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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.373 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** SDGインパクト基準26 ***
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2015年に発表された国連「SDGsアジェンダ」についてお話をして
います。
SDGsとは、
“Sustainable Development Goals”の略で、「持続可能な開発」
と日本語訳されています。
今回は目標17です。
■■ SDGsのターゲット ■■
ここまでSDGsの16目標について、私なりの説明をさせていただい
てきました。実は17の目標の下には169のターゲットがあります。
ターゲットとは具体的な実行項目のことですが、それぞれの17目標
の下に平均して10個くらいの実行項目があるとお考え下さい。
目標1~16までは、私自身が関係していて、興味のあるターゲット
あるいはその中に出てくるキーワードなどを選んでお話をしてきまし
た。企業においても同様で、目標17の中から関係するものを選び、
かつターゲットの中からも関係するものに焦点を当てることがよいと
思います。
今回はSDGs17の目標の最後になりますので、目標17については
ターゲットまでお示ししたいと思います(目標17のターゲットは19
項目もあります)。出典(日本語訳)は外務省のホームページからです。
少々硬い文章で、出てくる用語も日常使用していないものもあり、退
屈かもしれませんが、SDGs17の目標の構造を知っていただくために
掲げます。
■■ 目標17 パートナ―シップ ■■
目標 17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・
パートナーシップを活性化する。
<資金>
17.1 課税及び徴税能力の向上のため、開発途上国への国際的な支援
なども通じて、国内 資源の動員を強化する。
17.2 先進国は、開発途上国に対する ODA を GNI 比 0.7%に、後
発開発途上国に対する ODA を GNI 比 0.15~0.20%にするという
目標を達成するとの多くの国によるコミットメ ントを含む ODA に
係るコミットメントを完全に実施する。ODA 供与国が、少なくとも
GNI 比 0.20%の ODA を後発開発途上国に供与するという目標の設
定を検討することを奨励する。
17.3 複数の財源から、開発途上国のための追加的資金源を動員する。
17.4 必要に応じた負債による資金調達、債務救済及び債務再編の促
進を目的とした協調的な政策により、開発途上国の長期的な債務の
持続可能性の実現を支援し、重債務貧困国(HIPC)の対外債務への
対応により債務リスクを軽減する。
17.5 後発開発途上国のための投資促進枠組みを導入及び実施する。
<技術>
17.6 科学技術イノベーション(STI)及びこれらへのアクセスに関
する南北協力、南南協力及び地域的・国際的な三角協力を向上させ
る。
また、国連レベルをはじめとする 既存のメカニズム間の調整改善や、
全世界的な技術促進メカニズムなどを通じて、相互に合意した条件
において知識共有を進める。 17.7 開発途上国に対し、譲許的・特
恵的条件などの相互に合意した有利な条件の下で、環境に配慮した
技術の開発、移転、普及及び拡散を促進する。
17.8 2017 年までに、後発開発途上国のための技術バンク及び科学
技術イノベーション能力構築メカニズムを完全運用させ、情報通信
技術(ICT)をはじめとする実現技術の利用を強化する。
<能力構築>
17.9 すべての持続可能な開発目標を実施するための国家計画を支援
するべく、南北協力、南南協力及び三角協力などを通じて、開発途
上国における効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際
的な支援を強化する。
<貿易>
17.10 ドーハ・ラウンド(DDA)交渉の結果を含めた WTO の下で
の普遍的でルールに基づいた、差別的でない、公平な多角的貿易体
制を促進する。
17.11 開発途上国による輸出を大幅に増加させ、特に 2020 年まで
に世界の輸出に占める 後発開発途上国のシェアを倍増させる。
17.12 後発開発途上国からの輸入に対する特恵的な原産地規則が透
明で簡略的かつ市場アクセスの円滑化に寄与するものとなるように
することを含む世界貿易機関(WTO)の決定に矛盾しない形で、す
べての後発開発途上国に対し、永続的な無税・無枠の市 場アクセス
を適時実施する。
<体制面>
政策・制度的整合性
17.13 政策協調や政策の首尾一貫性などを通じて、世界的なマクロ
経済の安定を促進する。
17.14 持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する。
17.15 貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあた
っては、各国の政策空間及びリーダーシップを尊重する。
<マルチステークホルダー・パートナーシップ>
17.16 すべての国々、特に開発途上国での持続可能な開発目標の達
成を支援すべく、知識、専門的知見、技術及び資金源を動員、共有
するマルチステークホルダー・パートナーシップによって補完しつ
つ、持続可能な開発のためのグローバル・パートナーシップを強化
する。
17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、
効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進す
る。
<データ、モニタリング、説明責任>
17.18 2020 年までに、後発開発途上国及び小島嶼開発途上国を含
む開発途上国に対する能力構築支援を強化し、所得、性別、年齢、
人種、民族、居住資格、障害、地理的位置 及びその他各国事情に
関連する特性別の質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非 集計
型データの入手可能性を向上させる。
17.19 2030 年までに、持続可能な開発の進捗状況を測る GDP 以
外の尺度を開発する既存の取組を更に前進させ、開発途上国におけ
る統計に関する能力構築を支援する。
■■ 最後にお詫びを ■■
今回のSDGsシリーズでの目的は表題にありますように「SDGイン
パクト基準」の解説でした。しかし、その前提となるSDGs17の目
標の説明を始めたところ、当初思っていたより多くの回数を重ねる
結果となりました。
国連(正確にはUNDP)では、SDG認証を計画しています。
その基準になるのがSDG インパクト基準ですが、これはこれでま
た20回程度回数を重ねることになりそうですし、認証制度の全貌
もこれから発表される予定と聞いていますので、一旦SDGから離
れて、次回からは品質不祥事についてあれこれ気の向くまま綴っ
ていこうと思います。