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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.295 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** 個人の行う活動8_内部診断と内部監査36 ***
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前回に続き内部診断と内部監査について、個人の行う活動につい
てお話しします。今回はその8になります。前回は個人業務のミ
スについての未然防止、エラープルーフ化について内部診断のポ
イントをお話ししましたが、今回はその続きになります。
■□■ ミスは変化のあったときに ■□■
業務ミスはプロセスに変化があった時に起こりやすいものです。
変化があった時の業務の管理を適切に行う工夫が求められま
すが、すべての変化を同じやり方で取り扱うのは非効率です。
変化には計画的な変更による変化と予期しない変化の2種類が
ISO9001:2015で扱われています。
<計画的な変更>
箇条6.3:組織が品質マネジメントシステムの変更の必要性
を決定したとき,その変更は,計画的な方法で行わなけれ
ばならない(4.4参照)
組織は,次の事項を考慮しなければならない。
<予期しない変更>
箇条8.5.6:組織は,製造又はサービス提供に関する変更を,
要求事項への継続的な適合を確実にするために必要な程度ま
で,・・・。
変更による変化の管理は変更手続きを取ること、変更による変
化をランク付けして明確にすることが推奨されます。変更を計
画する際は、目的とする効果が得られるかどうかだけでなく、
予期しない他の問題を起こさないかどうかについての注意が必
要です。
■□■ ISO変更管理 ■□■
現在、共通テキスト(附属書SL)の改定が検討されています
が、上記で述べたISO9001箇条6の「変更管理」がそのまま、
共通テキストに追加されそうです。以下のような規定を9001
以外のすべてのマネジメントシステム規格に反映させようと
するものです。
6.3 変更の計画
組織が品質マネジメントシステムの変更の必要性を決定した
とき,その変更は,計画的な方法で行わなければならない
(4.4 参照)。
組織は,次の事項を考慮しなければならない。
a) 変更の目的,及びそれによって起こり得る結果
b) 品質マネジメントシステムの“完全に整っている状態”
(integrity)
c) 資源の利用可能性
d) 責任及び権限の割当て又は再割当て業務に影響を及ぼす
可能性のある要素の変更にはどのようなものがあるかに関
し、その手続きを定め、文書化しておく。これによって、
各々の変更があらかじめ定められた手続きによって実施さ
れ、責任・権限の不明確な変更が行われないようにする。
また、ISO9001:2015 箇条8には、上述のように変更の管
理の要求があります(上述)。
8.5.6 変更の管理
組織は,製造又はサービス提供に関する変更を,要求事項
への継続的な適合を確実にするために必要な程度まで,レ
ビューし,管理しなければならない。
組織は,変更のレビューの結果,変更を正式に許可した人
(又は人々)及びレビューから生じた必要な処置を記載し
た,文書化した情報を保持しなければならない。
■□■ 変更管理に関しての診断のポイント ■□■
組織における変化は次のような時に起こりますので、内部
診断するときのポイントにすると良いでしょう。
・定期的な見直し時
・標準書が修正される時
・規格が変更された時
・不備を発見した時
・原材料の購入先の見直し時
・原料や他の業務標準書が変わった時
・業務の現場から提案のあった時
・設備・装置・方法などに技術的改善が行なわれた時
・計測器の設置・改造が行なわれた時
・管理項目が管理限界外に出た時
・新しいソフトを導入した時
・新しい外注と取引を始めた時など
変更時には標準を改訂する必要があります。改訂にあたっ
てはいくつか注意すべき点があります。