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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』 Vol.37 ■□■
*** 明けましておめでとうございます ***
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テクノファ代表取締役の平林です。
今年もどうぞ宜しくお願いいたします。
今回は昨年からの続きである「QMSの再設計」を中止して
昨年1年を振り返り、かつ今年の展望を述べたいと思います。
昨年、私は今までになく海外出張が多く、数えてみたら、
モンゴル1回、シンガポール2回、中国2回、コロンビア1回、
オーストラリア1回と海外を見て回る機会に7回恵まれました。
■□■ かすんでみえる日本 ■□■
7回の海外滞在の目的はさまざまですが、
いろいろな人との接触の中から一貫して言えることは
日本が「かすんで見える」、
斜陽といってもいい状態に見えるということです。
残念なことですが、現在外国人の目にはかつての
「輝いて見える日本」というイメージとは対照的に、
かすんで日本が見えているということではないでしょうか。
ある方にこの話をしたところ、「それは日本に長くいた
日本人(平林)の先入観がそう感じさせるのだ!」と
言われてしまいました。
うぅ~ん!確かにそういう部分はあるでしょうが、
どうみてもこれは客観的な見方であると言わざるをえません。
ここで、私が昨年経験した具体的なことをあげてみましょう。
■□■ 北京での経験 ■□■
北京へは30年ぶりの訪問でした。
その変貌ぶりはいろいろなマスコミ情報で知っているつもりでしたが、
実際に、2回の国際会議(エネルギーと労働安全)で
中国人と議論をすると、昔とはまったく違った自信を感じさせる
若者ばかりでした。
私の接触した若者(とはいっても40代の男女)の数は
10数人ですが、いずれも日本の同世代に比べると
比較にならないくらい積極的でした。
決して上手とはいえない英語で自分の主張を堂々と述べる、
これがもし現在中国の40代知識人の平均的人物像であるとすると、
今後の競争において暗澹とする思いを感じてしまいました。
■□■ シンガポールでの経験 ■□■
シンガポールへは、あるコンサルタント会社の招きで
人材教育ワークショップに参加してきました。
もともと英語が共通語の国ですが、多くの人が英語、中国語を操り
欧米の経営手法、人材訓練方法に基づいた教育を実施する様は、
東京を超える、ストックマーケットを作り出した
シンガポール人の底力を感じさせるものでした。
ホテルで地元のテレビを見ていて、ふっと気がついたことが
ありました。
チャンネル数がいくつあるのか知りませんが、
英語のスペリング当て競走のチャンネルが
多くの人の人気番組で、日本とテレビ番組の質が違うなぁ~と、
感じたのは、私一人ではありませんでした。
日本ではインターネットが、日本語翻訳されていることが
当たり前ですが、東南アジアの国々では英語が不自由であっても
英語でしか見ることができない状況にあることも分かりました。
■□■ オーストラリアでの経験 ■□■
シドニーには沢山の日本料理店がありますが、
中には「わがまま」という日本名の店もありました。
これはロンドンで流行したチェーン店だそうですが、
われわれは「My Mother(我がママ)」と呼んで
駄洒落を楽しんでいました。
それはともかく、驚いたことは物価の高さでした。
街角のコーヒーショップでサンドイッチなどの昼食をとるのに
最低1,500円はかかるのです。
最初は、円が高い(海外では得をする)のにおかしいと
思ったのですが、それ以上に
オーストラリアドルは、強くなっていたのです。
円が高いことから、日本は海外から評価されていると
思ってしまいますが、これはどうも間違いのようです。
対米ドルだけ高いと思わなければいけないようです。
寿司も東京と遜色の無い新鮮さと味で、
昔のシドニーで食べたものと比較にならないくらいに
レベルが上がっていたのには驚きでした。
これでは、日本食も海外に奪われかねないと
脅威を感じる状況でした。
もっと深刻なことはオーストラリア人の高い給与水準です。
昼食に日本人サラリーマンの2~3倍を払える高い給与を
貰っているのです。
また、それ程高い給料を払える企業が多く存在しているのです。
為替の関係はありますが、
「日本人の平均給与の倍以上を貰っている」と日本食店で
アルバイトをしている女性が数人声を揃えていうのですから
間違いはないようです。
■□■ 今年の展望 ■□■
正月には、昨年のいろいろな経験から、
とりとめもなく多くのことを考えてしまいました。
①日本国の「将来像」はどのようなものか。
②日本人の「強さ」とか、反対に「弱さ」とは、本当になにか。
③日本人の勤勉さと努力する国民性を活かす「最適な道」とは
どんなものか。
④日本国の「政治の不毛」はなんとかならないのか。
⑤人財が唯一豊かな日本の「今後の戦略」には
どんなものがあるのか。
⑥日本の「自然の恵み、四季の豊かさ」をもっと享受する
方法はないのか。
⑦「グローバリゼーション」とはなにか、
日本は内向きになり過ぎていないか。
⑧「物つくり」大国日本といわれて久しいが、本当に今でもそうなのか。
⑨日本の「少子化の影響」、
今後の方向を考えた場合どんなことがいえるのか。
⑩日本の「高齢化社会の実態」はどんなものか、
今から手を打たないとますます状況が悪くなるのではないか。
日本の工場・営業の場は、どんどん海外へいくかもしれませんが、
我々日本人は日本を飛び出すわけにはいきません。
過剰な変な自信は困りますが、
もっと胸を張って冷徹に現状を直視し、
筋の通った長期的な展望を持つことで、
輝く日本を再現できると思います。
物心とも豊かな、愉快に暮らせる日本をより強固にしていきたいと
誰もが望んでいることと思います。
今年も微力ですが、そんな日本になっていくことに、
少しでも貢献できる会社になっていくことを誓って、
新年のご挨拶とさせていただきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。