Category Archives: つなげるツボ

ちょっと寄り道を-世界の認証取得件数 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.284 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** ちょっと寄り道を-世界の認証取得件数 ***
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コロナ後は、今までとは非連続な時代が来るであろうと、コロ
ナが終息するまでの期間(今はまだ終息するかさえも分からない)
は、将来に備えて組織の診断をしようと話をしてきましたが、
今回はちょっと寄り道をして今年発表されたISOマネジメント
システムの世界の認証取得件数について説明をします

■□■ 世界のISO認証取得件数・増加率-2019 ■□■
今回ISO中央事務局から発表された数字は2019年の実績について
です。
それによると主要なマネジメントシステム認証の世界での取得件数
は135万7千件で前年度比較3.8%の増加でした。
2018年からISOは発表する数を認証数と認証サイト数の2種類と
しました。以下の数字は認証数で説明します。
ただし、グラフでは従来との継続性確保の面から2者の平均値を
算出してデータ数としています。

■□■ ISO 9001認証取得件数-2019 ■□■
次はISO9001の世界の認証取得数です。
世界で88万3千件と報告され、前年度比0.55%の増加です。かろう
じて増加となっていますが、下記グラフを見ればこの10年明らかに
変化の無い平衡状態となっています。
国別では相変わらず中国が一番です。

■□■ ISO14001認証取得件数-2019 ■□■
次はISO14001の世界の認証取得数です。
世界で31万6千件と報告され、前年度比1.8%の増加です。下記
グラフから伸びは小さいですが増加傾向は続いています。
国別では相変わらず中国が一番です。

■□■ ISO/IEC 27001認証取得件数-2019 ■□■
次はISO/IEC27001ですが、9001、14001と比較すると桁が違って
少なくなっています。
世界で3万6千件と報告され、前年度比14%の増加です。認証数
が少ないところにコロナが影響して通信業界には追い風となった
影響で情報セキュリティの増加率は大きいものになっています。
国別ではここでも中国が一番です。

 

図書の整理-内部診断と内部監査26 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.283 ■□■
― つなげるツボ動画版はじめました ―
*** 図書の整理-内部診断と内部監査26 ***
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前回から小骨の診断についてお話しを始めました。小骨とは日常
の仕事である身近なプロセスを意味しています。最初は整理整頓
についてです。我々は小学校のころから整理整頓をするようにと
繰り返し言われてきましたが、なかなか身につかないようです。
組織内部には多くの整理整頓すべきものがありますが、それらが
期待されたとおりになっているかを内部で診断することについて
述べてみたいと思います。

■□■ 整理整頓-図書 ■□■
整理整頓すべきものには、頭の中、仕事、文書、記録、図書など
その対象は多岐にわたります。
頭の中はともかくとして、身の周りにある多くの物は整理整頓さ
れているのと、いないとでは仕事の効率が大きく変わります。
整理とは、まず必要であるものとそうでないものを区分すること
です。整頓は必要でないとされたものを捨てることです。
今回は整理整頓する対象を「図書」にして、それをどのように診
断するかを述べてみたいと思います。

■□■診断1 どこに保管されているか ■□■
図書を保管する部門の数は組織の規模により異なります。小規模
の組織ですと、会社の中に一か所、図書の保管場所があるのが普
通です。大きな組織になると、部門ごとに図書の保管場所がある
でしょう。図書の保管方法もオープンな棚、本棚、書架など色々
あると思います。

しかし、現実は随分異なるのではないでしょうか?図書は一か所
にまとめて保管されていないことが多くあります。個人、グルー
プなどに分散して保管されているケースが多いかもしれません。
一か所に保管されていても、ある使用者が持ち出してそのまま個
人保管にしているなど多く見られることです。そうなると、散逸
する危険性が多く必要な図書が必要な時に利用できません。
診断のポイント1は、図書の保管場所です。

