問題であることが多いようです。作業標準への
理解もさせず盲目的に標準通り実施するよう求めることは、教育レ
ベルや潜在能力が高い担当者ほど人間疎外につながるでしょう。

■□■ 全員が標準を守るポイント ■□■
全員が標準を守る組織になるためにはどんなポイントがあるのかを
考えてみたいと思います。

1.守るべきこととそれを行う方法が明確になっていなければなら
 ない。まず、組織として全社を俯瞰して何が「守るべきこと」
 であるかを部門(プロセス、機能)ごとにリストアップする。
 どのくらいの数がリストアップされるのかは組織の規模、製品・
 サービスの種類によりますが、出来るだけ重要な項目に絞るこ
 とが前提認識となります。
2.作業があるにもかかわらず、それを改訂せず、標準と異なる業
 務を行わせることは、むしろやる気を損なう。業務のやり方を
 変更する場合には、まず標準を改訂し、改訂した標準書に沿っ
 て作業を行わせます。
3.標準を守るように指導・指示する。標準通り業務をしていない
 ことが黙認される職場では標準を守るという意識は生まれませ
 ん。監督者が業務を定期的に観察し、問題がある場合には再発
 防止の処置を取ります。
4.なぜ守らなければならないか、守らないとどうなるかなど守る
 べきことの必要性・理由を理解してもらう。標準を守らなかっ
 たために発生したトラブルの事例を用いて、標準を守ることの
 重要性を教育する。標準書を守ることが品質の確保につながり、
 しいては会社の、自分達の利益につながることを理解してもら
 います。