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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.82 ■□■
*** 次期9001改正 ***
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■□■ISO9001からは設計が消える?■□■
本メルマガVol.75(当時はCD:committee Draft)では
次期ISO9001からは「design:設計」という文字が消える、
という話をしました。
本当でしょうか?
2014年5月初旬に
次期ISO9001のDIS(Draft International Standard)が
発行されました。
そこには、「design:設計」という用語は復活しました。
■□■次期ISO9001のDISの特徴■□■
ISO/DIS9001:2015版は現在日本規格協会から
Webで販売されています。
その特徴は次のようなものです。
(1)附属書SLがベースとなっている。
・組織の状況の理解が要求事項になっている。
・「QMSの意図した結果」を明確にする必要がある。
・外部、内部の課題を明確にしなければならない。
・QMSの利害関係者、利害関係者の要求を明確に
しなければならない。
・9001規格要求事項の組織への適用は組織が
その境界などで決めなければならない。
・QMSのリスクと機会を明確にしなければならない。
(予防処置の要求事項はなくなった)
・事業プロセスにQMS要求事項を統合しなければならない。
・文書、記録は総て「文書化された要求
(Documented Information)」という用語で統一されている。
・品質マニュアルを作成しなければならない、という要求はない。
・管理責任者を任命しなければならない、という要求はない。
(2)プロセスに関する要求が強化されている。
(3)設計・開発への要求が軽減化されている。
(4)アウトソース、購買が一つの概念に纏められている。
(5)パフォーマンスへの要求が強化されている。
(6)「知識」が新しいものとして要求されている。
(7)従来の製品という用語は、製品・サービス
という用語に変更になった。
(8)その他幾つかの用語の変更がある。
(9)従来になかったAnnexが付いた。
・2015年版の特徴を述べたAnnex A
・品質マネジメントの7原則 Annex B
・ISO9001ファミリー規格の一覧 Annex C
■□■設計・開発への要求は?■□■
箇条8運用の8.3には設計・開発の要求があるが、
ISO9001:2008版に比べると、レビュー、検証、
妥当性確認への要求が軽減されています。
ISO9001:2008版では、それぞれ一つの箇条で
要求されていたものが、纏まって要求されるようになり、
したがって詳細な要求にはなっていません。
これは、サービス業においては設計という概念が
薄いことへの配慮であると説明されています。
設計・開発に関する箇条は以下の通りです。
8.3 製品及びサービスの設計・開発
8.3.1 一般
8.3.2 設計・開発
設計・開発のレビュー、検証、妥当性確認の
計画の策定の要求がある。
8.3.3設計・開発のインプット
8.3.4設計・開発の管理
計画した設計・開発のレビュー、検証、
妥当性確認を実施する要求がある。
8.3.5設計・開発のアウトプット
8.3.6設計・開発の変更
次回からISO/DIS9001:2015について
話を進めていきたいと思っています。
おわり