環境プランナー・ベーシック資格 | 平林良人の『つなげるツボ』

■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.13  ■□■
 
  *** 環境プランナー・ベーシック資格 ***

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テクノファ代表取締役の平林です。

今回は東京商工会議所「eco検定」のセカンドステップ「環境
プランナー・ベーシック」資格のお話をさせていただきます。
では宜しくお願いいたします

■□■ 環境に関する話題 ■□■

環境に関する最近の話題は何といっても地球温暖化の進行、
そして温暖化ガスの削減についてのものです。地球の気温上昇が
気候、農作物、そして生態系に大きな影響を及ぼすと懸念されて
います。

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:国連の
気候変動に関する政府間パネル)5次レポート(2008年発行)
では、すでにその現象が現れていると述べています。

その原因は空気中の温暖化ガスの増大にあるというのが大方の
学者の主張です。温暖化ガスにはいろいろな種類(国連では6種
類を指定)がありますが、それら内でもCO2(二酸化炭素)に関
する排出が最大の議論となっています。

■□■ 日本の2020年目標 ■□■

日本政府は2020年における温暖化ガスの削減目標を2005年比
15%減(1990年比8%減)にすると発表しました(6月10日)。

京都議定書(国連気候変動枠組み条約)の基づく第一次国別
目標(2008年~2012年)において、日本は1990年比6%減という
数字を負わされています。

しかし、なぜ1990年比なのか、なぜアメリカは離脱したのか、
なぜ開発途上国は数値目標を持たないのか、特に中国、インドは
CO2を大量に排出しているにも拘らずなぜ規制の網に掛から
ないのか、など第一次国別目標にはいろいろな議論があります。

今年12月に予定されているデンマーク・コペンハーゲンCOP15
(第15回国連気候変動枠組み条約締約国会議)において、ポスト
京都議定書の国際交渉がいよいよ始まろうとしています。

■□■ 東京都温暖化ガス削減及び排出権取引制度 ■□■

東京都では2008年の東京都議会で「都民の健康と安全を確保
する環境に関する条例」の改正を可決しました。その中には、
「温室効果ガス総量削減義務及び排出量取引制度」という日本で
初めてとなる制度が入っています。

東京都ではこの条例に基づき、2015年時点で8%減、2020年時点
で25%減のCO2を削減するという野心的な目標を掲げています。

対象となるのは、年間で燃料、熱及び電気を一定以上(原油換算
1500Kl)使用する事業所であり、都内には約1300事業所があると
みられています。

基準排出量は、過去5ヵ年度(2002年~2006年)の中から事業者
の都合のよい連続した3ヵ年度を選び、その平均値を取ってよい
となっています。事業者がもし目標値を達成できなかった場合
には罰則があります。

東京都では目標とする削減量の実現を支援するため、いろいろ
な削減手段を提供しようとしています。例えば、グリーン証書
の活用、また排出量取引も適用させようとしています。また、
太陽エネルギーバンクと称して住宅用太陽エネルギー機器の
導入のための補助金支給も決めています。

■□■ 民生用CO2削減も大きなテーマ ■□■

現在日本では何種類かの温暖化ガスの削減計画が進んでいます。
環境省主導のもの、経済産業省主導のもの、東京都主導のもの
などです。CO2は、従来、産業分野、運送分野で多く排出されて
いましたが、最近では業務分野(事務所)、民生分野(家庭)
での伸びにも著しいものがあります。

今までは、工場、発電所、製鉄所、化学プラントなどがCO2排出
の主たる源と思われていましたが、過去10年事務所、家庭から
の排出が急激に増加してきています。

東京商工会議所が2006年から始めた「eco検定」は、このような
CO2排出に代表される環境問題を国民に広く知らしめる役割をも
って登場しました。そして狙い通り環境問題を理解する人々の
拡大に成功しています。2008年にはエコピープル(eco検定保有
者の総称)が5万人に達しました。

これからは、CO2排出だけでなく、それらを取り巻く環境問題を
多くの人が知り、何らかの活動に繋げていくことが大切です。
例えば、家電製品購入に付加されるエコポイント、省エネルギ
ー、廃棄物管理、水質問題、生物種の絶滅、緑化運動、無農薬
栽培など、実の多くのニュースが我々に提供されています。

しかし、知っただけでは何も変わりません。一人ひとりが何ら
かの行動を始めることが大切です。