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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.297 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** ナラティブ内部監査1 ***
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40回にわたって内部診断と内部監査のポイント、即ち何を診断
するのか、何を監査するのかをお話ししてきましたが、どのよ
うに行うのかについては触れてきませんでした。
今回からは内部監査に焦点を当てて今年1月のテクノファ年次
フォーラムでお話しした「ナラティブ内部監査」について発信
していきたいと思います。
■□■ ナラティブ内部監査の目的 ■□■
ナラティブ内部監査は私が名付けた内部監査のことで、次の目
的で行うものです。
<ナラティブ内部監査の目的>
「内部監査で発見した事項(不適合、観察事項、気づき)を問
題解決し、そして改善し、将来は革新にまで繋げる。」
何だ!今までとそう変わるものではないと思われるかもしれま
せんが、共通テキストと呼ばれる附属書SL箇条9.2には次の
要求があります。
<9.2 内部監査>
組織は,XXX マネジメントシステムが次の状況にあるか否かに
関する情報を提供するために,あらかじめ定めた間隔で内部監
査を実施しなければならない。
a) 次の事項に適合している。
- XXXマネジメントシステムに関して,組織自体が規定し
た要求事項
- この規格の要求事項
b) 有効に実施され,維持されている。
■□■ 有効に実施され・・・ ■□■
ナラティブ内部監査は箇条9.2のb)に焦点を当てます。すなわ
ち、内部監査で「有効に実施されている」ことに焦点を当てて、
不適合、観察事項、気づき事項を問題解決し、改善し、できれ
ば革新にまで繋げることを目的にしています。どのように行っ
てその目的を達成させるのかが「つなげるツボ」の今回のテー
マです。
当然のことですが、「a) 適合している」ことを確認することは
内部監査では必須なことです。しかし、適合性を確認するだけ
では有効な活動であるとはいえません。内部監査活動の中で発
見された課題(不適合、観察事項、気づき事項など)を問題解
決し、さらに改善につながるようにするためには、そのための
戦略が必要です。
■□■ ナラティブ内部監査の戦略 ■□■
どんな戦略を考え、どのように実行すれば有効的な内部監査が
出来るのでしょうか。ナラティブ内部監査はそのための戦略を
総合的に内包したスキームです。ナラティブ内部監査の実行は
5つのステップに分かれます。組織によっては、すでに第1ス
テップは出来ている、あるいは一部出来ているというところも
あれば、第2ステップ迄出来ているというところもあるかもし
れません。逆に第1ステップから始めなければならない組織も
多いでしょう。
・第1ステップ
今行っている内部監査をレビューする。
・第2ステップ
どのような内部監査を行いたいか、行うべきかを組織内で
コンセンサスを得る。
・第3ステップ
内部監査員、被監査者の共同作業の基盤を作る。
・第4ステップ
発見された課題(不適合、観察事項、気づき事項)などを
問題解決する。
・第5ステップ
問題解決したことを水平展開、歯止めして改善する。さら
に、改善したことを革新へのインプットにする。
次回はナラティブの名前の由来についてお話しします。