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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.87■□■
*** 附属書SLの改訂 ***
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■□■ 附属書SL第5版 ■□■
附属書SLの第5版が2014年5月に発行されました。
2012年5月に初版が発行されたことを思いますと、
2年間に4回改訂されたということで、
平均半年に1回の改訂がされたことになります。
これは頻繁な改訂といえ、発行されたばかりの初期修正が
多いと言えると思います。
附属書SLは規格作成専門家に対する指針であり、
これに基づいてマネジメントシステム規格が作成されますので
ベースとなるものの改訂は個別分野の規格作成に影響を及ぼします。
■□■ 従来の改訂は編集上の修正だったが・・ ■□■
附属書SLの第4版までの改訂は、初期不良?による
編集上の改訂でしたので、マネジメントシステム規格の策定に
影響を与えるようなものではありませんでした。
しかし、第5版の改訂はそうではありません。
第5版では次の2つのことが改訂の対象となっています。
(1)3.20 修正の定義が削除された。
(2)7.3 コミュニケーションの「」において、「必要性」の
字句が削除された。
(1)の3.20の削除は次のようなものです。
修正の用語が「検出された不適合を除去するための処置」と
定義されていたのですが、
その後、附属書SLの本文中に「修正(correction)」という用語が
使用されていないことが判明し削除されました。
但し、附属書SK箇条「10.1不適合及び是正処置」には
次のような要求事項があります。
「不適合が発生した場合,組織は,次の事項を実施しなければならない。
a)その不適合に対処し,該当する場合は必ず,次の事項を行う。
- その不適合を管理し,修正する(correct it)ための処置をとる。
■□■ 箇条「7.4コミュニケーション」への変更 ■□■
2つめの箇条「7.4コミュニケーション」への変更は、
個別分野のマネジメントシステム規格に影響を及ぼすと思われます。
(旧)
The organization shall determine the need for internal and
external communications relevant to the XXX management system, including:
(新)
The organization shall determine the internal and external
communications relevant to the XXX management system, including:
と変更になりました。
すなわち、”the need”という語句が削除されたのです。
箇条7はISO9001にも、ISO14001にも使用されていますので、
附属書SLが変わったことで、両規格ともこの部分はそのとおり
変更になります。
従来は「組織は、次の事項を含め、XXXマネジメントシステムに
関連する内部及び外部のコミュニケーションを実施する必要性を
決定しなければならない。」という要求でした。
それが、修正された後は
「組織は、次の事項を含め、XXXマネジメントシステムに関連する
内部及び外部のコミュニケーションを決定しなければならない。」と
なりました。
すなわち、必要性を決定することから、コミュニケーションを
決定することに変わったのです。
■□■ 箇条7.4には追加の要求も ■□■
箇条「7.4コミュニケーション」には、更に、
具体的な要求が一つ追加されました。
– how to communicate.
- コミュニケーションの方法、と訳されています。
以上により、7.4コミュニケーションは次のようになりました。
「組織は、次の事項を含め、XXXマネジメントシステムに関連する
内部及び外部のコミュニケーションを決定しなければならない。
- コミュニケーションの内容(何を伝達するか。)
- コミュニケーションの実施時期
- コミュニケーションの対象者
- コミュニケーションの方法 」
以上