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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.262 ■□■
*** 企画プロセスの診断― 内部診断8 ***
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新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除され、経済活動も再開されましたが、秋口には
第二波が来るのではないかと言われています。まだまだコロナとの付き合いは続きそう
ですが、終息後の世界はどのようなものになっているでしょうか。いろいろな予測も含め
てこれからの変化を注視していく必要があります。そうした変化に備える意味でもこの
機会に自組織の内部診断を行うことをお勧めします。前回は研究開発プロセスについて
お話しをしましたが、今回は企画プロセスについてお話しします。
■□■ プロフィットセンター‐企画プロセス ■□■
ここで言うプロフィットセンターとは、企業の中でお金を稼ぐ部門のことを総称して言い
ます。プロフィットセンターに対するもう一つの言葉には、コストセンター又はオーバー
ヘッドなどがあります。つまりお金を稼ぐのではなくお金を使用する部門を総じて言いま
す。日本語では、本社部門、管理部門、支援部門などと呼ばれます。
さてお金を稼ぐ部門にはお客様の要望を把握して、製品及びサービスを企画、設計して、
それらを実現させるすべてのプロセスが含まれます。代表的には、研究開発、企画、設計、
生産技術、購買、製造、品証、営業プロセスなどがプロフィットセンターの業務になると
思います。
■□■ 分課分掌規程 ■□■
ここにおける診断の最初のステップは社内の分課分掌規程の確認です。会社によっては
組織に企画部門が無いかもしれません。しかし、企画部門が無くても企画プロセスが無
いということにはなりません。
企画プロセスは、会社に新しいこと及びモノを立案して生み出すという創意工夫のプロ
セス(業務)だからです。
新しいことを生み出さない会社はありません。しかし、どんな分野で企画をするのかは
会社によって異なるでしょう。会社によって企画業務内容は異なりますから、分課分掌
規程を確認することが必要になります。ISOで言えば附属書SLの箇条4、箇条5を
どこの部門が行うかということになります。箇条4、箇条5はトップマネジメント
が行うと言われますが、それをサポートする部門は当然必要です。
■□■ 企画プロセスでは何をする ■□■
一般的な企画プロセスでの業務は以下のようなものです。
(1)商品企画
顧客が何を求めているかを調査し、新規製品及びサービスを提案したり、既存の製品
及びサービスを改良する業務です。複数のアイデアの中から最終企画を決定し価格
設定や仕様、販売コスト、販売戦略などと合わせて企画書にまとめて提案します。
(2)営業企画
製品及びサービスが売れる仕組みを考え、具体的な販売戦略を立案し実行します。
販促物考案、営業資料作成などを作成します。
(3)販売促進
商品企画で実現した製品及びサービスをどんな風に売り出すのか、販売戦略を考え
ます。
(4)広報・PR
新しい製品及びサービスを世に広める業務です。製品及びサービスのコンセプトや
ターゲット層、消費者に伝えたいこと、キャッチコピー、広告の予算などPR活動
を行います。マスメディア、広告業界との関係性も強化します。
■□■ Afterコロナでは ■□■
新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されても元の世界に戻るには時間が必要だと
言われています。もしかすると、元の世界に戻らないかもしれません。世界の識者には
V字回復にはならずL字回復になるという人が多いようです。
私も何となくそのような気がします。しかし、経済界、学校教育、医療現場、スポーツ界、
イベント、日常生活などはこの3か月の間に多くの新しい体験をしました。中には今まで
食わず嫌いであったことが意外といけるのではないかとの発見もあったのではないで
しょうか。
企画プロセスで今後行うべきターゲットを改めて分析、評価、そして社内で共有化、
明確にしておくことが、診断の第一歩ではないかと考えます。