Author Archives: 良人平林

個人の行う活動4_内部診断と内部監査32 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.291 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ― 
*** 個人の行う活動4_内部診断と内部監査32 ***
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明けましておめでとうございます。令和3年最初のつなげるツボ
をお送りします。本年もよろしくお願いします。前回に続き内部
診断と内部監査についてです。コロナ禍がつづく中で組織の足元
を見直そうとの考えで内部診断と内部監査のポイントを紹介して
います。今回は個人の行う活動についての4回目になります。

■□■ 標準書 ■□■
前々回、技術標準のお話をしましたが、標準書を作っただけでは、
それに従った業務が行なわれるわけではありません。業務を行う
担当者に標準書の内容を理解してもらい、実際に業務ができるよ
うになってもらう教育訓練を行なわなければなりません。教育訓
練は標準書を作る際に行ったプロセス解析を含め、標準内容、業
務の目的理解、そして動機付けが十分に行なわれることが大切で
す。このようなことが適切に行われて初めて本当の意味の標準化
ができます。

時が経つと、標準書の内容を担当者が「知らない」ということが
起きますが、これは教育が継続的に行われていないことの現れで
す。知識の伝達は比較的容易ですが、スキルの伝達は教えること
が継続して実践されないと、十分に継承することができません。

■□■ 作業標準書 ■□■
労働流動化が顕著になってから30年ほど経ちますが、かって日
本の強みであると言われていた以心伝心、先輩の背中を見て仕事
を覚えるというようなことはもはや期待できません。担当者が変
わっても同じ品質の仕事ができる仕組みを整えておかなければな
りません。知識、スキルを教え継承するためには、教えるべきこ
と及び教えた後のフォロー事項などを整理し、どのような時にど
のような方法でどんな人に教育・訓練を行うかの仕組みを確立し
ておく要があります。担当者が最低限理解していなければならな
い事項には次のようなことがあります。

■□■ 診断のポイント ■□■
担当者には業務を推進する上で最低限理解していなければならない
事項がありますが、これらはすなわち診断のポイントになります。
1.業務達成状況を確認する方法
2.業務が要求に適合していないことが分かった場合に、プロ
  セスを調整する方法
3.業務内容に関して標準書の見方
4.標準書に書かれていないが必要な事項
5.業務結果が後工程に与える影響
6.担当者の継続的教育訓練など

■□■ 業務品質のフォロー ■□■
担当者が標準書通りに業務を実施できないのは、知識及びスキルに
問題があるからです。特にスキルに関しては、標準書に基づいた訓
練を行っても標準通りに業務を行えない場合が多々あります。業務
の内容にもよりますが、教育訓練の最終的な狙いは業務レベルの維
持にありますので、既に業務に付いている人でもフォローが必要で
す。例えば、接客業務、付帯サービス業務、設備点検、溶接作業、
造園作業、塗装作業などのように、人が業務の品質を作り出すよう
な仕事では文章で技能を書き表せないので、定期的に決められた評
価をする必要があります。個人一人ひとりの技能の現状を評価し、
それに基づく教育訓練の実施が必要となります。
(参考)
ISO共通テキスト(附属書SL) 
7.2 力量
組織は,次の事項を行わなければならない。
-組織のXXXパフォーマンスに影響を与える業務をその管理下で行
 う人(又は人々)に必要な力量を決定する。
-適切な教育,訓練又は経験に基づいて,それらの人々が力量を備
 えていることを確実にする。
-該当する場合には,必ず,必要な力量を身に付けるための処置を
 とり,とった処置の有効性を評価する。
-力量の証拠として,適切な文書化した情報を保持する。
注記 適用される処置には,例えば,現在雇用している人々に対する,
教育訓練の提供,指導の実施,配置転換の実施などがあり,また,
力量を備えた人々の雇用,そうした人々との契約締結などもあり得る。

個人の行う活動3_内部診断と内部監査31 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.290 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** 個人の行う活動3_内部診断と内部監査31 ***
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コロナ禍における内部診断のお話しをしています。今回は個人の行う
仕事に焦点を当てます。組織のパフォーマンスは個人のパフォーマン
スの集積と言えます。総ての個人のパフォーマンスが向上すれば組織
が受ける便益はとてつもなく大きなものになるでしょう。今回の内部
診断は個人活動に対するチェックポイントを考えたいと思います。

■□■  人々の積極的な参加 ■□■
すべての人は,程度,形の相違はあれ自己実現の達成を望んで
います。
組織において自己実現を達成するには、人々が積極的に組織の活動に
参加することが望まれます。そのためには,個人と組織の関係の円滑
化,すなわち個と組織のWin-Winの関係(共生関係)作りが重要です。
人々はそれぞれの価値観をもち,したいことがあり、その実現のため
に組織に集い,組織目的を達成するために体系的な活動をします。この
とき生じる様々な矛盾,考え方の相違を克服し,人々と組織が価値観
を共有できるような経営ができるとその組織は栄えます。

