ISO9001キーワード 認識 量子もつれ2 | 平林良人の『つなげるツボ』

2025年1月22日
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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.493 ■□■
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*** ISO9001キーワード 認識 量子もつれ2 ***
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昨年暮れにNHKスペシャル「アインシュタインの誤りー量子もつれ」を観て考
えさせられました。今回は新春の夢物語として聞いていただきたい、人間の意識
は量子もつれかもしれないというチョット現実離れしたお話をします。

■■ Googleでの研究 ■■ 
2025年1月1日(元旦、海外は日本と違って元旦は普通に過ごす)、科学学術雑
誌サイエンスに次の記事が載りました。
「Googleの研究者ら、人間の意識が量子もつれから生まれる可能性を検証する実
験を提唱ー脳と量子コンピュータを結合する画期的な実験プロトコルを発表。
GoogleのQuantum AI研究所を率いるHartmut Neven 氏らの研究チームは、人
間の意識が脳内の量子もつれから生まれるという仮説を実験的に検証する画期的
な方法を提案した。この研究は、意識の本質に迫る新しいアプローチとして注目
を集めている。」
というものです。

意識とは何か?と、正面から問われるとそれなりに応えられる人は、あまり居な
いのではないでしょうか。わたしも30代頃「心(意識)とは何か」を考えたこと
がありました。それ以来、なぜこんなことが心に浮かぶのかを真剣にではありま
せんが、時々思って今日まで答えの見つからないまま来ています。したがって、
ISOで「認識する」と言われても軽く考え、「人間、忘れることだってあるさ」な
んて不遜な気持ちをもっていました。

■■ 意識は脳内の量子もつれから生まれる ■■
人間の意識が脳内の量子もつれから生まれるという仮説を実験的に検証する実験
は以下のようなものです。

「研究チームが提案する実験は、これまで科学的な検証が困難とされてきた意識
の本質に迫る画期的な実験手法だ。この手法の核心は、人間の脳と量子コンピュ
ータを直接接続し、両者の間で量子もつれを実現することにある。
従来の意識研究では、主観的な体験を客観的に測定することが大きな課題とされ
てきた。しかし、この計画では、量子状態の重ね合わせを利用することで、意識
体験の「豊かさ」を定量的に評価できる可能性が開かれる。具体的には、脳内の
N次元ヒルベルト空間と量子コンピュータ内のM次元ヒルベルト空間を結合する
ことで、N×M次元という高次元の状態空間で意識体験を実現することを目指し
ている。」

何のことかよく分かりませんが、ここで、ヒルベルト空間という聞きなれない言
葉がでてきます。生成AIによると、英国のダビット・ヒルベルトがユークリッド
空間の概念を一般化したもので、数学における無限次元の空間への拡張として使
える空間で、そこで角度や長さを測るというものです(よくわかりません)。
サイエンスでは以下のようにも論評しています。
「この実験プロトコルの実現には、脳内の特定の構造と量子コンピュータの間で
コヒーレントな結合を確立する必要がある。研究チームは、窒素空孔中心を用い
た量子センシング技術と光遺伝学的手法を組み合わせることで、この課題に取り
組もうとしている。これは技術的に非常に困難な挑戦だが、実現すれば意識研究
における画期的なブレークスルーとなる可能性を秘めている。」

量子もつれが存在することが確認されたことで、従来から仮説として述べられて
いた肉体と心(意識)は別のモノである、ということが改めて事実かもしれない
と考える人が出てきたのです。

これらの実験結果は、人の意識と量子効果の役割を解明する重要な手がかりとな
る可能性があります。近代のAI開発にも意識との関係で重要な示唆を与えるか
もしれません。従来の半導体で動作するAIシステムは、量子で動作する可能性
も秘めています。現実に開発されている量子コンピュータもその開発が加速するで
しょう。NHKスペシャル番組では東京大学で量子コンピュータ開発を行い世界的
権威者であると紹介された古澤さんも同様なコメントを述べていました。さて、
ここからはアインシュタインのいうオカルトの世界ですが、「肉体と意識が別物
であるとすると、肉体は滅びても量子で生成されている意識は残るので、その結
びつきが継続されているならば魂は死後も記憶をもって漂っている?」かも知れ
ません。正月の夢物語でした。

(つづく)