■□■診断2 どんな図書が保管されているか ■□■
どんな図書が保管されているでしょうか。診断のポイント2は、
保管されている図書の内容の確認です。
次のような図書が保管されている可能性があります。
 ・個人の図書
 ・取引先からの贈呈図書(取引先の歴史・沿革など)
 ・カタログ
 ・展示会パンフ
 ・広告宣伝資料など
ただでさえ狭い保管スペースを有効に活用するには、使用目的に
合った図書の保管に絞ることが大切です。

■□■診断3 図書の使用目的は ■□■
では保管されている図書の使用目的は何でしょうか。使用目的別
に保管図書を区分することは図書の探し出しを効果的にします。
できれば図書棚にインデックスを付けておくと良いと思います。
図書の使用目的は一般に次の区分によって決まってきます。
 ・部門別
  -営業
  -設計
  -技術
  -調達
  -製造
 ・機能用
  -法規
  -品質
  -環境
  -安全
  -人事
  -福祉
  -CSR

■□■診断4 図書の保管方法は ■□■
診断のポイント4は保管方法についてです。

一般的に、図書を保管する場所及び方法には以下の例が考えられ
ます。
 1.決まった一か所に集中させて保管(診断1参照)
 2.数か所に分けて保管(同上)
 3.特別な例として、外部場所に保管

いずれの場所、方法を選択するにしても、診断で重要となるのは、
「保管管理」と「保管図書の把握」です。
保管図書基準を定め、基準に則って保管すると決めた図書の目録
を作成しておくと、たとえ保管場所が分散していても、図書が
「どこに、何が」保管されているか把握し、利用することができ
ます。

小骨の診断_内部診断と内部監査25 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.282 ■□■
 ― つなげるツボ動画版はじめました ―    
*** 小骨の診断_内部診断と内部監査25 ***
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新型コロナウイルス終息後の世界について、予測も含めてこれ
からの変化を注視していく必要があります。そうした変化に備え
る意味でもこの機会に自組織の内部診断(内部監査)を行ったら
どうでしょうか。前回はサポート(支援)分野の総務プロセスに
ついてお話しをしましたが、今回からは小骨の診断についてお話
しをしてきたいと思います。

■□■大骨と小骨の診断■□■
内部診断には大骨の診断と小骨の診断があると「つなげるツボ」
Vol.256でお話ししました。繰り返しになりますが、組織の大骨の
診断は今まで20数回にわたり話をしてきました。
1.経営分野
 ・中期経営計画
 ・方針管理
 ・働き方改革
 ・SDG’s
2.プロフィットセンター(主要)分野
 ・研究開発プロセス
 ・企画プロセス
 ・設計プロセス
 ・生産技術プロセス
 ・購買プロセス
 ・製造プロセス
 ・サービス提供プロセス
 ・品証プロセス
 ・営業プロセス
3.サポート(支援)分野
 ・情報セキュリティプロセス
 ・会計プロセス
 ・総務プロセス

■□■ 小骨の診断対象例 ■□■
組織の大骨のプロセスの下には、業務展開された小骨のプロセス
が沢山あります。アメリカの大統領が表彰する品質管理のマルコム
ボルドリッジ賞事務局は、上位12の大骨のプロセスを下層の活動
へと3階層展開して一般的な組織のプロセス(活動)約400の活動
を示しています。

組織の第一線のプロセスにはこのように多く(約400)ありますので、
診断の対象としてより日常管理を取り上げる場合には多くのプロセス
から今課題になっている或いは強化すべきプロセスを対象とすべきだ
と思います。
この選択は組織の診断者がしなければならないのですが、テクノファ
では日常活動で常に問題視される整理整頓、文書管理、仕事の手順を
取り上げていますので、これからは次の小骨サンプリング例について
一つずつ説明をしていきます。
1.整理整頓
 -図書
 -文書
 -PC
 -プロジェクタ
 -規格
 -机上
2.文書管理
 -検索容易性
 -登録ルール
 -サーバーホルダー構造
 -タグ名
3.業務手順
 -個人が管理する活動
 -課長が管理する活動
などです。