■□■  ISO9000:2015 ■□■
ISO9000:2015の箇条2.3.3.1「人々の積極的参加」では、次のように
説明しています。

組織内の全ての階層にいる,力量があり権限を与えられ,積極的に参
加する人々が,価値を創造し提供する組織の実現能力を強化するため
に積極的な参加は必須である。
組織を効果的かつ効率的にマネジメントするためには,組織の全ての
階層の全ての人々を尊重し,それらの人々の参加を促すことが重要で
ある。貢献を認め,権限を与え,力量を向上させることによって,組
織の品質目標達成への人々の積極的な参加が促進される。

■□■  人々の積極的な参加の効果 ■□■
次もISO9000からの引用です。

人々の積極的な参加による組織への効果は次のようなものがあり得る。
- 組織の品質目標に対する組織の人々の理解の向上,及びそれを達成
  するための意欲の向上
- 改善活動における人々の参画の増大
- 個人の成長,主導性及び創造性の強化
- 人々の満足の増大
- 組織全体における信頼及び協力の増大
- 組織全体における共通の価値基準及び文化に対する注目の高まり

■□■ 人々が積極的に参加するためには ■□■
次もISO9000:2015からの引用です。

人々が積極的に参加するために、組織は次のような行動を取ることがよい。
- 各人の貢献の重要性の理解を促進するために,人々とコミュニケー
  ションを行う。
- 組織全体で協力を促進する。
- オープンな議論,並びに知識及び経験の共有を促す。
- 人々が,パフォーマンスに関わる制約条件を明確にし,恐れることなく
  率先して行動できるよう,権限を与える。
- 人々の貢献,学習及び向上を認め,褒める。
- 個人の目標に対するパフォーマンスの自己評価を可能にする。
- 人々の満足を評価し,その結果を伝達し,適切な処置をとるための調査
  を行う。

■□■ 組織風土の診断 ■□■
内部診断で人々の満足を把握することをお勧めします。ISO9000から導かれる
診断ポイントは次の通りです。
・人々は価値を創造している。
・実現能力を強化するために積極的に参加している。
・全ての階層の全ての人々を尊重している。
・人々の貢献を認めている。
・権限を与えている。
・力量を向上させている。

個人の行う活動2_内部診断と内部監査30 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.289 ■□■
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*** 個人の行う活動2_内部診断と内部監査30 ***
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コロナ禍における内部診断のお話をしています。前回から個人
の行う仕事に焦点を当てています。組織のパフォーマンスは個人
のパフォーマンスの集積と言えます。総ての個人のパフォーマン
スが向上すれば組織が受ける便益は大変大きなものになります。
今回も個人活動に対する内部診断のチェックポイントを考えた
いと思います。

■□■ 内部診断 技術の視点 ■□■
どんなに優れたマネジメントシステムがあっても個人が正しく
行動しないと業績の向上につながりません。特に個人に内在す
る知識、技術、技能は重要であり、これらが不十分ですとせっ
かくのマネジメントシステムも生きてきません。組織を構成す
る人々に対して、必要な知識の習得と技術及び技能の保有のシ
ステムを内部診断で確認しましょう。
品質保証の車の両輪と言われるものは、管理と技術です。前回
は管理特についてお話しをしましたが、今回は技術について内
部診断の視点を考えてみたいと思います。

■□■ 技術の標準化 ■□■
技術は、組織にとって持続的存在のための生命線に位置付けら
れます。組織の製品・サービスの核心にある技術は「固有技術」
と称され、可視化(標準書、手順書など)され最大の注意を
払って組織内部に保管管理されます。
技術標準書類については、以下のような3つの使途をポイント
として内部診断すると良いと思います。
 (1)オリジナル用
 (2)教育・訓練用
 (3)現場活用用
(1)オリジナル用は、製品・サービスに関する総ての知財を組織
的に蓄積する目的で作成します。

(2)教育・訓練用は新人の教育訓練に使用する目的で、オリジナ
ル用から対象者業務範囲に応じて必要な項目を選んで作成した
入門編です。対象者業務範囲とは、企画、営業、設計、技術、
調達、製造、品証などの組織の機能を言います。
教育・訓練用は初めての人にも分かるようにできるだけ丁寧に
記述しますが、組織のノウハウなどは除外します。製品・サー
ビスの着手から完成までを初心者の視点で対象者業務範囲別に
作成します。

(3)現場活用用は、教育・訓練用の中からさらに、対象者業務範
囲別に業務のポイントに焦点を当てて作成します。
例えば、製造ですと加工条件や設備の運転条件などに焦点を当て、
標準作業用に作成することになります。
現場活用用は作業のポイントが一見して分かることが大切です。
どの程度詳しく記述するかですが、使用する従業員の教育・訓練
のレベル程度によって異なり、ポイントを絞れば絞るほど教育・
訓練の必要性が高まります。

