ISO 9004:2018持続的成功を達成するための指針-12 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.232 ■□■    
***ISO 9004:2018持続的成功を達成するための指針-12
能力開発***
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今回はISO 9004 :2018「品質マネジメント-組織の品質-持続的成功を
達成するための指針」の箇条9「資源のマネジメント」についてお話し
しています。
箇条9.2.2「人々の積極的参加」には個人の力量発揮の方法が語られて
います。それに関連してテクノファで行っているキャリアプラン制度
(能力開発コース)についてお話をします。

■□■ やる気になった時に本当の力 ■□■

9.2.2のc)には「個人の能力開発を促すための技術認定制度及び
キャリアプランの確立」がガイドされています。
組織にいる人々は、力量があり自分から積極的に仕事をする人であることが
望ましいのですが、現実はそのような状況にはなりません。
そこで9004ではそうするためのいくつかの作戦を推奨しています。

箇条9.2.2「人々の積極的な参画」がその対策の一つです。
ここにあるガイドは、人々を動機づけし積極的に参加するようになるための
人的資源管理の指針です。組織全ての階層にて計画的で,透明で,倫理的な
社会的責任を果たす行動を前提とした人的管理の実行が望ましいとしています。

人々は「自分からやる気になった時に本当の力を発揮する」ことができます。
そこで、次のような活動を推奨しています。

1.人々の仕事の目的、目標を明確にする。
2.必要な知識を共有する。
3.力量を活用する。
4.能力開発を促す技能認定及びキャリアプラン制度を導入する。
5.満足度合い,ニーズ及び期待の継続的なレビューを実施する。
6.個別指導(mentoring)及びコーチングをする。
7.チーム改善活動を促進する。

■□■ 能力開発(personal development)とは■□■

上記4.に出てくる「能力開発」ついてのお話です。
ほとんどの人は自分の本当の力を知りません。学校を出て社会の中でたまたま
出会った仕事(組織から割り当てられた仕事)をすることになりますが、
数年も経つと自分の力は他の分野でもっと発揮できるかもしれないと思うことが
多くあります。

9004では自分に潜在している力を客観的に知ることを推奨しています。
なんとなく自信があるというのではなく、自分の性格も含めここまで生きて
きた経験、知識、スキルなどを棚卸するとよいと思います。その方法は、
技能認定及びキャリアプラン制度であるとしています。

世の中には、そのような能力の客観的な見つめ直しの研修がありますが、
テクノファが行っている「キャリアコンサルタント研修」もそのうちの
一つです。
厚生労働省の認定コースになっています。

■□■ 外的キャリア、内的キャリア■□■

ここからは、9004から離れます。9004が推奨している「能力開発」について
少し触れていきます。
能力開発のコースには、「外的キャリア」と「内的キャリア」という言葉が
出てきます。

「外的キャリア」とは肩書、地位など社会的外面性の履歴・方向性を意味し、
「内的キャリア」とはやりがい、達成感、充実感などの自分の心の履歴・方向性を
意味します。

内的キャリアを明確にし、確立するには次のようなことを自分自身に確認する
必要があります。

・本当に自分とは(Who am I ?)
・自己の将来を決定する(Where am I going ?)
・自分はそこへ行けるか(How can I get there ?)
・自己の将来は自分で選択する

■□■ キャリアアンカー ■□■

自分の内面を観察し、自己決定する際の重要な重り(錨:アンカー)の切り口としては、
アメリカのシャイン博士が提唱した「キャリアアンカー」理論8項目が有名です。

・管理能力(Managerial competence)
・技術的・機能的能力(Technical/functional competence)
・安全性(Security/stability)
・創業造性(Entrepreneurial creativity)
・自律と独立(Autonomy/independence)
・奉仕・社会献身(Service/dedication to a cause)
・純粋な挑戦(Pure challenge)
・ライフスタイル(ワークバランス)(Lifestyle)