ロンドン物語3 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.425 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
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*** ロンドン物語3 ***
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英国への入国審査が大きく変わりました。今までは(直近で訪問し
たのはコロナ前2018年でした)入国するのに1時間くらい待って、
係官の質問に答えてスタンプをパスポートに押してもらってやっと
入国するというような状況でした。

■■ 入国審査の列の変更 ■■
正確に数を数えたわけではありませんが、英国にはこれまで(1985
年~)30回以上訪問しているのではないかと思います。
2018年までは入国時においては、英国人とEU国の人が同じ列、
我々日本人を含む海外の人は別の列で、どちらかというと外国人の
列(我々)の方が長く、したがって時間がかかり、もう少し早く審
査できないのか苦情を言いたい気持ちでした。
それが一転して今回の入国では約20分で英国に入ることができま
した。その理由の一つが我々日本人は英国人と同じ列に並ぶように
なったことです。どうしてか理由は知りませんが(たぶんEU離脱
のため?)、EUの人達は別の列でした。

■■ 無人で顔認証のチェック ■■
入国審査の時間短縮の主な要因は、無人の入国審査にありました。
従来は、20か所くらいあるブースにいる審査官が、「何のために来
たのか」、「どこへ行くのか」、「何日くらい滞在するのか」など
2,3の質問を英語でしてきました。慣れないうちは答えがしどろも
どろ、発音がよくないため審査官が聞き返してくる、親切な審査官
は逆にたどたどしい日本語で質問してくるなど、悲喜こもごもの展
開があちこちでなされていました。この入国審査のための時間が今
回0時間になりました。代わりにブースに立つと無人カメラが入国
者の顔を映し、パスポート顔写真と一致するかどうかをチェックす
る仕組みが導入されていました。時々ブースにいる入国者が20m
位離れたHelp Deskへ行く姿が見られましたが、たぶんパスポート
写真の映りが悪かったのではないかと勝手に想像しています。

■■ スタンプは押されない ■■
ところで旅行の記録として楽しみであったパスポートへの入国スタ
ンプ、そして出国スタンプが押されなくなりました。これは世界の
国すべてなのか、英国だけなのかわかりませんが、日本の入出国も
原則スタンプなしとなったようです。今回日本出国時に「スタンプ
つきますか」と聞かれたので「はい」と答えて私のパスポートには
日本の入出国スタンプが押されていますが、今までに無い質問で、
疑問に思っていました。どうやら、日本も英国にならって原則入出
国スタンプ無しとしたようです。
ということで、思い出したのが33年前、まだ私が英国に駐在して
いたころ、英国人部下の一人が「パスポートの多くのページは真っ
白だ」と言って見せてくれたことを思い出しました。彼のパスポー
トには開発途上国のスタンプはありましたが、多くいっているはず
の欧州各国のスタンプが一つもありませんでした。これはたぶん
EUの中はパスポートコントロールがなかったのだと、今になって
思います。