■□■ 技術標準書の作成のチェックポイント ■□■
技術標準書は原則現状をそのまま作成しますが、業務が一定の
安定度に達したと思える時期に作成します。技術標準書には次
の2つのタイプがあります。
(1)知的財産として残す技術標準書
(2)現行業務の技術標準書

今回議論している技術標準書は後者ですが、(2)においては、標
準書を最新化するという重要な業務が残ります。技術標準書を改訂
する仕組みを確立しておくことが大切です。

■□■  個人用手順書(技術)の診断 ■□■
製品・サービスの品質保証に関する個人用標準書に関しての診断ポ
イントには次のようなものがあります。
1. 標準書は、製品・サービス品質に影響を与えるものをカバーし
ているか。
2.製品・サービス品質に関する評価方法と判断基準が示されているか。
3.問題発生時の応急処置が示されているか。
4.実施可能な標準になっているか。
5.Industrial Engineering(IE)の面からみて適切か。
6.標準書の間に矛盾はないか。
7.標準の実施者、および標準の改訂者は明確になっているか。
8.現場の知恵が入っているか(経験豊かな現場の班長・組長などの知恵)。

個人の行う活動_内部診断と内部監査29 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.288 ■□■
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*** 個人の行う活動_内部診断と内部監査29 ***
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コロナ禍における内部診断のお話しをしています。今回は個人の行う
仕事に焦点を当てます。組織のパフォーマンスは個人のパフォーマン
スの集積と言えます。総ての個人のパフォーマンスが向上すれば組織
が受ける便益はとてつもなく大きなものになるでしょう。今回の内部
診断は個人活動に対するチェックポイントを考えたいと思います。

■□■ 個人の能力発揮 ■□■
「適材適所」と言う言葉があります。人は,自分の興味の持てる仕事に
就くと最大の能力を発揮すると言われています。
ISO9000でも箇条2.3.3「人々の積極的参加」を品質マネジメントの7原
則の一つに位置付けしています。

以下は「人々の積極的参加」からの抜粋です。
組織を効果的かつ効率的にマネジメントするためには,組織の全ての階
層の全ての人々を尊重し,それらの人々の参加を促すことが重要である。
貢献を認め,権限を与え,力量を向上させることによって,組織の品質
目標達成への人々の積極的な参加が促進される。

■□■ 適材適所の効果 ■□■
ISO9000では、適材適所の効果を次のように説明しています。
- 組織の品質目標に対する組織の人々の理解の向上,及びそれ
  を達成するための意欲の向上
- 改善活動における人々の参画の増大
- 個人の成長,主導性及び創造性の強化
- 人々の満足の増大
- 組織全体における信頼及び協力の増大
- 組織全体における共通の価値基準及び文化に対する注目の高さ

■□■ 内部診断視点の1 ■□■
人々に対して取り得る行動は、次に書かれたようなものであると幾つか
の提案をしています。個人を対象に次のような行動を組織が取っている
か、内部診断で確認してみましょう。
- 各人の貢献の重要性の理解を促進するために,人々とコミュニケー
  ションを行う。
- 組織全体で協力を促進する。
- オープンな議論,並びに知識及び経験の共有を促す。
- 人々が,パフォーマンスに関わる制約条件を明確にし,恐れることなく
  率先して行動できるよう,権限を与える。
- 人々の貢献,学習及び向上を認め,褒める。
- 個人の目標に対するパフォーマンスの自己評価を可能にする。
- 人々の満足を評価し,その結果を伝達し,適切な処置をとる。

■□■ 内部診断視点の2 ■□■
良い製品・サービスを提供するためには,なんと言っても製品・サービス
に固有の技術が必要です。でもそれだけではダメで,固有技術を生かすマ
ネジメントが重要です。マネジメントの一つに個人の仕事の手順(書)の
管理があります。

手順(書)は最新のものになっていなければなりませんし、全員が決めら
れたことを守らなければなりません。そのためには、実際の仕事のやり方
を第一線の担当者から聴取し、その標準化を図っていくことが大切です。
組織の規模が大きい場合には、手順(書)の数は膨大なものになります。
しかも、担当者は複数の業務を行っているのが普通です。手順(書)の目
的は、これらの複数の業務を安定して行うことであり、手順(書)どおり
仕事を行えば狙い通りの結果が得られるようにしておくことです。