診断者の心掛け-内部診断と内部監査24 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.281 ■□■
 ― つなげるツボ動画版はじめました ―    
*** 診断者の心掛け-内部診断と内部監査24 ***
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新型コロナウイルス終息後の世界について、予測も含めてこれ
からの変化を注視していく必要があります。そうした変化に備
える意味でもこの機会に自組織の内部診断(内部監査)を行っ
たらどうでしょうか。今回は診断者の心がけをお伝えします。

■□■ 診断者 ■□■
前回内部診断を行う人は社長が望ましいとお話ししました。社長
は多くの仕事をしなければなりませんが、多くの仕事の中から社
長自身が行う仕事を何にするのかは社長自身の選択です。
しかし、50年、100年も続いている企業には長い歴史の中で作ら
れてきた不文律、慣習、文化などがあります。社長が何をするの
かは企業の規定で決まっています。更に上場企業になると金融
庁、東京証券取引所から発行されている「Corporate Governance
Code(企業統治規定)」に定められたいろいろな事柄を管理しな
ければなりません。

社会に存在を許される企業の活動、行動は当然のことながら、
社長の一存では変えることはできません。社長が自分の仕事を変
えることが出来るのは、限定された範囲に限られます。しかし、
その決定は組織全体に大きな影響を与えることを自覚しておく
必要があります。その限定された条件の中から、できれば内部
診断を行うことを取り上げることをお奨めします。勿論、既に
内部診断を実施している社長さんもおられますので老婆心から
のおすすめです。

■□■ 診断の展開 ■□■
今まで診断者を社長一人に限定して話を進めてきましたが、
組織全体に診断の網を張り巡らそうとすると、役員、部長など
に診断業務を展開することになります。
しかし、診断者が組織部門の第一線に近くなればなるほど、
診断の意義が少なくなっていきます。例えば課長にまで診断
を展開した場合、診断業務は日常管理におけるチェック業務
と変わらなくなります。
かといって、社長一人でカバーできる範囲は少ないですから、
役員、部長レベルにまでに展開することは適切なやり方です。

筆者の経験では、現場を事業部単位、工場単位、管理部門単位
など組織の実態に応じて分け、年2、3回現場診断会を開催して
いました。私が経験した組織の規模は大きかったので、全社を
診断するには3年くらいかかりました。診断者は社長、役員
10名位で、被診断者は部門責任者及び部課長でした。診断には
原則1日を使いましたが、本社から地方の移動時間を考慮して、
10:00~16:00が実質の診断時間でした。
また、近年日本企業は海外に多くの工場を持っていますが、海外
工場にまで内部診断を行っている企業は少ないようです。しかし、
金融商品取引法による内部統制による財務監査は海外拠点にも
適用しなければなりませんので、それとジョイントして実践す
ると良いと思います。

■□■ 診断の準備 ■□■
診断の目的は「自組織の実態を知り組織の強さと弱さをあぶり
だす」ことにあります。組織の実態は、報告されてきたことだけ
では十分に分かりません。社長、役員、部長などが現場を観る
ことで報告の裏付けを取ることができます。
内部診断を行う場合には、診断者は全員「診断の基本姿勢」を
理解しておくことが良いと思います。次のようなものが例とし
てあります。
1. 内部診断は、業務推進の弱さ及びそれを支えるマネジメント
システムの弱点を見つける目的で行うものであって、個人を
評価するものではない。
2. 内部診断では、議論はしても論争はしない。指摘することに
よって、業務を追加したり、手順を追加したりする場合は、
診断者、被診断者両者の合意が必要である。
3. 内部診断の目的は、問題点を発見し、解決策や改善策を検討し、
実行に移し、最終的に改善を図ることである。
4. 内部診断では、お互いに(診断者、被診断者共に)、I及び
You ではなく、Weの姿勢をとる。

■□■ 診断のプロセス ■□■
ISO19011は内部監査の指針ですが、診断の指針としての参考に
なります。
ISO19011「箇条6.4.1 一般」には、「図 1-監査プログラムの
管理フロー」が掲載されていますが、それを診断プロセスに置き
換えると次のようなステップになります。
・診断の目的の明確化
・診断プログラムの策定
・診断プログラムの実施
・診断プログラムのレビュー及び改善

