個人の行う活動7_内部診断と内部監査35 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.294 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ― 
*** 個人の行う活動7_内部診断と内部監査35 ***
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前回に続き内部診断と内部監査について、個人の行う活動について
お話しします。今回はその7になります。前回は個人業務のミスに
ついて、その対応には排除、代替化、容易化があるとお話ししまし
たが、今回はその続きになります。

■□■ 未然防止 ■□■
なにか頭に当たっても怪我しないようにヘルメットをかぶる等は、
起こってしまったミスに対しての防止として行われています。品
質トラブルや事故が起きてから原因となるミスを防止するよりも、
起きないようにする、起きることを想定して対策を打っておくこ
とが効果的です。
ミスが起きないようにする、起きても影響がないようにすること
は、異常検出、影響緩和として前回お話ししましたが、今回は一
歩進めて未然防止のアプローチを考えてみましょう。
未然防止のツールの一つにFMEA(失敗モード影響解析)があ
ります。

■□■ 業務FMEA ■□■
業務FMEAの一例を示します。
1) 業務をその流れに沿って適当な大きさの要素に区分する。
2) 要素ごとに起こり得る総ての業務ミスを列挙する。
3) 列挙された業務ミスごとに発生頻度や致命度を評価する。
4) 対策の必要な業務ミスに対して適切な対策(排除、代替化、
  容易化、異常検出、影響緩和)を実施する。

上記手順に沿って現行の業務方法を分析・改善することが未然防止
に繋がります。業務FMEAの効果的な適用のためには、業務を適
切な大きさに区分すること、従来経験したミスの事例を分類して失
敗モードをまとめておくことが重要になります。

■□■ エラープルーフ化 ■□■
人のミスをヒュ-マンエラ-と呼びますが、293号で述べた人の排
除、人の代替化、業務容易化などを含む、計画段階からのエラー防
止を「エラープルーフ」と言います。
エラープルーフ化を組織的に推進する上での注意すべき点は内部診
断のポイントになります。以下にその例を掲げます。

1.業務ミスは業務者個人の問題でなく、プロセスの設計と密接に
  関係する管理上の問題であることを管理者を含めた職場の全員
  が理解する。
2.エラープルーフ化による業務ミス防止の成功例を作る(このこ
  とが皆の理解増進に一番役立つ)。
3.業務ミスに起因する品質トラブルや事故の原因調査を行い、業
  務方法の悪さを解析する。
4.エラープルーフ化の具体的な実現方法に関する技術教育を行う。
5.職場又はミスの種類別に分類したエラープルーフ化事例集を作
  成する。
6.エラープルーフ化の実施件数に関する目標を設定したり、優秀
  なエラープルーフ化事例の発表会を開催する。