■□■ 手順(書)のチェックポイント ■□■
手順(書)に関しては、次のようなチェックポイントがあります。
1)手順の対象となる業務は無数といっていい程あるので、結果として
 製品(及びサービス)品質に影響を与えるものに絞ると同時に、
 影響の大きなものを見落とさないようにしなければならない。
2)各々の担当者が他者との関係においてどのような役割、機能を果た
 しているのか、あるいは果たすべきかを明確にする。この場合、
 担当者が何を使って、何を行っているか、他者に対して何を提供
 しているかという点に着目する。
3)担当者の活動をできるだけ細かく分割した上で、各々のインプット、
 アウトプット、活動内容、責任者などを定義する。
4)インプットやアウトプットの内の重要なものについては、法規、
 規格、計測等について規定したり、適切な記録が残るようにする。
5)異なった活動で類似な活動内容は、可能なかぎり統一を図り標準
 書等に明文化する。
6)活動が予定通りの結果になっているかどうかを判定するための管
 理項目を決める。これらの管理項目は活動ごとに整理し管理項目
 一覧表として整理しておく。
7)もの作り(製造、建設など)においては、手順書作成(日常管理)
 の目的が活動の異常を検出にあり、その原因を取り除くことにあ
 るので、「管理水準」も管理一覧に含むとよい。管理水準は一般
 に次の2つからなる。
  a) 中心値:取るべき値の平均値。
  b) 管理限界:取るべき値の限界値。大きい方を上側管理限界、
    小さい方を下側管理限界という。
8)検出した異常については、その原因を追求する必要があるが、
 活動において通常と異なっていたのは何かを調べることが重要で
 ある。したがって、原因調査を容易にするような情報を有効に記
 録として残る仕組みになっていることがよい。

文書の整理整頓_内部診断と内部監査28 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.287 ■□■
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*** 文書の整理整頓_内部診断と内部監査28 ***
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内部診断における文書の整理整頓の2回目です。前回は一般的な
文書管理についてお話ししましたが、今回はPCに保管されている
電子文書の内部診断についてです。
ISOマネジメントシステムの審査が始まった当初、1995年当時か
ら20年くらいは、文書審査で確認するものは紙に印刷された文書、
それもファイルに綴じられ背表紙に文書名が記されているものでした。
現在はほとんどの企業が文書をPC、それも大容量でかつ従業員が
誰でもアクセスできるサーバーに保管するようになりました。
したがって、審査においては文書ファイルを見るのではなく、サー
バーの画面を見ることが多くなりました。

■□■ サーバー内の文書のラベル名 ■□■
文書はサーバーにフォルダおよびフォルダ内のファイルに保管
されています。
フォルダは更に同一のグループ単位でまとめられているのが通
常です。フォルダには収納されているファイルを代表する名前
(ラベル)が付いていますが、このフォルダに付けられている
ラベルが診断のチェックポイント1です。

  キーワード キーワード例
分類 ○○標準、○○設計プロジェクトなど
部署名 人事部、技術部など
年月 <令和元年〇〇年>
<2020年〇〇年〇〇月>

チェックポイント1
 ・ラベル名は適切か
 ・ラベル名どおりに保管されているか

■□■ サーバー内の文書の保管期間 ■□■
文書の保管期間は文書管理規定で決められたとおりになっている
でしょうか。文書には標準書類と記録類の2種類があります。
1つの文書が標準書と記録の2種類を兼ねている場合もあります。
例えば、外部文書などはそうです。業務の標準になったり、実行し
たことの記録になったりします。

通常、標準書の保管期間は永久です。通常と言ったのは、組織体制
が大きく変更になったり、吸収合併、製品・サービス中止などが起
きますと永久でなくなります。永久でなくなった文書を「保存」
(保管とは違うことに注意)するかどうかは組織の決定です。
また、記録も同様で、通常は保管期間は有期ですが、中には永久保
存というのもあります。記録には法律で保管期間が決まっているも
のもありますので留意しなければなりません。

内部診断のチェックポイント2は保管期間です。
・保管期間は規定通りになっているか。
・保存フォルダは現在使用している使用フォルダと明確に区分さ
れているか。

■□■ サーバー内の文書保存 ■□■
保管と保存は違います。保管は現在使用している文書への対応です
が、使用されなくなったものを管理する場合は保存という言葉を使
います。上述した永久保管でなくなった文書などはここで言う保存
対象になります。
例えば、記録が保管期間を過ぎたが念のため取っておきたい場合は
保存期間を決めて廃却しないことが行われます。開発部、技術部な
どが作成した「技術資料」なども、アーカイブと称して保存してい
るケースがあります。

サーバーは文書ロッカーと違って場所を取りませんので、メモリ容
量の大きくなった現在では無限に近いような保存が可能ですが、保
存にもコストが掛かることには留意しなければなりません。
保管と保存の概念の違いは、文書(記録を含む)を「いつまで使う
のか」と「いつまで取っておくのか」の違いです。

内部診断のチェックポイント3は保存に関しての項目です。
・保管期間の過ぎたものは廃棄されているか、または保存フォル
ダに移動してあるか。
・保存している文書の一覧リストはあるか。