誰が診断するか-内部診断と内部監査23 | 平林良人の『つなげるツボ』

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■□■ 平林良人の『つなげるツボ』Vol.280 ■□■
 ― つなげるツボ動画版はじめました ―    
*** 誰が診断するか-内部診断と内部監査23 ***
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新型コロナウイルス終息後の世界について、予測も含めてこれ
からの変化を注視していく必要があります。そうした変化に備え
る意味でもこの機会に自組織の内部診断(内部監査)を行ったら
どうでしょうか。いままで経営分野のプロセス、主要分野のプロ
セス、支援分野のプロセスについて話しをしてきました。それで
はこれらの診断は誰が行うのが良いでしょうか。今回は内部診断
を行う人は誰がいいのかについてお話をします。

■□■ 診断する人 ■□■
内部診断は本来社長がすべきです。しかし、社長は忙しく時間が
取れませんので、一般には役員あるいは部長が大骨の診断をする
ことが多いようです。
今から40年前に遡りますが、私がセイコーエプソンに勤務して
いた頃、会社では社長診断が行われていました。今でこそ理解で
きますが、会社のトップである社長にはとてつもない多くの仕事
があります。勿論会社の規模にもよりますが、社長が自身の目で
確認したいと思う事柄は無限とは言いませんが、間違いなく2人
分、3人分の仕事量になると思います。

■□■ 権限移譲 ■□■
当然のことですが、組織は社長一人の力で運営管理することはで
きません。社長は組織の運営管理の役割分担を決め、役員に権限
を委譲します。権限移譲しても、最終責任は社長にあり、総ての
責任までを役員に移譲することはできません。
社長は最終責任を負えるように権限委譲した仕事の結果をチェック
する必要があります。しかし、総てをチェックすることは時間的、
物理的に無理があります。
必然的に、総てをチェックするのではなく、効果的、効率的に権限
移譲した仕事をチェックする方法を考えざるを得ません。その方法
の一つが現場を見るということです。

■□■ 現場を見ること、診断 ■□■
現場を見ることでどんなチェックができるでしょうか?
社長には既にいろいろな情報が入っています。売り上げが伸びた、
減った、お客様からのクレームがある、無災害が途切れた、事故が
起きた、パワハラがあるなど日常あらゆる情報がその気になれば
入ってきます。
多くの小企業では、日常茶飯事に社長が現場を見ますので、その
ような情報の真偽、要因、状況などは手に取るように分かります。
しかし、組織規模が100人を超え、中小企業規模300人くらいに
なりますと、社長が現場を見る機会がめっきりと減り、人員が
1,000人を超えるようになると社長が現場を見ることはほとんど
なくなるのが現状のようです。
現場を見ると、当然ですが現場で起きていることが分かります。
 ・活動
  -物づくりならば、機械の稼働、材料の在庫、人の動き
  -サービス業ならば、接客態度、雰囲気、
  -食品関係ならば、味わい
  -倉庫関係ならば、物流、サプライチェーン
  -情報セキュリティならば、サーバー、PC、IoT
 ・設備 
  -メンテナンス状態
  -スペース
  -活動環境、室温、明るさ、騒音
  -エネルギー、電気、油
 ・環境
  -5S
  ―廃棄物
  ―排気、排水、屋外貯蔵、外溝美観
  -駐車場
 ・人々
  -活力、明るいか暗いか、笑顔があるか
  -挨拶、態度
  -服装、身なり

■□■ トップが診断する意義 ■□■
以上のようなことはほんの例にすぎません。私が思いついたこと
を羅列しただけです。トップ診断の意義は「現場はうそをつかな
い」ことにあります。大企業になればなるほど、トップは間接的
な情報に頼らざるを得ません。しかし、間接的な情報には次の
3種類が一体混然となっていることを知っておかなければなり
ません。
  ・事実
  ・要望
  ・感情
トップが現場を見ることは現場にもある種の緊張、抑制を生みま
す。事前に情報を出して準備させることが良いか、急に訪問して
事実を直視する方がいいかは、組織の置かれた状況によって変わ
ると思います。