品質経営を考える3 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.461 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
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*** 品質経営を考える3 ***
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CG(コーポレートガバナンス)コードは、金融庁/東証(日本取
引所グループ)によって運用されていますが、法律ではないので
強制力はありません。会社が、株主をはじめ顧客・従業員・地域
社会などの立場を踏まえたうえで、透明・構成かつ迅速・果敢な
意思決定を行うための仕組みです。全部で5章構成の比較的短い
文書です。

■■ CGコード第1章 ■■

「第1章 株主の権利・平等性の確保
【基本原則1】
上場会社は、株主の権利が実質的に確保されるよう適切な対応
を行うとともに、株主がその権利を適切に行使することができる
環境の整備を行うべきである。また、上場会社は、株主の実質的
な平等性を確保すべきである。
少数株主や外国人株主については、株主の権利の実質的な確保、
権利行使に係る環境や実質的な平等性の確保に課題や懸念が生じ
やすい面があることから、十分に配慮を行うべきである。
【原則1-1】(株主の権利の確保)
上場会社は、株主総会における議決権をはじめとする株主の権
利が実質的に確保されるよう、適切な対応を行うべきである。
【補充原則1-1-(1)】
取締役会は、株主総会において可決には至ったものの相当数の
反対票が投じられた会社提案議案があったと認めるときは、反対
の理由や反対票が多くなった原因の分析を行い、株主との対話そ
の他の対応の要否について検討を行うべきである。
【補充原則1-1-(2)】
上場会社は、株主総会決議事項の一部を取締役会に委任するよう
株主総会に提案するに当たっては、自らの取締役会においてコー
ポレートガバナンスに関する役割・責務を十分に果たし得るよう
な体制が整っているか否かを考慮すべきである。他方で、上場会
社において、そうした体制がしっかりと整っていると判断する
場合には、上記の提案を行うことが、経営判断の機動性・専門性
の確保の観点から望ましい場合があることを考慮に入れるべきで
ある。
【補充原則1-1-(3)】
上場会社は、株主の権利の重要性を踏まえ、その権利行使を事
実上妨げることのないよう配慮すべきである。とりわけ、少数株
主にも認められている上場会社及びその役員に対する特別な権利
(違法行為の差止めや代表訴訟提起に係る権利等)については、
その権利行使の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、
十分に配慮を行うべきである。

引用 nlsgeu000005lne9.pdf (jpx.co.jp)

■■ CGコード第1章原則の解説 ■■
【原則1-1】(株主の権利の確保)
上場会社は、株主総会における議決権をはじめとする株主の権
利が実質的に確保されるよう、適切な対応を行うべきである。
【解説】
株主への情報公開を意図している。例えば、Timely Disclosure
network(TDnet):東京証券取引所が運営する適時開示情報ネッ
トワーク)で、企業の状況開示を迅速に行うとか、株主総会の招
集通知の早期開示、関連する書面の早期発送などを行う。

【補充原則1-1-(1)】
取締役会は、株主総会において可決には至ったものの相当数の
反対票が投じられた会社提案議案があったと認めるときは、反対
の理由や反対票が多くなった原因の分析を行い、株主との対話そ
の他の対応の要否について検討を行うべきである。
【解説】
株主総会において相当数(20%前後)の反対票が投じられた場合
には、その原因を分析し、分析した結果を株主に公表する。

【補充原則1-1-(2)】
上場会社は、株主総会決議事項の一部を取締役会に委任するよう
株主総会に提案するに当たっては、自らの取締役会においてコー
ポレートガバナンスに関する役割・責務を十分に果たし得るよ
うな体制が整っているか否かを考慮すべきである。他方で、上場
会社において、そうした体制がしっかりと整っていると判断する
場合には、上記の提案を行うことが、経営判断の機動性・専門性
の確保の観点から望ましい場合があることを考慮に入れるべきで
ある。
【解説】
「自らの取締役会においてコーポレートガバナンスに関する役割・
責務を十分に果たし得るような体制」とは次のような例があげら
れる。
(1)各取締役がCGコードを理解し、行動規範に沿って活動する
ことの規定の作成
(2)各取締役の担当執行状況を取締役会で報告することの規定の
作成
(3)上記規定には重要事項報告内容及び報告頻度、時期を明記
(4)取締役会における各取締役間の良好なコミュニケーションと
相互牽制の実施
(5)監査役会の各取締役の執行状況の確認
(6)社外取締役の各取締役の執行状況の確認

【補充原則1-1-(3)】
上場会社は、株主の権利の重要性を踏まえ、その権利行使を事
実上妨げることのないよう配慮すべきである。とりわけ、少数株
主にも認められている上場会社及びその役員に対する特別な権利
(違法行為の差止めや代表訴訟提起に係る権利等)については、
その権利行使の確保に課題や懸念が生じやすい面があることから、
十分に配慮を行うべきである。
【解説】
株主から関係書類の閲覧要求があって場合には原則応じるし、株
主からのその他要求については、法令に従って対応する。
(つづく)