品質経営を考える2 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.460 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** 品質経営を考える2 ***
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世の中の経営トップは、当然のことですが事業業績の向上に経営
目標を置いています。この経営目標を達成するうえで、安全は絶
対的なもので事故は決して起こしてはいけません。加えて法令違
反も起こしてはいけません。しかし、法令違反とはならなくても
社会の規範、多くの人がそうであると考える行動規範に沿うこと
も社会的存在を主張する企業のあるべき姿です。世界には企業の
行動規範と呼ばれるものは幾つもありますが、それにどの程度従
うのかは企業に任されています。

■■ CGコードとは ■■ 
なぜ、CGコードは出来てからまだ10年だというのに、上場企
業の日常業務に絶大な影響力を持っているのでしょうか。それは
いろいろある企業行動規範の中で、CGコードが上場企業のアキ
レス腱を握っているからだと思います。上場企業のアキレス腱と
は、株主総会に上程した議案が否認されることですが、この上程
議案は株主の投票によって決定されます。上場企業の株主数は通
常万に近いか万を超えていますので、株主総会を開く企業には上
程した議案が多数を得るのかは心配になるところです。数年前、
ある有名企業の役員任命の議案が50%ギリギリで通過したこと
があり、マスコミでも大きく取り上げられました。
このときマスコミで報道されたニュースの中に、議決権行使助言
会社の存在がありました。前回も触れました、ISSとグラス・ル
イスという米国の2社ですが、この2社は日本はじめ先進国の多
くに拠点を持っており影響力ある助言をすると言われています。
彼らが助言をする基準の一つがCGコードです。
(図CGコード)

では、CGコードの内容についてこれから説明をしていきます。

■■ CGコード全体の構成 ■■
CGコードは、金融庁/東証(日本取引所グループ)によって運用
されていますが、法律ではないので強制力はありません。会社が、
株主をはじめ顧客・従業員・地域社会などの立場を踏まえたうえ
で、透明・構成かつ迅速・果敢な意思決定を行うための仕組みです。
(図CGコード全体の構成)
赤色で囲んだところは品質経営に直接関係する重要なところです。
次回か、次々回に説明いたします。

■■ CGコードは5章構成 ■■
CGコードは5章構成になっています。2021年に改正された最新
版の章構成は以下の通りです。
 第1章 株主の権利・平等性の確保
 第2章 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
 第3章 適切な情報公開と透明性の確保
 第4章 取締役会等の責務
 第5章 株主との対話
次回から、各章の説明をしていきます。

(つづく)