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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.256 ■□■
*** 内部診断と内部監査2 ***
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新型コロナウイルスはまだまだ先が見通せない状況になっていますが、
1段落した後(1、2年後?)の世界はどのようになっているのでしょうか?
これからどんな変化が世界的に起きるのかある程度予測できます。
その予測も含めてこれからの世界の変化を注視していかなければ
ならないのですが、そうした変化に備える意味でもこの機会に
自組織の内部診断(内部監査)を行ったらどうでしょうか。
■□■ 内部診断と内部監査の違い ■□■
「内部診断」の定義はありませんが、新版品質保証ハンドブック
(2009年、日本品質管理学会)には「トップ診断」の定義があります。
「組織の運営に最終的な責任を持っている経営層が、各部門の業務・活動の
実施状況をヒアリングすることで経営層自らが直接把握し、改善を促す
活動である」とあります。
それに対して、「(内部)監査」はISO 9000に定義がされており、「監査
基準が満たされている程度を判定するために、客観的証拠を収集し、
それを客観的に評価するための、体系的で、独立し、文書化したプロセス」
となっています。
診断が「改善を促す」のに対して、監査は「客観的に評価する」と
なっていますが、両者の表現は異っても「改善が最終的な目的」で
あることは論を待たないでしょう。
■□■ 内部診断のサンプリング ■□■
ISO 19011:2019箇条A.6 「サンプリング」には、A.6.2「判断に
基づくサンプリング」とA6.3「統計的サンプリング」の2種類の
サンプリングの仕方が書かれています。
今回のような診断においては、A6.2「判断に基づくサンプリング」
をお勧めします。
そもそもサンプリングとは,調査の対象があまりに膨大であったり,
地理的にあまりに分散していたりする場合に行われるものです。
例えば,記録については,母集団内の全ての記録の中から,現実的に
対応できる数の記録をサンプリング選択します。
その場合、監査の目的を達成できる情報を得たと監査員が確信できる
ことが重要です。
サンプリングするときのリスクは,サンプルがその選択元である
母集団を代表していないことです。
その結果,監査員の結論が偏り,母集団の全てを調査した際に
達するであろう結論とは異なることになる可能性があります。
■□■ A 6.2 判断に基づくサンプリング ■□■
内部診断においては、判断に基づくサンプリングがお勧めですが、
これは診断者の力量及び経験に依存します。
判断に基づくサンプリングは、例えば次のような事項から決めると
良いと思います。
a)診断範囲内における経験
b)要求事項(法令・規制要求事項を含む)の難易度
c)プロセス及びマネジメントシステム要素の複雑さ
d)技術,人的要因の変化の度合い
e)リスク及び改善の機会
f)四半期ごとのアウトプット
■□■ 診断のサンプリング対象例 ■□■
私が内部診断で上げたいと考える大骨の診断対象は次のようなものです。
これはテクノファグループの例ですので、当然ですが、組織それぞれの
a)~e)の状況によって診断対象は異なってきます。
1.経営分野
・中期経営計画
・方針管理
・働き方改革
・SDG’s
2.プロフィットセンター(主要)分野
・研究開発プロセス
・企画プロセス
・設計プロセス
・生産技術プロセス
・購買プロセス
・製造プロセス
・品証プロセス
・営業プロセス
3.サポート(支援)分野
・情報セキュリティプロセス
・会計プロセス
・総務プロセス
■□■ 小骨の診断対象例 ■□■
組織の強さと弱さを客観的に明確にしたいという場合に考えられる
テクノファの小骨サンプリング例です。
1.整理整頓
-図書
-文書
-PC
-プロジェクタ
-規格
-机上
2.文書管理
-検索容易性
-登録ルール
-サーバーホルダー構造
-タグ名
3.業務手順
-個人が管理する活動
-課長が管理する活動
などです。