ISO9001キーワード 維持する2 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.474 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
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*** ISO9001キーワード 維持する2 ***
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ISO9001の要求事項には「維持する」ことが何十も出てきます。これだけの
「維持する」ことを毎日の業務の中で行わなければ事業の効果的な運営はで
きませんし、9001を満足させたことにもなりません。今回はA,B,Cについて
お話しします。
 A:あたりまえのことを
 B:バカにしないで
 C:ちゃんとやる

■■ PDCAのどれが最も重要か ■■
以下は飯塚先生(東京大学名誉教授)からうかがった話です。
先生から「PDCAのうち最も重要なのはどれか?」ということを質問された
ことがあります。
皆さんははどう思われるでしょうか。Plan,Do,Check,Actのいずれが欠
けてもまずいし,いずれもそれぞれに重要なので,どれか一つだけ選ぶとな
ると難しいことでしょう。 P(Plan)あるいはA(Act)と答える方が多いよ
うですが、たぶん最も少数派の「“Do”ではないか」と先生はおっしゃいます。

目的達成に必須のこと,それはどんなに「まずい」ことでも,とにかく実施す
ることで,これが基本だろうということです。やらなければ何も始まりません。
昔から多くの人が,仕事をしなさいと言われて,とにかくDo-Do-Doでやっ
てきました。Pにしろ,Aにしろ,またCにしろ,それはみなDo-Do-Doを
もっと価値あるものにするための活動といえます。

Doが基本であって,そのDを有効で効率的なものにするために,P,C,Aが
あるとはいえ,Pの重要さはどんなに強調してもし過ぎることはないとの反論
が聞こえてきます。「実行力は重要だが,P抜きとか,貧相なPでは,単なる
バカだ!」との声も聞こえてきます。いや,大いに結構です。PDCAの意味を
再度よく考えていただければ,幸いです。

■■ 賢者の愚直  ■■
さてここで,Doの重要性について強調したいのですが、飯塚先生が強調するの
は「賢者の愚直」すなわち「ABCのすすめ」です。以下は先生のメルマガから
の転載です。

ABCとは,「(A:あ)当たり前のことを,(B:ば)バカにしないで,(C:ち)
ちゃんとやる」という意味です。
その通りできる人を「賢者」と呼びたいし,こういう方々の行動様式を「賢者
の愚直」と言いたいと思います。
・正しいことを,“愚直”に継続的に行うことができる
ということです。そもそも「頭が良い」ということの意味を議論したとき,出
発点になったのが「我慢できる。継続できる」ということでした。そして,そ
のために必要なこととして「目的志向」や「因果関係・目的手段関係の理解」
を挙げていましたが,その原点に戻る感じです。
Pの根拠を知り,愚直にDができる,その思考行動様式が「賢者の愚直」であ
ると言いたいのです。
「頭が良い」ということを話題にし,品質マネジメントをマジメにやると頭が
良くなると言ったことがあります。そのときは,以下の3項目を挙げました。
・目的が分かる,目的志向の思考と行動ができる
・因果関係,目的手段関係が分かる
・ことの本質,何が重要か分かる
これに加えたいのが「賢者の愚直」すなわち「ABCのすすめ」です。

(つづく)