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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.484 ■□■
― ISOマネジメントシステムのテクノファ ―
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** ISO9001キーワード 人々10 (人事評価の課題)***
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■■ 人事評価に関して ■■
結果の評価も人の評価も、評価の概念は単純明快で、組織業務にはいろいろな
ものがありますが、基本は次のようなものです。
(1) 目標を明確に設定する。
(2)リソース (ヒト・モノ・カネ)と時間を配分し、目標達成に向けて遂行
する。
(3)遂行の成果を目標に照らし評価する。
(4)評価をフォローする。
このように評価という概念を理解するかぎりでは、日常いわれるPDCAとなん
ら変わることはありません。(1)~(4)に沿って行われる「目標による管理」が
多くの会社で採用されています。
しかし、実務的には人事評価と言われると立ち往生することになります。
「目標のたて(させ)方がわからない」、「目標設定時の部下とのやり取りがわ
からない」、「評価のときの基準がわからない」など上司から幾多の質問が寄せ
られます。
「目標設定上の自主性を認めてくれない」「遂行過程での上司のチェックが細か
すぎる(あるいは大ざっぱすぎる)」、「評価が納得できない」など、部下からも
不満が出て来ます。
苦情や不満の中には単に制度に対する心理的抵抗の域を出ないものもあります
が、本質的に評価制度、基準の不明瞭や他部門との不公平、制度説明の不備、
教育不徹底などを鋭く衝くものもあります。
■■ MBO:目標によるマネジメント ■■
かつて、横山先生※1は、Management By Objectiveの導入に失敗する会社を
横目に見ながら、MBOを導入するならば、実務上最低5年間は、集中的な密
度の濃い「MBOスキル教育」の実施が必要であると述べていました。集中教
育後も、恒常的にあらゆる機会の中に必ず MBOのためのセッションを入れ込
むような継続的な反復教育を、評価する者及びされる者の両者に必要であると
述べていました。
教育用の資料の一つとしては、当時評判のE・A・ロックとG・P・ラザムの共
著『Goal Setting(目標が人を動かす)』(松井・角山共訳 ダイヤモンド社)、
及びE・C・シュレー著 『Management Tactician管理者の目標達成)』(梅津訳
ダイヤモンド社)などを上げておられました。
横山先生 ※1 1926~2019年(没),元モービル石油取締役人事部長,日本の
キャリア開発理論の先駆者、2004年テクノファ/キャリアコンサルタ
ント養成講座立ち上げ指導
■■ JOB型人事における評価 ■■
コロナ禍があけて、日本の産業界も30年にわたる衰退期を経てようやく明るい兆しを見
せてきました。今このタイミングで JOB 型人事の議論が盛んになっていますが、同時
に「人事評価制度」の議論も並行して盛んになっています。
言うまでもないのですが、人事評価制度は、従業員の業績への貢献度、結果に至
るプロセスにおける努力、業務態度などを評価し、昇格昇進、賞与査定につな
げる人事施策です。人を評価することは難しいと敬遠する向きが多いのですが、決し
て避けて通れない課題です。
目的を正しく理解した上で取り組まないと、評価結果によっては従業員のやり
がいに影響を与え企業業績の足を引っ張る恐れがあります。企業が求める業績
に貢献した従業員は、貢献しない人より評価して称えなければなりません。逆
に業績に貢献しなかった従業員には奮起を促す必要があります。企業と従業員
は、同等の立場で評価に臨まなければなりません。従業員が主張すべきことを
主張し、適切に処遇が決まれば、従業員のモチベーションは向上し、組織のさ
らなる成長が期待できます。
そのためには、まず双方(部下と上司)の納得のいく目標設定が必要です。
企業の実現したいビジョンと、それをブレークダウンして部下の職場の目標に
したものを、従業員に「自分は何を期待されているのか」「何を実現すればい
いのか」を明確に示さなければなりません。
次週は「人事評価の項目・基準」についてお話ししたいと思います。
(つづく)