ISO 9004:2018持続的成功を達成するための指針-13 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.233 ■□■    
***ISO 9004:2018持続的成功を達成するための指針-13***
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今回はISO 9004 :2018「品質マネジメント-組織の品質-持続的成功を
達成するための指針」の箇条9「資源のマネジメント」についてお話しします。
ISO 9001:2015では、箇条7支援の中の7.1に、ここでいう資源を扱っています。 

■□■ 箇条9.4 技術 ■□■

「技術」は、組織にとって固有なものであり、最も重要な要素の一つで
あることは論を待たないことでしょう。技術は固有であるがゆえに、周囲との
比較において何時の間にか陳腐化して競争力を持たなくなる危険性があります。
トップマネジメントは,マーケティング,競争優位,顧客価値などの観点から
組織のパフォーマンスに貢献する技術開発を検討しなければなりません。

次の事項により技術開発及び革新をすすめることが望ましいとしています。

1.組織内外の技術レベル及び動向調査
2.技術開発に必要な財務資源の用意
3.技術変化に適用する組織の能力
4.リスク及び機会の検討
5.市場環境のモニタリング

■□■ 箇条9.5 インフラストラクチャ ■□■

「インフラストラクチャ」は、組織の状況を常に監視し、最適な状態に
しておくことについてガイドしています。組織は,定期的にインフラ
ストラクチャが望ましいパフォーマンスの達成に貢献しているかを評価する
ことが、望ましいとしています。インフラストラクチャの運用管理には、

次の事の検討、実施が推奨されています。

ディペンダビリティ(入手可能性,信頼性,保全性)、これには
安全性及びセキュリティも含む。
2. 製品及びサービスの提供に必要なインフラストラクチャの 確保
3. 必要とされる効率,能力及び投資
4. インフラストラクチャの影響

■□■ 箇条9.5 作業環境 ■□■

「作業環境」は同じく箇条5.3「外部及び内部の課題」における,
組織内の人々並びに組織を訪問する人々(顧客,供給者,パートナ)に快適性を与え、
それによって生産性、創造性を高める要素です。
作業環境には次のものを含みますが、適切に機能しているか確認することが
望ましいとしています。

1. 温度,湿度,換気,照明、騒音、衛生,清浄などの物理的特性
2. 作業場及び機器
3. 心理的側面
4. 学習,知識の移転及びチームワーク
5. 創造的な作業方法及び機会
6. 安全衛生に関わる規則及び保護具の使用
7. 職場の場所
8. 組織内の人々のための施設
9. 資源の最適化

組織は、作業環境が法的要求事項などを順守し,適用される基準
(環境及び労働安全衛生など)に適切に対応できていることを検証することが
必要であるとしています。

■□■ 箇条9.6 外部から提供される資源 ■□■

「外部から提供される資源」は,製品・サービスの実現のために外部から
いろいろな資源を調達することについてガイドします。
外部提供者から調達した資源は、組織の製品・サービスの品質に影響を及ぼします。
組織は、外部から提供された資源を効果的に運用管理することを経営上重要な要素
であるとして認識しなければなりません。

外部からの資源の調達は,組織にだけでなく利害関係者にも影響を及ぼすことを
考えなければなりません。調達における組織と外部提供者との関係は、相互依存関係に
あるとして、組織の活動に参画する全ての者にとって有益となる方法で調達の運営管理
することが望まれます。組織は、外部提供者の能力を活用して顧客に価値提供をし、
その過程において相互関係を向上させることが望ましいとしています。

外部提供者・パートナは、組織にはない知識を保有していますので,組織が
プロジェクトに関連するリスク及び機会(結果として得られる利益または損失)を
共有する際には,外部提供者・パートナとの提携を推奨しています。
パートナとは,製品・サービスに関する外部提供者以外,技術的専門組織、
金融機関及び公的機関(政府及び非政府組織)及びその他の利害関係者などをいいます。

外部提供者の運用管理に関して,次の事項に関係するリスク及び機会を考慮に入れる
ことが望ましいとしています。

1. 設能力又は生産能力
2. 技術的能力
3. 資源入手可能性
4. 外部提供者との互恵関係
5. 事業継続性及びサプライチェーン
6. 社会的責任