■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.113■□■
*** プロセスアプローチ支援ツール ***
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■□■ ソフトウエアを販売 ■□■
今回、第22回テクノファ年次フォーラム(無料、大阪12/16済、東京12/22)では、
「プロセスアプローチ支援ツール」ソフトウエアを特別価格でご提供させていた
だきます。
このソフトには、2015年版で要求されているプロセスアプローチの要素がすべ
て入っています。ISO9001の2008年版からの移行準備にはうってつけの支援ツ
ールだと思います。大阪では多くの方が関心をお持ちいただきご購入くださ
いました。
このソフトウエアは私が監修しましたので、この場でプロセスアプローチ構築の
流れを簡単に説明させいただきます。
■□■ ステップ1 事業プロセス ■□■
最初に、御社の現状の活動を事業プロセスとして一覧表にしていただきます。
ソフトには製造、建設、サービス3業種の事業プロセスのサンプルが収録さ
れています。
事業プロセスとは御社の全員が毎日行っている活動のことを意味しています。
例えば、営業プロセス、設計プロセス、製造プロセス、サービス提供プロセ
ス、人事管理プロセス、経理プロセス、経営管理プロセスなどです。
■□■ ステップ2 QMSに必要なプロセス ■□■
次に、その事業プロセスの中からQMSに関係ないプロセスを除きます。
例えば、上の例でいうと、経理プロセスなどは削除される候補になるかもしれま
せん。もちろん、組織はQMSに関係するプロセスとして経理プロセスをそのまま
適用することもできます。
■□■ステップ3 ISO9001:2015箇条.4.1■□■
3番目に、QMSに必要なプロセスごとにインプット、アウトプット、パフォーマンス
指標、責任/権限、判断基準、方法などを決め、一覧表にします。
ISO9001:2015箇条4.4.1が要求している次の項目に沿っています。
a) これらのプロセスに必要なインプット,及びこれらのプロセスから期待される
アウトプットを明確にする。
b) これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にする。
c) これらのプロセスの効果的な運用及び管理を確実にするために必要な判断
基準及び方法(監視,測定及び関連するパフォーマンス指標を含む。)を決定し
,適用する。
d) これらのプロセスに必要な資源を明確にし,及びそれが利用できることを確
実にする。
e) これらのプロセスに関する責任及び権限を割り当てる。
f) 6.1 の要求事項に従って決定したとおりにリスク及び機会に取り組む。
g) これらのプロセスを評価し,これらのプロセスの意図した結果の達成を確実
にするために必要な変更を実施する。
h) これらのプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する。
これに関してもソフトには多くの事例が収録されています。
■□■ステップ4 規格要求事項の統合■□■
4番目に、事業プロセスへの規格要求事項の関連付けを行います。
ISO9001:2015箇条5.5.1には「c) 組織の事業プロセスへの品質マネジメントシス
テム要求事項の統合を確実にする」ことが要求されています。
このソフトで一番工夫されているステップです。ソフトが示す8分類された規格要
求事項を御社の決定したQMSに必要なプロセスと関連付けをしていきます。
インプット、アウトプット、パフォーマンス指標、責任/権限、判断基準、方法な
どに関していろいろな気付きを得ることになるでしょう。
■□■ ステップ5 認証審査への準備 ■□■
5番目に、ここまで作成した各種一覧表、文書(タートル図を含む)などを印刷し
て、御社の2015年版の移行審査に備えます。
次の文書類の用意ができます。
1. 事業プロセス一覧表
2. QMS に必要なプロセス一覧表
3. 箇条4.4.1 で要求されているプロセスの要素一覧表(およびプロセス
ごとのタートル図)
4. プロセスと要求事項との関連付け表
5. 適用不可能とする要求事項(存在すれば)とその理由
■□■ ステップ6 フローチャート作成 ■□■
最後に、フローチャートを作成します。これは、ISO9001:2015箇条4.4.1 b)が
要求しているQMSに必要なプロセスの順序および相互作用を表すものです。
御社はここまでの6ステップを踏むことで、2015年版が要求しているプロセスア
プローチに基づいたシステム構築を計画することができます。
ステップの説明はこれで終わりますが、このソフトの特徴を以下に述べます。
■□■ 豊富な事例の収録 ■□■
このソフトには豊富な事例が入っています。例えば、製造、建設、サービス業の
事業プロセス一覧、またQMSに必要なプロセスへのインプット、アウトプット、パ
フォーマンス指標、責任/権限、判断基準、方法など、さらに28業種の活
動名(プロセス名)などが収録されています。
これらの事例を参考にする際には、現在の御社の活動にフィットするように事例
を修正、あるいは事例に追加することが重要です。
■□■ タートル図の採用 ■□■
QMSに必要なプロセスへのインプット、アウトプット、パフォーマンス指標、責任
/権限、判断基準、方法などの決定は、事務局だけでは難しい場合があります
。
そのような場合には、プロセスの主管部門に決定をお願いすることが
よいでしょう。ソフトからは、個々の主管部門にお願いする図表(タートル図)が
アウトプットされてきます。
■□■ すべての規格要求事項を8種類に分類 ■□■
規格要求事項を事業プロセスに統合することについては、ソフト側ですべての
規格要求事項を8種類に分け、御社が決めたプロセスと比較検討する仕組みを
持っています。
特に箇条7支援にある要求事項は、御社のどのプロセスにも適用可能なのです
が、特に必要とされるプロセスへ適用することで有効なQMSとすることが期待で
きます。
■□■ 適用可能性の検討 ■□■
ISO9001:2015箇条4.3では適用可能性についての要求があります。ステップ4で
御社が決めたプロセスと規格要求事項を比較検討する際に、比較できない規格
要求事項は適用不可能としてソフトウエアは一覧表にして表示します。
その場合、さらによく検討して本当に採用できないのであれば、適用
不可能を正当化する文書を作成することになります。
以上、いろいろ説明しましたが、言葉だけでは理解しがたいところもありますの
で、一度お試しになってください。