2024年12月18日
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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.489 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** ISO9001キーワード 人々15 (評価制度)***
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内閣官房から本年8月にJOB型人事の指針として発表された日立製作所の項目
の要約その2です。
新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議|内閣官房ホームページ
ISO9001:2015箇条7.1.2「人々」に関係する話題としてお読みください。
「組織は,品質マネジメントシステムの効果的な実施,並びにそのプロセスの
運用及び管理のために必要な人々を明確にし,提供しなければならない。」
■■ 2.ジョブ型人事の骨格(4)評価制度 ■■
(グローバルパフォーマンスマネジメントの整備)
〇評価制度は、目標管理(成果及び行動)と、フィードバック(面談)を基礎
とした。
〇全社目標(中期経営計画)は、社員一人一人の目標と連動。全社目標を下位
組織の目標、個人目標へと落とし込む。個人のパフォーマンスを組織全体の
目標達成につなげる狙い。
〇3つコンピテンシー(社員の行動特性)を評価の軸として規定。具体的な行
動をイメージできるよう、役割別(経営層、マネージャー、それ以外)に詳
細な定義を設定している。
・和(People Champion) 一人ひとりを活かす
・誠(Customer & Society Focus) 顧客・社会起点で考える
・開拓者精神(Innovation) イノベーションを起こす
〇社員へは日々の1on1 を通じたコーチングとフィードバックを重視。上司か
らの一方通行の指示だけでなく、部下からの改善提案や主体的発言を促し、
双方向でのコミュニケーションを意図している。
〇評価結果は、全社共通の人材マネジメントプラットフォームに登録され、報
酬へ反映される。社員の今後の能力開発にも活かされていく。
■■ 3.雇用管理制度(1)採用、人事異動 ■■
(新卒採用におけるパーソナライズ採用の推進)
〇新卒採用
2001 年から技術系職種にてジョブごとに採用活動を開始(「ジョブマッチン
グ」)
2021年から事務系職種も含めた職種別コース採用。
2024年からジョブを特定したポジション別コース採用。
〇2020年より学生のジョブへの理解促進を図る取組として、「ジョブ型インター
ンシップ」を開始。2023 年卒は300人が参加、2024 年卒は600 人に増加。
(経験者採用の強化)
〇経験者採用にも力を入れており、経験者採用の専任チームを大幅に拡充した。
リファラル採用6人※1、アルムナイ採用7人※2など、採用手法は多様化し
ている。
※1社員の人的ネットワークを通じた採用。
※2一度退職した社員を改めて採用すること。
〇2023 年度の採用実績では、新卒採用は695 人、経験者採用は560 人となっ
ている。経験者採用は2018 年と比較して、3.7 倍に増加。
(社命異動と公募のバランスを踏まえた人材配置)
〇自律的なキャリア形成に対する意欲が高い人に対して、手挙げ方式の社内公
募制度を拡充することで、社員が自らの意思で就きたいポジションへ異動す
ることを支援する。
■■ 3.雇用管理制度(2)キャリア自律支援 ■■
(公募・ポスティング)
〇日立製作所本体と国内グループ会社(一部)を対象に、グループ内の公募制
度を拡充した。
〇キャリア採用を行う「オープンポジション」が生じた場合には、同時に社内
募集がなされ、社内ウェブサイトにて情報が開示される。社外採用を念頭に
置いている場合でも、同時に社内公募をかけるルールとすることで、当該キャ
リアを希望する社員とコミュニケーションを行う機会を持つこととした。
〇当該ポジションを希望する社員は自由に応募が可能。
〇社内公募は活発になっており、具体的には2018 年度には応募647 件、成
立112 件であったのが、2023 年度には応募981 件、成立200 件に増加
している。
(つづく)